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美しい電子顕微鏡写真と構造図で見る ウイルス図鑑101
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 創元社 |
発売年月日 | 2018/02/01 |
JAN | 9784422430270 |
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2020年。世界中が突如現れた新型のウイルスとやらを中心に回りだした。ニュースでは毎日毎日毎日毎日陽性者の数を報道する。どこもかしこも何につけてもコロナコロナコロナ。何だかおかしなことになってしまった。 しかし自分の周りは健康そのもので何も起こらない。世間との空気の違いに違和感を...
2020年。世界中が突如現れた新型のウイルスとやらを中心に回りだした。ニュースでは毎日毎日毎日毎日陽性者の数を報道する。どこもかしこも何につけてもコロナコロナコロナ。何だかおかしなことになってしまった。 しかし自分の周りは健康そのもので何も起こらない。世間との空気の違いに違和感を感じながらもそもそもウイルスとは何なのだろうと気になり書店で手に取った一冊である。 本書は図鑑であり、ヒト・動物・植物・無脊椎動物・菌類・細菌それぞれに感染するウイルスが写真・構造図付きで101種紹介されている。序盤の40頁程は簡単な基礎知識に割かれているが、そこだけ読んでも初めて知ることばかりだった。ウイルスは生物ではなかったのか!(正確にはいまだに議論が分かれるらしい)世間の人はどれ位知っているだろう。菌とウイルスを混同している人も多いのではないだろうか。 必ずしも彼らが病気を招く訳でもないことも新しい発見である。ウイルス感染=病気になるイメージが強い。 彼らはどこにでも存在しており、人体にも常駐しているが、病気の原因とならないウイルスはさほど重要ではなく、あまり研究が進んでいないのだとか。 ちなみに人体に存在するウイルス集団=ビロームと呼ぶそう。(尚、人体常在菌=マイクロバイオーム) 色が無いほど小さいウイルスだが、本書の写真では美しいを通り越して毒々しい程鮮やかに着色されている。そのため構造がわかりやすい。 構造といえば形が様々なのも面白い。正多面体のもの、にょろにょろしたもの、レモン型のもの、双子タイプのもの、特に細菌に感染するファージたちは人工的でメカニックな形状をしており本当に自然界のものか疑いたくなる。(尚、腸内細菌ファージT4はガチャガチャのフィギュアになるほどファンがいるらしい。) ファージとは細菌を食べるものの意で、白血球をマクロファージ(大食漢)というのはそういう所以らしい。 ■ヒトライノウイルス ライノは鼻という意味。アデノは喉。メジャーなウイルス。多分私も今までに何度もこいつに感染している。 『風邪を引いたら治るまで辛抱強く待ちつつ、おばあちゃんの忠告に従うのがいちばんであるー暖かくしてしっかり体を休め水分を多く摂りチキンスープなど栄養のある食物を摂ることだ』…アメリカにもおばあちゃんの知恵袋的なのがあるのかな。おばあちゃんの言うことに間違いはない。 ■SARS関連コロナウイルス 突如現れ姿を消した。2年後の2004年4月にワクチンが開発されたが、しかし同年1月以降は発症例の報告無しとの事。なんだか不思議で怪しいウイルス。 ■ノーウォークウイルス 目次を見て悪名高いノロウイルスがおらんぞと思いつつ頁を捲っていたら名前が少し違っていた。 ノーウォークというのは地名でこいつが属するのがノロウイルス属らしい。最強の感染病原体とのお墨付き。人体外でも非常に安定している。エンベローブもないのでアルコールも効かない。一生涯こいつだけには感染したくないものだ。毎年冬場は戦々恐々としながら納豆を食べ過ごしている。 ■チューリップモザイクウイルス “チューリップ狂”が最初のバブル経済らしい。ウイルスが原因だとわかるやいなや、今度は頑強性が求められて珍重されなくなったとか。美しさは変わらないのにね。 ■オオバコアブラムシデンソウイルス アブラムシのコロニーの中で数が増えすぎると突然有翅タイプが生まれて別の場所へ移動することで分散を図るのだが、それはウイルスのおかげだったらしい。アブラムシは植物によりたくさん種類がいるがウイルスもまた各専門のヤツが存在するのだろうか。 ■イリドウイルス ダンゴムシ界隈では有名なウイルス。イリドウイルス科という大きな括りがあるようだ。本書では“昆虫虹色ウイルス6型”が紹介されている。ダンゴムシが感染すると体色が美しい青色に変化。その後死んでしまう。あの美しい色は構造色らしい。 ■第1群ウイルスの中にはその生活環で宿主の細胞に必要ない分裂を強要させるものがいるようだ。宿主細胞が分裂する際に使うDNAポリメラーゼを利用するためだが無制御に分裂を繰り返すと宿主は癌になりかねない。ああだから確かにヒトパピローマウイルスも第1群なのか。アデノウイルスも第1群?もしかして喉風邪にかかりやすいと癌にもなりやすい? ■我々の遺伝子にはウイルス由来のものがたくさん組み込まれており、進化の研究に役立つらしい。本来無害な細菌にウイルスがゲノムを組み込むことで有毒な細菌となるらしい。(O157など)ウイルス恐るべし。 逆転写等の表現がいまいちピンと来ず読んでいて難しいところもあったが、ウイルスについて少し理解が深まった。
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なんか凄まじい本だった。分厚い本だが、ウイルスのマニア?はもちろん、自然科学、特に生命科学に興味を持っている人は一度読んでおいて損はない。 わかりやすく短いセンテンスと、電子顕微鏡写真、イラストで代表的な101のウイルスを紹介してくれる。そこから浮き上がってくるのは個々のウイル...
なんか凄まじい本だった。分厚い本だが、ウイルスのマニア?はもちろん、自然科学、特に生命科学に興味を持っている人は一度読んでおいて損はない。 わかりやすく短いセンテンスと、電子顕微鏡写真、イラストで代表的な101のウイルスを紹介してくれる。そこから浮き上がってくるのは個々のウイルスの特徴や見分け方、ではなく、生命の摩訶不思議な成り立ちだ。 新型コロナはもちろん、エボラやエイズ、天然痘やC型肝炎はウイルスが原因の病気だが、ウイルスに感染するのは人間だけではない。犬や猫、鳥といった動物はもちろん、植物も、昆虫も、菌類や原生動物、細菌や古細菌までウイルスに感染する。感染といっても隣の人がくしゃみしたら感染っちゃった、というレベルではなく、親から子孫へ引き継がれていくウイルスもあるそうだ(垂直感染)。しかもウイルスは病気を起こすばかりではなく、一部のハチやアブラムシでは自らの生存に有利な道具として「利用」されているという。 新陳代謝?しないウイルスが生命と言えるかどうか、という議論があることは知っている。が、人間のDNAにもウイルス由来の部分が相当あるそうだし、むしろ連中のほうが生命の主流なんじゃないか。という気がしてきた。 この本、新型コロナが流行する直前に書かれたみたいだが、この人の新型コロナの本を読んでみたい。
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