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世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語
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世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語

エドワード・ブルック・ヒッチング(著者), 関谷冬華(訳者), 井田仁康(監修)

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世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語

定価 ¥2,970

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日経ナショナルジオグラフィック社
発売年月日 2017/08/11
JAN 9784863133914

世界をまどわせた地図

¥1,210

商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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2024/10/22

【感想】 本書『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』は、かつて地図に書かれており、そのため実在すると信じられていた「架空の」国や島などを、当時の地図を交えながら解説していく一冊だ。 幻の島や大陸といえば、例えばパタゴニアの巨人島、ムー大陸、アトランティスなどが有名...

【感想】 本書『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』は、かつて地図に書かれており、そのため実在すると信じられていた「架空の」国や島などを、当時の地図を交えながら解説していく一冊だ。 幻の島や大陸といえば、例えばパタゴニアの巨人島、ムー大陸、アトランティスなどが有名だ。こうした存在が何処から出てきたのかといえば、たいていは根も葉もない伝承からである。航海技術が未発達だった時代に「○○という島を見た」と誰かが口にすると、それに尾ひれがつき、当時の文献や地図に「あるもの」として記録されていく。もちろん、測量技術も乏しくて海図も不正確だった時代なのだから、まるで信憑性はない。地図の製作者が「ただ載せたかったから」という理由で架空の島を作り上げたという例も多数存在する。 だが、中にはそうした伝承を超えて、近年までずっと残り続けていた幻島もある。ニューカレドニアのサンディ島は、2012年まで実在すると信じられており、なんとグーグルマップにも載っていた。サンディ島はオーストラリアの北東、ニューカレドニアの西にある島として、200年ものあいだ海図に書かれてきており、1792年に初めて文献に出てきて以降、その後何回か詳細な緯度経度が報告されている。 どうして幻島が海図に載っていたかといえば、単なる人為的なミスである。1792年、この島はニューカレドニアの沖合にあるいくつかの小島の1つとして文献に登場した。実際その場所に島があったかは定かではない。その後1876年に、捕鯨船がこの付近で「島や岩礁がある」と報告したところ、その時代の地図製作者によって「1792年に発見された島が再確認された」と考えられ、地図に反映されてしまったのだ。その後、地図帳によって載っていたり載っていなかったりすることが指摘され、調査チームが調査をしたところ、島が存在するとされていた場所には何もなかったそうだ。 幻の大陸、幻の海。かつてグーグルアースが存在しなかった時代には、世界中が未踏の地で溢れていた。神秘性が噂をどんどん大きくしていき、次第に人々の間に語り継がれる神話となっていった。むろん今でも、そのワクワク感は失われていない。本書を読んでいくと、当時の人々が抱えていた冒険心の一端に触れることができるだろう。 ――歴史を振り返れば、地図の誤りはそのままにされることが多かった。おそらく、ちょっとした間違いは大した問題ではないと考えられていたのだろう。だが、海図に堂々とカリフォルニアが島として描かれていたら、あるいは北極に磁気を帯びた謎の巨大なルペス・ニグラ山があったら、さらに、パタゴニアを9フィート(2.7m)の巨人の国として紹介した地図があったら、これらの想像上の土地に行ってみたくはならないだろうか。このような地図はいかにして生まれたのだろう?なぜこれほどまでに広く信じられてきたのか?そして、まだ誰も知らない幻の場所がほかにも存在するのではないだろうか?

Posted by ブクログ

2024/09/15

古代から世界を知ろうとした人々は地図を作り、異国に思いを馳せたのです。ただ、測量技術が未発達であったり、口伝での地図作成ゆえに多くのミスが発生し、存在しない島や大陸が多数発生し様々伝説を生みました。今ではありえない話なので、ロマンを感じるのです。

Posted by ブクログ

2022/01/23

幻の島、噂の山脈、伝説の大陸。 そんなものが堂々と地図に載っていた。 ある者はその地点にたどり着いた。 しかしそこにはあるはずのものはなにもなかった。 それはせいぜい19世紀、いや、20世紀初頭の話だとお思いか。 いや、2009年の話だ。 石油の利権をめぐって、排他的経済水域を...

幻の島、噂の山脈、伝説の大陸。 そんなものが堂々と地図に載っていた。 ある者はその地点にたどり着いた。 しかしそこにはあるはずのものはなにもなかった。 それはせいぜい19世紀、いや、20世紀初頭の話だとお思いか。 いや、2009年の話だ。 石油の利権をめぐって、排他的経済水域を確保するための調査でわかった、ベルマハというメキシコ湾沖にあるはずの島だ。 海面上昇や地震などで確かに島ができたり沈んだりすることは、我が国でもよくあることだ。 最近も島ができ、軽石が流されなくなった。 あった可能性が高い島はメイダ島。 しかし真実はもはや海の中… デイビス島は海賊の話が出てくる。 ヘンリー・モーガン、バーソロミュー・シャープ、エドワード・デイビス。 漫画『ONE PIECE』を思い起こさせる名前の数々にどこにもない島。 まさか空島!?とちょっと興奮する。(実際はおそらく蜃気楼か、何かを見間違えたのだろうと言われているが……) フォルモサ(台湾?)の作り話、択捉島とウルップ島、朝鮮島(半島ではなく)、ムー大陸。 東の島々は想像力を掻き立てられ、変遷する。 図版を見ているだけでワクワクする(ワクワク=日本らしき島の記述も)。 歴史を知っていると、さらに楽しめる。 ナショナルジオグラフィック社ならではのボリュームとわかりやすさ、美しさ。 お勧めだ。

Posted by ブクログ