世界をまどわせた地図 の商品レビュー
【感想】 本書『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』は、かつて地図に書かれており、そのため実在すると信じられていた「架空の」国や島などを、当時の地図を交えながら解説していく一冊だ。 幻の島や大陸といえば、例えばパタゴニアの巨人島、ムー大陸、アトランティスなどが有名...
【感想】 本書『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』は、かつて地図に書かれており、そのため実在すると信じられていた「架空の」国や島などを、当時の地図を交えながら解説していく一冊だ。 幻の島や大陸といえば、例えばパタゴニアの巨人島、ムー大陸、アトランティスなどが有名だ。こうした存在が何処から出てきたのかといえば、たいていは根も葉もない伝承からである。航海技術が未発達だった時代に「○○という島を見た」と誰かが口にすると、それに尾ひれがつき、当時の文献や地図に「あるもの」として記録されていく。もちろん、測量技術も乏しくて海図も不正確だった時代なのだから、まるで信憑性はない。地図の製作者が「ただ載せたかったから」という理由で架空の島を作り上げたという例も多数存在する。 だが、中にはそうした伝承を超えて、近年までずっと残り続けていた幻島もある。ニューカレドニアのサンディ島は、2012年まで実在すると信じられており、なんとグーグルマップにも載っていた。サンディ島はオーストラリアの北東、ニューカレドニアの西にある島として、200年ものあいだ海図に書かれてきており、1792年に初めて文献に出てきて以降、その後何回か詳細な緯度経度が報告されている。 どうして幻島が海図に載っていたかといえば、単なる人為的なミスである。1792年、この島はニューカレドニアの沖合にあるいくつかの小島の1つとして文献に登場した。実際その場所に島があったかは定かではない。その後1876年に、捕鯨船がこの付近で「島や岩礁がある」と報告したところ、その時代の地図製作者によって「1792年に発見された島が再確認された」と考えられ、地図に反映されてしまったのだ。その後、地図帳によって載っていたり載っていなかったりすることが指摘され、調査チームが調査をしたところ、島が存在するとされていた場所には何もなかったそうだ。 幻の大陸、幻の海。かつてグーグルアースが存在しなかった時代には、世界中が未踏の地で溢れていた。神秘性が噂をどんどん大きくしていき、次第に人々の間に語り継がれる神話となっていった。むろん今でも、そのワクワク感は失われていない。本書を読んでいくと、当時の人々が抱えていた冒険心の一端に触れることができるだろう。 ――歴史を振り返れば、地図の誤りはそのままにされることが多かった。おそらく、ちょっとした間違いは大した問題ではないと考えられていたのだろう。だが、海図に堂々とカリフォルニアが島として描かれていたら、あるいは北極に磁気を帯びた謎の巨大なルペス・ニグラ山があったら、さらに、パタゴニアを9フィート(2.7m)の巨人の国として紹介した地図があったら、これらの想像上の土地に行ってみたくはならないだろうか。このような地図はいかにして生まれたのだろう?なぜこれほどまでに広く信じられてきたのか?そして、まだ誰も知らない幻の場所がほかにも存在するのではないだろうか?
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古代から世界を知ろうとした人々は地図を作り、異国に思いを馳せたのです。ただ、測量技術が未発達であったり、口伝での地図作成ゆえに多くのミスが発生し、存在しない島や大陸が多数発生し様々伝説を生みました。今ではありえない話なので、ロマンを感じるのです。
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幻の島、噂の山脈、伝説の大陸。 そんなものが堂々と地図に載っていた。 ある者はその地点にたどり着いた。 しかしそこにはあるはずのものはなにもなかった。 それはせいぜい19世紀、いや、20世紀初頭の話だとお思いか。 いや、2009年の話だ。 石油の利権をめぐって、排他的経済水域を...
幻の島、噂の山脈、伝説の大陸。 そんなものが堂々と地図に載っていた。 ある者はその地点にたどり着いた。 しかしそこにはあるはずのものはなにもなかった。 それはせいぜい19世紀、いや、20世紀初頭の話だとお思いか。 いや、2009年の話だ。 石油の利権をめぐって、排他的経済水域を確保するための調査でわかった、ベルマハというメキシコ湾沖にあるはずの島だ。 海面上昇や地震などで確かに島ができたり沈んだりすることは、我が国でもよくあることだ。 最近も島ができ、軽石が流されなくなった。 あった可能性が高い島はメイダ島。 しかし真実はもはや海の中… デイビス島は海賊の話が出てくる。 ヘンリー・モーガン、バーソロミュー・シャープ、エドワード・デイビス。 漫画『ONE PIECE』を思い起こさせる名前の数々にどこにもない島。 まさか空島!?とちょっと興奮する。(実際はおそらく蜃気楼か、何かを見間違えたのだろうと言われているが……) フォルモサ(台湾?)の作り話、択捉島とウルップ島、朝鮮島(半島ではなく)、ムー大陸。 東の島々は想像力を掻き立てられ、変遷する。 図版を見ているだけでワクワクする(ワクワク=日本らしき島の記述も)。 歴史を知っていると、さらに楽しめる。 ナショナルジオグラフィック社ならではのボリュームとわかりやすさ、美しさ。 お勧めだ。
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面白いけど基本こんな地図が発表されてこんな時期まで信じられ、確認したけど存在しなかった。 という例がこれでもかこれでもかと続くので物凄く興味あるけど眠くなる。 私も地図の知識は中世の一般人レベルなので、元ネタ知らないでパロディ延々説明されてもピンと来ないのよ…これ読んだ後Goog...
