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孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/02/06 |
JAN | 9784309464657 |
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孤独の科学
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
旅先で読んだのだが、とても面白い本だった。本書の内容に異論はないのだが、自分なりに考えるのは、なぜ、孤独が健康を害すような、生命にネガティブな影響を齎すのか、だ。 最初私は、これは集団の中のアポトーシスのような機能で、種の維持の為の自浄作用かと考えた。しかし、孤独といっても、フ...
旅先で読んだのだが、とても面白い本だった。本書の内容に異論はないのだが、自分なりに考えるのは、なぜ、孤独が健康を害すような、生命にネガティブな影響を齎すのか、だ。 最初私は、これは集団の中のアポトーシスのような機能で、種の維持の為の自浄作用かと考えた。しかし、孤独といっても、ファーストペンギンのような逸脱や群れから離れた探索行動を行う個体は、集団には有益なはずだ。リスクを取って孤立して探索する事で集団に役立つ情報を得られるのに、それが生命にネガティブな作用を齎すならば進化の選択圧として矛盾する仕組みに思える。 悪いのは孤独ではなく、集団にいようがいまいが、存在が認められない「孤立」なのだ。だから一人ぼっちでも〝本人が孤独を感じないなら“健康に悪作用する事はないという論とも符合する。 ー 冠状動脈性心想を持つ患者は、怒りを思い起こすと、心室機能が急に悪化することもわかっている。こうした発見を説明するために考えられた一つの仮説は、敵意を持っている人はストレスに対して心臓血管が過度に反応し、この過剰な反応がアテローム性動脈硬化を発症させたり、心臓発作の引き金になったりする、というものだ。だが社会的文脈で見ると、敵意は社会・経済的地位の低さとも関連しており、同様に喫煙傾向の増加や禁煙傾向の減少、さらに前章までで見てきたように孤独感とも相関がある。 敵意や疎外感が良くないのであり、一人が好きなタイプには問題ある話ではない。私も一人が好きだ。大丈夫。孤独と孤独感は違う。
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その孤独感には理由がある!脳と心のしくみから、遺伝と環境、進化のプロセス、病との関係、社会・経済的背景まで…「つながり」を求める動物としての人間―第一人者がさまざまな角度からその本性に迫る。少子高齢化が進み、コミュニティーの重要性が見直されている現代社会において、よりいっそう示唆...
その孤独感には理由がある!脳と心のしくみから、遺伝と環境、進化のプロセス、病との関係、社会・経済的背景まで…「つながり」を求める動物としての人間―第一人者がさまざまな角度からその本性に迫る。少子高齢化が進み、コミュニティーの重要性が見直されている現代社会において、よりいっそう示唆に富む一冊である。 第1部 孤独な人たち(対人関係の中で寂しさを覚える;遺伝の力、環境の力;自己制御力が失われていく;利己的な遺伝子と社会的な動物;普遍的な要素と個別的な要素;孤独感による心身の磨耗) 第2部 人間という社会的な生き物(人と人を結ぶ交感の糸;断つべからざるつながり;誰よりも汝自身を知ること;生まれ持った葛藤;起きて当然の葛藤) 第3部 社会的つながりに意味を見出す(三種類の適応;適切な社会的つながりを築くために;社会的なつながりの力) 231116-1
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心理学、脳科学、生理学、社会学、哲学、人類学、生物学など非常に幅広い観点から「孤独」について論じ、そこから脱する方法と社会への提言を述べた本。 孤独感は、喫煙や肥満や運動不足と並ぶ、疾病と若年死の重大な危険因子であると述べている。 人間は社会的な生き物であるため、孤立感を覚えているときには「攻撃にさらされているようにも感じ、健康を損ね、人生がつまらなくなり、人と協力してうまい解決策を見つける能力が衰え」てしまうそうだ。 孤独の苦しみから脱する方法は、少々逆説的ではあるが「他者に手を差し伸べること」が必要であるとしている。誰かとつながりたいという欲求は、誰かを受け入れて満たすことによって、そのふれあいを通して満たされるからだ。 以下引用 「社会的なつながりに満足していると安心感を覚える。安心感があると、より創造的に考えられる。そのうえポジティブな情動を期待し、しばしばそれを味わう。これは長い目で見て生理的に良いだけではなく、気分もすぐき高揚し、それが持続する。気分が高揚すると、他者に対するその後の行動にも良い影響が出て、それが今度は私たちに対する他者の行動にも良い影響を与える。するとそれがまた創造的な協力関係を促す。因果が巡り巡って、ポジティブな影響がさざなみのように四方八方へ広がり続ける。」 こうして、多くの人が自分を中心にその周りまで安心感を伝播させてゆくことができたなら、幸せな社会になっていきそうだ。 孤独は社会を良くする原動力であるのかもしれない。
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