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幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか
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幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか

トマス・レヴェンソン(著者), 小林由香利(訳者)

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幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか

定価 ¥2,420

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 亜紀書房
発売年月日 2017/11/01
JAN 9784750515281

幻の惑星ヴァルカン

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商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2021/10/08

 プラネタリウムに行くたびに、あれだけたくさんある星によく星座を当てはめたなあ、と思う。そんな無数の星々は古代から決して手の届かない存在のまま人を魅了してきた。人はそれをひたすら眺め続け、自らの空間的・時間的位置、目指す方角、地球の動きなど、広い意味での「自己と他者」について理解...

 プラネタリウムに行くたびに、あれだけたくさんある星によく星座を当てはめたなあ、と思う。そんな無数の星々は古代から決して手の届かない存在のまま人を魅了してきた。人はそれをひたすら眺め続け、自らの空間的・時間的位置、目指す方角、地球の動きなど、広い意味での「自己と他者」について理解を深めてきた。スケールの大きさ故に観測技術が未熟でも誤差の影響が小さく、自然科学の教材として機能してきたことと想像する。  本書は、科学の水準が今より遥かに低い時代から、天体、とりわけ幻の惑星ヴァルカンを巡って、ヒトの知性の進化の歴史をドラマチックに描いた作品だ。特に面白かったのはニュートンやアインシュタインなど誰もが知る学者のもたらしたインパクトの大きさについて知れたことだ。観測結果から帰納法的に世界を理解した時代から、数式で世界を記述し、千里眼のように未知の惑星の位置を言い当てる時代への転換は、読んでいてワクワクせずにいられなかった。そのような偉業が個人(だけではないが)の才覚や執念によって達成されることの凄さもドラマをより劇的にしている。そうした偉人たちのある種の「欠陥」や苦悩、挫折ももちろん描かれている。  そんな惑星は実在しない、という結論は分かっているのにこんなにも面白い。そんな本だった。

Posted by ブクログ

2020/01/01

ヴァルカンとは、水星と太陽の間にある幻の惑星のこと。海王星の存在を万有引力の法則から導き出して予言したルヴェリウスが、水星の近日点のゆらぎを幻の惑星に求めたことから、ヴァルカン探しが始まる。あるはずの無いものを見たと言う人が現れ、話題となったりするけれど、結局見つかる事なく、アイ...

ヴァルカンとは、水星と太陽の間にある幻の惑星のこと。海王星の存在を万有引力の法則から導き出して予言したルヴェリウスが、水星の近日点のゆらぎを幻の惑星に求めたことから、ヴァルカン探しが始まる。あるはずの無いものを見たと言う人が現れ、話題となったりするけれど、結局見つかる事なく、アインシュタインの理論が証明されると共にヴァルカンは忘れられていく。理論に現実を合わせようとした人達の姿を描いているこの物語を読んで、数年前に話題となったSTAP細胞の騒動を思い出した。自分の理論の正しさを証明するために、見えないものを見てしまう。過去の高名な科学者であってもそのような事態に陥るのだから、功名心に駆られた底辺の学者も推して知るべしだろう。現代においても同様の事例が発生するということは、過去の教訓が活かされていないということなのかもしれない。 まあ科学の世界に限った話ではないけれど。

Posted by ブクログ

2019/06/13

「幻の惑星」という科学の本にしてはSF的なタイトルとカバーデザインが気に入り購入。 科学の歴史を大河ドラマのように楽しく読めました。事実は小説よりも奇なりそのものです。科学者たちの一般市民を巻き込んだ熾烈な競争を、素晴らしい構成で読ませてくれます。科学とはいえ人間的で、示唆に富ん...

「幻の惑星」という科学の本にしてはSF的なタイトルとカバーデザインが気に入り購入。 科学の歴史を大河ドラマのように楽しく読めました。事実は小説よりも奇なりそのものです。科学者たちの一般市民を巻き込んだ熾烈な競争を、素晴らしい構成で読ませてくれます。科学とはいえ人間的で、示唆に富んだ内容になっています。 専門的な話はほとんどなく、難しい箇所も少しありますが、わからないなりに読み進めても本書の魅力は少しも損ないません。 科学を下敷きにしていますが、一人の発想が世界の常識をひっくり返してしまうという夢のあるお話になっています。

Posted by ブクログ

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