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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
| 発売年月日 | 2017/11/22 |
| JAN | 9784569836584 |

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商品レビュー
4.1
85件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
澤田瞳子は聖武天皇の時代が好きなのかしら。 この本もまた、天平の世の庶民の暮らしを描くものだった。 奈良の都を突如襲った不思議な病。 高熱を発し、一度熱が下がった後に全身に疱瘡が広がり、亡くなる人達が次々と発生。 治療法もわからないなか、全身全霊を賭けて患者を診て世話をする施薬院の人々。 施薬院というのは、光明皇后の声で作られた令外官(りょうげのかん)。 つまり私設の病院であり、主人公である名代は、出世から外されたその処遇に不満を持ち、そのうち施薬院から逃げ出すことを考えている。 しかし、あっという間に都中に広まった業病を見て、寝る間も惜しんで患者の世話をする人たちを見て、名代は徐々に医者とは、生きるとは、命とはと考えるのだった。 とにかく疫神(天然痘)の描写が壮絶。 もともとは遣新羅使(遣唐使の新羅版)が持ち帰った病ということで、持ち帰った側の自責の念の強さにも圧倒されたが、「異国から来た病なのだから、異国人を殺せ!」というヘイト行動も、歯止めがきかなくて恐ろしい。 つい出版年を調べてしまったが、これ、コロナの前に書かれた作品なのだ。 施薬院とともに作られた悲田院。 親のない子どもたちを養育する施設なのだが、ここの子どもたちが疫神にかかってしまったため、蔵の中に隔離される。 もう救えないのがわかっていて、他に広めないように、と隔離するのだ。 これもまたコロナの時に行われたことではあるが、子どもたちが隔離されることによって余計にその非情、しかし他にどうしようもない、必要な策に胸がふさがれる。 名代の周囲の人たちも、自分だけは助かろうと、さっさと財産を処分して姿を隠す者がいたり、普段は子どもたちの面倒を見ていたのに、疫神の看病はできないと逃げる人がいたりと様々。 名代と同程度に重要なのが、冤罪で投獄された、元医師の諸男(もろお)。 奈良時代の、不衛生で人権意識のかけらもない牢獄で、人を恨み世を呪い諸男は、まじない札に効力がないことは百も承知で、お札売りという詐欺にまで手を染める。 医者にかかれば助かったかもしれない命を、むざむざ喪わせる行為なのに。 奈良時代という、身分制度にしっかり縛り付けられた社会で、弱者と言われる人たちが支え合い反目し合い、命を救い命を奪う。 閉塞感が増していく作品を読んでいるなかで、最終章のタイトル「慈雨」が支えだった。 喪われた命はあまりに多いが、それでも希望の持てる終わり方だった。
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厚い…重そう….読めるかな… が第一印象。 でも、読み始めたら止まらなくなりました。 コロナを経験した時代に読むと、すごく、すごく、重く、深く感じることがありますね。 「人間、死ねばそれまでだ、と思っていた。だからこそ、せめて生きているうちに、自分たちは何か為すべきことを見つけ...
厚い…重そう….読めるかな… が第一印象。 でも、読み始めたら止まらなくなりました。 コロナを経験した時代に読むと、すごく、すごく、重く、深く感じることがありますね。 「人間、死ねばそれまでだ、と思っていた。だからこそ、せめて生きているうちに、自分たちは何か為すべきことを見つけねばならぬのだと考えていた。しかしながら病に侵され、無惨な死に遂げた人々の記憶は、後の世に語り継がれ、やがてまた別の人々の命を救う。ならば死とは、ただの終わりではない。むしろ死があればこそなお、この世の人々は次なる生を得るのではないか。」 「ようやく分かった。医者とは、病を癒し、ただ死の淵から引き戻すだけの仕事ではない。病人の死に意味を与え、彼らの苦しみを、無念を、後の世まで語り継ぐために、彼らは存在するのだ。」 すごくないですか…?
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時は天平。 藤原四兄弟をはじめ、寧楽の人々を死に至らしめた、天然痘が蔓延。 感染を食い止めようと、寝食を忘れ、治療に当たる医師たち。 噂に翻弄され、怪しげなお札を買い求める民。 混乱に乗じて、偽物のお札を高値で売りつける輩。 「天平のパンデミック」を舞台に、人間の業を見事...
時は天平。 藤原四兄弟をはじめ、寧楽の人々を死に至らしめた、天然痘が蔓延。 感染を食い止めようと、寝食を忘れ、治療に当たる医師たち。 噂に翻弄され、怪しげなお札を買い求める民。 混乱に乗じて、偽物のお札を高値で売りつける輩。 「天平のパンデミック」を舞台に、人間の業を見事に描いた作品。 見応えのある一冊だった。
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