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人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 慶応義塾大学出版会 |
| 発売年月日 | 2017/04/01 |
| JAN | 9784766424072 |

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人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか
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商品レビュー
3.5
16件のお客様レビュー
本書の最初に、「人手不足と賃金停滞」に関しての基本データがあり、その最初のデータは、「1990年代以降、実質賃金は横ばい状態が続いている。2000年代半ばと2010年以降、労働需給は逼迫したが、実質賃金は上昇せず、むしろ緩やかな減少傾向すらみられる」ということが、データ・グラフと...
本書の最初に、「人手不足と賃金停滞」に関しての基本データがあり、その最初のデータは、「1990年代以降、実質賃金は横ばい状態が続いている。2000年代半ばと2010年以降、労働需給は逼迫したが、実質賃金は上昇せず、むしろ緩やかな減少傾向すらみられる」ということが、データ・グラフとして示されている。経済学では、需要が供給を上回った場合、財の価格は上昇し、上昇した地点で新たな均衡を得るという説明がなされるが、労働力という財について、それが当てはまっていない、すなわち、題名の通り「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」ということが、大きな疑問として生じる。 本書は、この疑問に、多くの経済学者がそれぞれの立場から説明を試みたものである。例えば、以下のような説明がなされる。 ■期間中、大きく雇用者数を増やしている業界に介護業界がある。しかし、介護業界の場合、事業者が自由に価格を設定することが出来ない。介護保険により、サービスの価格は政府が決め、個々の事業者に価格決定の裁量はない。政府が決定するサービス価格は、実際の需給バランスを反映しておらず、低価格に抑制されているため、この業界の賃金は上がらない ■労働力の需給ギャップはあるが、それが、パート女性や高齢者により、素早く埋められる傾向がある。女性や高齢者の労働市場参加は悪いことではないが、労働市場の受給バランスの緩和に働いた可能性がある ■日本の雇用者の年齢構成が高齢化している一方で、ある程度の年功的な賃金形態は特に正社員では維持されている。高齢化が進んでいる状態では、定年等による退職者が多く発生し、比較的高賃金のその人たちの賃金は、退職によりゼロになるか、あるいは、再雇用により、かなり低くなる。一方で入職してくる若い人たちの賃金は、高齢者に比べると低い。すなわち、高賃金の人たちが退職し、低賃金の人たちが入職してくること、その構成差により全体の平均賃金は計算上、下がる ■期間中、賃金の高い正規労働者の比率が減り続け、一方で、賃金の低い非正規労働者の比率が増え続けた。実は、正規労働者、非正規労働者ともに、個々に見れば賃金は上がっているのであるが、全体で言えば、賃金の低い非正規労働者の比率が増えたため、平均賃金は下がってしまう ■非正規労働者には、通常、教育訓練が行われないか、正規労働者に比べると少ない教育訓練しか行われない。これにより、非正規労働者の人的資本形成がなされず(職務能力の向上がなされず)、賃金が上がらない その他にも、多くの説明がなされている。 ここでは、どれか正解があるわけではなく、賃金が上がらない要因は複合的であることが強調されている。だから、対策も「これさえやっておけば」というものは存在しないはずである。 例えば、非正規労働者に対しては、「同一労働同一賃金原則を適用することにより、正規労働者と同じ仕事をしている非正規労働者の賃金を引き上げる(実際、日本ほど、正規労働者と非正規労働者の賃金格差の大きな国はない)」「いわゆる年収の壁を税・社会保険に対して中立的なものとし、壁近辺で働いている非正規労働者の労働時間を増やし、総所得を上げる」など、色々なことが考えられる。 大事なことは、本書のように、きちんとしたデータを取得し、事実に基づいて、多角的に論理的に原因と対策を考えることだと思う。そういうことがなされている、読み応えのある書籍だった。
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2017年の本なので、現時点(2023年)と世相は少し変わっている。あと、専門家ではないので、細かい議論の妥当性までは理解しきれていない。その前提での印象としては、世の中は複雑なので、単一原因に起結は出来ないのだなあ、という感じ。(当たり前) 中高年以上の正社員の名目賃金は上が...
2017年の本なので、現時点(2023年)と世相は少し変わっている。あと、専門家ではないので、細かい議論の妥当性までは理解しきれていない。その前提での印象としては、世の中は複雑なので、単一原因に起結は出来ないのだなあ、という感じ。(当たり前) 中高年以上の正社員の名目賃金は上がっているが、新卒世代だと採用が絞られ賃金の低い非正規割合が増えているとか、主婦層/高齢者のパートタイマーが増えたことで、日本全体としての統計では賃金が上がっていないように見える、などはありそうなことで、、、 氷河期世代の不憫さが滲み出てる議論には涙が止まらない。。。
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日本の硬化した労働状況が 少しは理解出来た さて! 自分に何ができるか、どうするかだな。と考えさせられた…
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