面白いけど基本こんな地図が発表されてこんな時期まで信じられ、確認したけど存在しなかった。 という例がこれでもかこれでもかと続くので物凄く興味あるけど眠くなる。 私も地図の知識は中世の一般人レベルなので、元ネタ知らないでパロディ延々説明されてもピンと来ないのよ…これ読んだ後Googleアース見るとすごく楽しいです。 地図の怪物もっと見たかった! それにしても昔は裏を取るのが難しかったからって図々しい人が言ったもん勝ちだったのねえ 入植詐欺なんか鬼畜じゃん…絶対復讐されるレベル!
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カラーイラストが豊富で眺めているだけで充分楽しめる。 そして文章の内容も充実していて、読むのも楽しい。 表紙に一目惚れして購入したが大正解の買い物だったなと思います!
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パラパラとめくる分には結構楽しいが、思いのほか文章量が多く、既に非科学的と認められた内容を空想であったと再確認する作業になった時点で読むのを止めた。当時の文化的背景を読み解くには楽しいのかも。イラスト集として読む分には☆4。
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ブレムミュアエ!!パノッティは原音でなくてパノティイがソレに比較的近いらしい!!ふたなりの皆さん!!とかの、「世界の人類」とか、アトランティスとかワクワクとかフォルモサとかムー、レムリアにヘレナ・ブラヴァツキーの写真が付いたり、結構よろしい。 ニジェール川の源流に理論上あるとさ...
ブレムミュアエ!!パノッティは原音でなくてパノティイがソレに比較的近いらしい!!ふたなりの皆さん!!とかの、「世界の人類」とか、アトランティスとかワクワクとかフォルモサとかムー、レムリアにヘレナ・ブラヴァツキーの写真が付いたり、結構よろしい。 ニジェール川の源流に理論上あるとされるコンゴ山脈、を探すために言った探検家の目に映ったものは、丘すらもない平原であった!!とか、ナイルの源流にあるとされるムーン山脈って手塚治虫『ジャングル大帝』のオリジナル設定ぢゃないの!!しかもこれらは同じ“造山活動”で出来てる関係で、欧州の人の脳内のアフリカを分断してゐる形で聳えてゐる!! ほか、いろいろあって面白い。
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2017年の発刊(原書は2016年)なので新刊ではないが、面白かったので紹介する。 世界の地図が作られて行く過程で伝説や誤解で生じたありもしない島、でっち上げにより実在すると信じられた『幻』を巡る冒険譚などが興味深い。なかには20世紀に入ってやっと存在が否定された島があったと言う...
2017年の発刊(原書は2016年)なので新刊ではないが、面白かったので紹介する。 世界の地図が作られて行く過程で伝説や誤解で生じたありもしない島、でっち上げにより実在すると信じられた『幻』を巡る冒険譚などが興味深い。なかには20世紀に入ってやっと存在が否定された島があったと言う。58個のテーマごとに古地図を使って解説している。名声や欲のために船乗り、地図製作者、学者たちが行った多くの奇妙な嘘が面白い。
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地図って面白いんだなと思う本だった。ゲームの世界やフィクションを読んでいるかのようで、地球が平面だったり、海の怪物がいたりと、ありえないだろと思う地図がたくさん書かれていた。 昔の地図は、全く的を得ていない地図ではなく、外形は今でも見ている地図と似ていることに驚いた。細かい形や島...
地図って面白いんだなと思う本だった。ゲームの世界やフィクションを読んでいるかのようで、地球が平面だったり、海の怪物がいたりと、ありえないだろと思う地図がたくさん書かれていた。 昔の地図は、全く的を得ていない地図ではなく、外形は今でも見ている地図と似ていることに驚いた。細かい形や島は再現できていないけれど、航海だけでここまでの地図を書き上げるだけでもすごい技術だと思った。どうやって地図を作っていったのか気になった。 今では、絵空事であったり間違いだと思うことでも、実際に行ってみたことのない人からしたら、信じてしまうだろうし、間違いだとも気づかないのだろうと思った。だからこそ、自分の目で真実を確かめに行くことが重要だと思った。 当時は旅というよりは冒険だと思うので、地図を作るのも命がけなのだろうなと思うが、新しい島を発見することや、未知の地に踏み入れる感覚は今では出来ない感覚だと思うと、当時の冒険者を羨ましく感じる。
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これまた変わった一冊……。 昔、たくさんの男たちを惑わせ、世界へ冒険旅行に連れ出した、まあ、いわゆるデタラメな地図を集めた一冊です。 いつの世にもこういうことをする人はいるんだなぁ、と……。 悪気のあるなしは別として……。 2019/06/05 更新
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