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殺人者の記憶法 新しい韓国の文学17
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | クオン |
| 発売年月日 | 2017/10/25 |
| JAN | 9784904855645 |

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殺人者の記憶法
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商品レビュー
3.8
37件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2025年の最後に読んだ本。 本の厚さの割に文字量が少なくすぐに読み終えれた。 どんな結末を迎えるのかハラハラしながら読み進めたら想定外の終わり方にびっくりしてしまった。 主人公は本当は身内を慈しんだり、自分に執着する他者を欲していたんだろうか。 だんだん真っ白になっていくのが物悲しい。
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- ネタバレ
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以前、映画を観たときも感じたが、なんとも摩訶不思議な読み心地。 認知症の元殺人鬼の語りで物語は進んでいく。これがなかなかにブラックユーモアがきいていていい。 例えばこんな感じ。 「俺の住んでいる群とその近隣の群で、三人の女性が立て続けに殺されたという(中略)アルツハイマーだと診断された直後に三人目の犠牲者が出たから、俺としてはこう自問するのも当然だった。 ひょっとして、俺か?」p16〜17 「ひょっとして、俺か?」じゃないよあんた!とは思うがまぁ、当然殺人鬼だって歳はとるし認知症にもかかる訳で、そしたらやはり、「俺か?」という疑念が生じるのも然るべしなのかもしれませんね。 途中、般若心経がちょこちょこはさまれるが、記憶があやふやで「私」が崩壊していくという主題はまさしく仏教の基礎「空、無常、無我」に相当するもので、個人的にこの辺りの仏教用語に興味津々な私にとって、こうしたモチーフは垂涎もの。「お、きたきたっ!」と心が踊りました。 他にもニーチェやら詩やらいろいろ引用されるので、そっちが好きな人はまたそっちでニタニタ楽しんでるんやろうなぁという気がする。 作者のサービス精神に感謝。 さて、ここで忘れてはならないのが、この小説が「韓国文学」であるという点だろう。しかも、ところどころに朝鮮戦争だとか四月革命だとか、時代をにおわせる記述がはさまれる。となると、この話を読むにあたっては当然、韓国近現代史を念頭に置いておかねばならず、そしてこれに照らし合わせて読み進めると、主人公が殺人を犯していた時期はちょうど朝鮮戦争直後から民主化までの独裁軍事政権時代に相当することが見えてくる。 民主化以降、直接的な暴力はなかなか目につかなくなった現代においても、そうと気付かぬうちに人々はその生を脅かされ、追い詰められている。(それをチョン・イヒョンは『優しい暴力の時代』と形容した) この小説は、そうした現代社会への風刺であると私は読んだ。 風刺どまりでその先が見えなかったため⭐︎4つに。でも、すごい小説でした。
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あとがきまで含めても160ページほどと短めで、一気に読めた。 物語は、主人公がアルツハイマーと診断されるところから始まり、最初から最後まで彼の日記という形式で綴られている。 認知症患者が徐々に記憶を失っていく過程が日記の中に生々しく描かれており、まるで自分もその忘却の恐怖を追体験しているようだった。 そもそもの設定が秀逸で、冒頭から一瞬で引き込まれた。 そして何より、記憶が失われていくということが、こんなにも恐ろしいことなのかと衝撃を受けた。 今まで認知症について深く考えたことがなかったからこそ、余計に心を揺さぶられたんだと思う。 自分が自分であること、それを形作っているのは「記憶」だ。 その記憶が日々薄れていき、自分の過去も現在も未来も、すべての記憶に「正しい」と思える確信が持てなくなる。 自分を自分として信じられなくなるということ。 この作品は、そんな「記憶」という存在の重さを、改めて考えさせてくれた。 将来もし自分が認知症になったらと思うと、ただ恐怖を感じる。 けれどそれ以上に、近い将来、自分の親がそうなるかもしれない現実にも思いが及ぶ。 現代人の寿命が長くなった今、誰もがその可能性を抱えて生きている。 もし身近な人が少しずつ記憶を失っていくのを目の当たりにしたら、私はその傍で何ができるのだろう。 そしてもし自分が同じ立場になったなら、主人公のように必死でメモを残そうとするのだろうか。
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