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私が愛した渥美清

秋野太作(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2017/10/01
JAN 9784334979195

私が愛した渥美清

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2019/03/08

よくある寅さん本かと思って読んだら、かなり様子が違う。 何よりもこれは、映画の寅さんではなく、テレビドラマの寅さんの方をメインにしている。 テレビドラマ版の「男はつらいよ」は芝居を通しで一気に撮る方式なので、渥美清が最も得意とするアドリブの冴えが生きた、有名な「てめえ、さしずめ...

よくある寅さん本かと思って読んだら、かなり様子が違う。 何よりもこれは、映画の寅さんではなく、テレビドラマの寅さんの方をメインにしている。 テレビドラマ版の「男はつらいよ」は芝居を通しで一気に撮る方式なので、渥美清が最も得意とするアドリブの冴えが生きた、有名な「てめえ、さしずめインテリだな」というセリフは映画でのアドリブではなく、テレビドラマ版のアドリブをセリフにしたもの、と著者は主張している。 残念ながら肝腎のテレビドラマ版が第一話と最終回だけしか残っていないので確かめようがない。 著者は寅さんの弟分の登をやっていたドラマのレギュラー出演者なのだが、映画化されるにあたっては渥美清の他はおいちゃん役の森川信と著者のふたりだけがドラマから異動して後はキャストは全とっかえになった、つまり両者をつなげて見られるほとんど唯一の人間ということになる。 もちろん他に山田洋次がいるわけだが、山田に対する見方は相当厳しい。 ドラマ版の寅さんははっきりヤクザであり、映画に移すのにあたってその側面が薄れたこともあるが、それ以上に最終回で寅さんがハブに噛まれて死ぬというひどく唐突な展開に抗議が殺到して映画化に踏み切ったという山田の主張、あるいは定説に著者は異を唱える。 おそらくテレビで受けたのを受けて映画化するのを決めたのが先で、テレビドラマ版の寅さんが唐突に死ぬのはドラマの演出家の小林俊一が映画に引き抜かれるのを納得できず半ば抗議の意味でやったものだという解釈が提示される。 小林の名前は映画版でも「企画」のクレジットでずっと出続けたが、小林の功績が不当に小さく見られている、ひいては映画に対してテレビを低く見ているという憤懣が出ており、山田組の撮影現場の雰囲気もひどく堅苦しくて暗いとぶつぶつ言っている。 こういう形で寅さん、あるいは山田洋次に不満を漏らした本も珍しい。 いずれにしても、生の渥美清がとばしていたであろうアドリブのギャグをその場で見聞きするのは叶わないのが口惜しい。 小林信彦が「おかしな男」で描いた気難しい渥美清像にひどく怒っているのだが、皮肉なことに結果としてここで描かれている渥美清像とそんなに変わらない。

Posted by ブクログ

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