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ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書 中公新書252
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ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書 中公新書252

石光真人(著者)

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ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書 中公新書252

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2017/12/20
JAN 9784121802521

ある明治人の記録 改版

¥220

商品レビュー

4.5

18件のお客様レビュー

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2024/06/20

小学校高学年になって「日本史」を学び、その最後の方に「明治維新」や「尊皇攘夷」等を習う。そして、幕末の偉人達の話をあたかも物語のヒーローの話を聞くかのように学ぶ。あとは、NHKの大河ドラマが色合いを与え、そして「あなたの日本史の理解は正しいですよ」と太鼓判を押してくれる。これで、...

小学校高学年になって「日本史」を学び、その最後の方に「明治維新」や「尊皇攘夷」等を習う。そして、幕末の偉人達の話をあたかも物語のヒーローの話を聞くかのように学ぶ。あとは、NHKの大河ドラマが色合いを与え、そして「あなたの日本史の理解は正しいですよ」と太鼓判を押してくれる。これで、典型的な日本人が出来上がる。だが、本当にそうなのだろうか? この本は、ある意味そんな典型的な日本人の曇った眼を覚まさせてくれる一冊である。 「明治維新」とは、兎に角よいイメージのワードであるが、実は立派なクーデターである。薩長土肥の田舎下級武士と農民上りの武士もどきが、それまで天下を収めていた江戸幕府を滅ぼしたクーデターだ。そして、江戸幕府の中心にいた人物達は、逆襲を恐れた新政府が生かさず殺さず状態に留め、そのツケを何も悪いことをしていない会津藩の人達に払わせた。それが、このクーデターの真実である。それが、手に取るようにわかる。そのやり方が、やはり田舎の農民上りや下級武士らしい。しょせんは、臆病者なのである。 そんな連中に地獄のような思いをさせられた会津藩の人達はさぞ悔しく、無念であったことと推察する。それが筆者の言葉から十二分に伝わってくる。それが、悲しい。 また、もうひとつわかったことは、やはり「正しい生き方をした人間が幸福になり、悪いことをした人には天罰が下る」とういうことは、誠に残念ながら人間の単なる妄想であるということ。筆者の姉妹や母親等、何も悪いことはしていない。しかし、理不尽にも自刃する道を選ばざるを得なくなった。これが人間社会。人の世であるということ。その時、その後、薩長土肥の人間達は、美味しい思いをしたのだろうなと思うと、これがたまらない。 色々考えさせられる本である。

Posted by ブクログ

2024/04/17

いくたびか筆とれども、胸塞がり涙さきだちて綴るにたえず、むなしく年を過して齢すでに八十路を越えたり。 柴五郎翁遺書冒頭の一文です ハードSFの名作のあとにこれ、我ながら振り幅がエグいw 柴五郎とは 戊辰戦争で朝敵とされ新政府軍と戦い敗れた会津藩の生き残りであり、藩主松平容大と...

いくたびか筆とれども、胸塞がり涙さきだちて綴るにたえず、むなしく年を過して齢すでに八十路を越えたり。 柴五郎翁遺書冒頭の一文です ハードSFの名作のあとにこれ、我ながら振り幅がエグいw 柴五郎とは 戊辰戦争で朝敵とされ新政府軍と戦い敗れた会津藩の生き残りであり、藩主松平容大と共に斗南藩(現在の青森県むつ市周辺)へと移住 寒冷地で極貧の生活を耐え抜き、陸軍大将にまで上り詰めた人物 清国駐留時の義和団の乱に於いて防衛戦の実質的な指揮をとり、その有能さと人柄から欧米各国からも尊敬された そんな翁の戊辰戦争から士官学校までの半生を「遺書」という形で自ら綴ったものを編者が分かりやすく整えたのが本作です まさに明治維新を会津の側、裏側から見た歴史的にも価値のある記録と言えます 明治を生き抜いた人が書いた文章ですので、冒頭の様にはっきり言って読みにくいんですが、なぜか非常に引き込まれました うーん、読んでるうちにあんまり気にならなくなってるんよね 日本人の血というやつか?違うか この明治維新の会津視点って多分初めて読んだと思うんですが、やっぱり新鮮でした 歴史を振り返るときは勝者からの視点だけでは足りないよねって感じました かなりひどいことしてます、薩長 そして西南戦争で西郷隆盛が自害し、時を置かず大久保利通が暗殺されると「芋征伐仰せ出されたりと聞く、めでたし、めでたし」と喜んだというから、やはり恨み骨髄だったんでしょうな 歴史というのは時々の為政者つまり勝者によって都合良く記されていくというのは歴史の必然でもあるのだなぁとあらためて感じた一冊でした

Posted by ブクログ

2024/03/10

幕末のことはほとんど知らないし、そこまで興味もない。なんのきっかけでこの本を知ったのかも忘れた。ただ、壮絶な環境を生き抜いた人の記録という点に興味を持った。 自分自身いろいろ辛いことがあるが、他の人に比べれば、自分はまだまだ甘いのだろうと思っていた。実際読んで、さぞ大変だったろ...

幕末のことはほとんど知らないし、そこまで興味もない。なんのきっかけでこの本を知ったのかも忘れた。ただ、壮絶な環境を生き抜いた人の記録という点に興味を持った。 自分自身いろいろ辛いことがあるが、他の人に比べれば、自分はまだまだ甘いのだろうと思っていた。実際読んで、さぞ大変だったろうと想像する。そんな言葉さえぬるいかもしれないが。家族が自害する、飢えと寒さに耐え犬肉さえ食べる、武士の子でありながら様々な人に下僕同然に仕える。その屈辱感は、計り知れない。それでも懸命に生き抜く。いつかは春が来る、生きて薩長に一矢報いると言い聞かせて。 これだけの強さが自分にあるかどうか自信はない。振り返れば、自分には必死さがないのかもしれない。今日食べるものに困るとか、寒さを凌ぐことに苦労するとか、そういう差し迫った危機に直面していない。だから弱い、甘い。苦労が足りない。と同時に恵まれてもいる。今あるものに感謝し、苦労をいとわず生きることが大切だと感じた。

Posted by ブクログ

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