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わざと忌み家を建てて棲む
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わざと忌み家を建てて棲む

三津田信三(著者)

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わざと忌み家を建てて棲む

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2017/07/19
JAN 9784120049927

わざと忌み家を建てて棲む

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商品レビュー

3.5

35件のお客様レビュー

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2024/10/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。まとめ方にやや力技感のあった前作よりも各エピソードの共通性が単純明快で、怪異もより切迫感がある点で、この作品のほうが作りとしてオーソドックスな感じがする。怪異へのアプローチがメタっぽいところが好み。 ニセ文書を登場させる作品の弱点として、文量と解像度が上がるほどかえって作り物めいてくるという点があると思うんだけど、白い家の怪異はまさにその例で、正直読んでいてしんどかった。そのこと自体がオチにつながっているとしても。 川谷妻華の話が一番恐怖を煽りやすそうなので、淡白な終わり方にはたしかに拍子抜けした。すべてフィクションとして済ませざるを得ないぐらい危機が差し迫っていることを匂わせる演出、というのは深読みか。自分としては各エピソードの面白さが肝だと思ってるので、あまり気にはならないけど。

Posted by ブクログ

2023/05/04

昔の金持ちが不吉な土地に事故物件を集めて作ったハイパー事故物件にまつわるホラー・ミステリー。 今はなき九龍城砦のような、増築を重ねすぎて訳がわからなくなっている建物は妙に人の心を惹きつける。人の手で作ったはずなのに、それ自体に有機的なシステムがあるような謎めいた人工のジャングル...

昔の金持ちが不吉な土地に事故物件を集めて作ったハイパー事故物件にまつわるホラー・ミステリー。 今はなき九龍城砦のような、増築を重ねすぎて訳がわからなくなっている建物は妙に人の心を惹きつける。人の手で作ったはずなのに、それ自体に有機的なシステムがあるような謎めいた人工のジャングル。建物内を歩くだけで探検になってしまう。 そこに事故物件の要素が加わったときたらそりゃ大変だ。という訳でワクワクしながら読めた。途中、右とか左とか、建物内を歩き回る単調な描写について行けなくなったりもしたが、古びた見知らぬ家の中を歩いている感じは疑似体験できた。化け物のはっきりしない描写や、不可解な動きをしつつも迫り来る感じだけは確実なのもなかなか怖かった。 ただ、お話よりも作中で紹介されていた二笑亭が気になった。精神を病んだ男が作った不可解な家だそうだ。家主の渡辺金蔵が脳病院に入れられたというからにはとんでもない代物なのではないか、と無駄に期待が高まる。唯一、二笑亭を記録してある本といわれる『二笑亭綺譚』復刻版には赤瀬川源平の名前も連なっていたので、一種のトマソン建築なのだろうか。現存していないのが残念だ。今なら観光地になるだろうに。 九龍城砦も二笑亭も、あと、おそらくはこの烏合邸も、現存してないというのが寿命のある生き物のようでもある。自分たちと同じく、何となく生まれ、成長して、また何となく消えてゆく存在と思うと、恐怖の烏合邸にもどこか切なさを感じる。 あと、古い家というのも、ある意味それだけで謎に満ちた空間だよなと読みながら思った。 よくわからない納戸、戸袋、屋根裏、仏間、物置、薄暗くて狭い階段に建物の端にある厠。昔の人にとっては当たり前でも、今の人には薄暗がりに満ちたジャングルだ。ジブリではそこにマックロクロスケが潜んでいて、本書では黒い謎の化け物がのそのそ歩く。個人の人生が染み込んだ建物すなわち住居という特殊性について考えさせられる。 しかし、変な話、烏合邸の外観描写を読みつつ思い出したのは三鷹にある荒川修作の天命反転住宅だった。あっちはカラフルでボコボコした巨大なオモチャの塊のような集合住宅だ。しかも建築によって天命を反転させるという「住人が死なない建築」なので、コンセプトも真逆なのだが。 古い家、集合住宅、増改築によって成長する有機的建築、なかなか面白いテーマだった。 ところで『どんな家にも怖いものはいる』においても先生と三間坂青年の関係性が良かったが、今作でも2人で楽しそうに乾杯しながらホラーを探求しているのがホラーの箸休めになって良かった。たぶん受付の青山と三間坂はできてない。このコンビでもっと読みたい。

Posted by ブクログ

2023/03/07

三津田先生はお母さんの日記テイストで怖い事書くとほんとにもうとんでもない怖いものができあがってしまいますね

Posted by ブクログ

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