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教養としての「ローマ史」の読み方
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2018/03/20 |
JAN | 9784569837802 |
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
ホモサピエンスは変わらないということを認識した。 王政→帝政→共和制という流れがあるが、どれが良いということではなく、その時の時代背景によって何が良いかは変わってくる。 やはり国が大きすぎると統治が難しくなってくるので、それが崩壊の綻びになっていく。 かといって、チャンスがある時...
ホモサピエンスは変わらないということを認識した。 王政→帝政→共和制という流れがあるが、どれが良いということではなく、その時の時代背景によって何が良いかは変わってくる。 やはり国が大きすぎると統治が難しくなってくるので、それが崩壊の綻びになっていく。 かといって、チャンスがある時に国の拡大を止めるという判断をするのも難しいと思う。 もし、オクタウィアヌスが1000年生きていたとしてもローマ帝国は崩壊すると思う。 何が正解かわからないが、人に慕われる、活躍させたいと思う皇帝が治めることで、五賢帝時代みたいな平和なときが訪れるのかな。
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いよいよ塩野七生先生のローマ人の物語を読んでみようと思い、その前におさらい(予習?)したくてこちらを手に取りました。物語調ではないですが一冊でローマの歴史が分かり著者の先生の見解も書いてありとても分かりやすかったです。 歴史は好きでローマも結構好きな方ですが、これまでの認知が点...
いよいよ塩野七生先生のローマ人の物語を読んでみようと思い、その前におさらい(予習?)したくてこちらを手に取りました。物語調ではないですが一冊でローマの歴史が分かり著者の先生の見解も書いてありとても分かりやすかったです。 歴史は好きでローマも結構好きな方ですが、これまでの認知が点と点(有名な出来事や人物を切れ切れに知ってるレベル)だったので、この本でひとつの流れとして理解できました。 学校の世界史の授業は点と点でこっちの歴史やったと思ったら今度はあっちに行って…的な感じなカリキュラムで年号と地名人名を覚えて終わりがちですが、歴史は過去に学ぶものなので、こうやって流れで教わりたいものです。
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以前も本村氏の本を読みました。もう内容も覚えていないのですが、おぼろげに面白かったことを覚えています。 今回、改めてローマ史について読みましたが、これは実に面白かった。忘れないうちに備忘として記録に残したいと思います。 ・・・ 本作、ローマの歴史1,200年を通史として紐解い...
以前も本村氏の本を読みました。もう内容も覚えていないのですが、おぼろげに面白かったことを覚えています。 今回、改めてローマ史について読みましたが、これは実に面白かった。忘れないうちに備忘として記録に残したいと思います。 ・・・ 本作、ローマの歴史1,200年を通史として紐解いています。で、実に面白い。 それはやはり、人にフォーカスしているからだと思います。紀元前8世紀から共和制を経て、そして賢帝たち、続いて軍人皇帝時代を経ています。 賢帝でも愚かな息子を次の帝位につける、反抗した軍でも恭順を示せば許す、気前の良いことを言って約束し財政を悪化させる、反乱に諦めかけるところを妻の一言でやる気を出す等々。 良いことも悪いことも、すべて感情をもった人が行うこと。1,200年もあれば大概の事例が出てきてもおかしくはないわけです。こうした人間ドラマという切り口で政治史を読み解く巧みさにより、すんなりと文章が読めたと思います。 例えれば、NHKの大河ドラマでしょうか。 歴史の古臭い物語ながら、多少の脚色はあろうとは思いますが、そこに描かれるのは人間ドラマ。だから面白い、と。 ただ、本作の場合、皇帝の数がまあ多いです。ですからもう瞬間瞬間は読んでいて面白いのですがもう皇帝の名前とかは覚えきれません。。。すみません。 ・・・ 次に白眉であったのは、「なぜローマは衰退したのか」ということへの解説です。世にいう説はどうやら三つほどあるそうで、「衰亡説」「異民族問題」「変質説」に解説されています。 「衰亡説」は経済的に衰えていったと。栄枯盛衰ではないですが、ピークを保つのは難しいですし、上がれば下がりますね。具体的にはかつては貴族が出していたインフラへの投資。老朽化していくとメンテナンス代がかかりますが、政府(というか皇帝)はここまで面倒を見るつもりがない。多少のメンテナンスはあっても根本的に古くなっていくと。となると非効率なインフラが非効率な生活につながり、あとは応じて国力も落ちてゆくということなのでしょうか。 「異民族問題」は民族大移動とも関連しています。寒冷期が始まり、ゲルマンがより温かい南に進出してきた。でも実はその前にフン族によりゲルマンが押し出されてもいた。またゲルマンを取り込んで親衛隊等に組み込むことで爾後軍人皇帝時代の混沌を呼んだといってもよいでしょう。これは良い悪いではなく結果からみてそういう原因に見える、ということなのだと理解しました。 最後に「変質」説ですが、これは本村先生が押しているように見えます。端的に言えば「寛容さ」を失った、というものです。かつては許す・受け入れるという文化が広まっていたものの、そのような文化が消えていったということのようです。またギリシア・ローマ的な万神論的な思考から、キリスト教的一神教が国教となったことも大きいようです。 このあたりは非常に興味深くて、キリスト教が偏狭であると言っているのではないのですが、他の宗教を認めないという司教(アンブロシウス)が力を持ったり、皇帝へのプレッシャーをかけたことなどが大きいようです ・・・ ということで、本村先生の著作でした。 非常に読みやすいにも関わらず格式高く歴史を謳い上げている佳作でありました。タイトルにある通り、教養としてこういうのがさらっとしゃべれるとちょっと素敵ですね。 世界史が好きな方にはおすすめできます。
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