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R.S.ヴィラセニョール
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/03/30 |
JAN | 9784104393077 |
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商品レビュー
3.3
10件のお客様レビュー
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フィリピンの暗黒の時代、独裁者マルコスの時代に青春を過ごしたフィリピン人の父、日本人の母を持つレイ・市東・ヴィラセニョールは、武蔵野美大で染色を学び、房総・御宿海外に工房を持ち染色家の道を。乙川優三郎「R・S・ヴィラセニョール」、2017.3発行。マルコスの悪政、染色の世界、なんとなく折り合いが悪いままに読了しました。
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本書のフィリピン社会の記述から、日本が20世紀の発展途上国に近づいているのではないかと感じた。「警官はいてほしいところにはいないし、いればすぐ発砲するので却って危ない。彼ら自身が犯罪者であることも多い」。日本でも埼玉県警の巡査が病死者の遺族に虚偽の料金を請求するなど警察のレベルは...
本書のフィリピン社会の記述から、日本が20世紀の発展途上国に近づいているのではないかと感じた。「警官はいてほしいところにはいないし、いればすぐ発砲するので却って危ない。彼ら自身が犯罪者であることも多い」。日本でも埼玉県警の巡査が病死者の遺族に虚偽の料金を請求するなど警察のレベルは発展途上国化している。 「スラムは確かに不衛生で汚い。だがそこで生きてゆくしかない住人が醜いのではなく、助けようともしない国や見下す人間が醜いのであった」。これは日本の貧困問題にも当てはまる。貧困者を貧困ビジネスに押し込めるなど見えなくしようとする日本の方が深刻である。 日本もフィリピンも公共事業が利権化している。フィリピンでは公共事業のための予算が政治家の懐に入れられ、実際に工事が行われないという。一見するとフィリピンの方が圧倒的に悪質である。しかし、無駄な工事が資源の浪費や環境破壊を引き起こしている面がある。このように考えると甲乙つけ難くなる。 フィリピンから見たマッカーサーの評価は低い。「虚栄心が強く、野望と蓄財の才はあるものの、軍人としては無能な男にできたのはマニラホテルのペントハウスに暮らして黴臭い軍事計画に寄りかかり、兵隊の訓練も装備の点検も怠り、惨敗した挙げ句の『アイ・シャル・リターン』でしかなかった」(182頁) 東南アジアは中国や韓国、北朝鮮と比べて反日感情が相対的に小さいとされる。それは日本軍が善政であったという訳ではなく、別に搾取するだけの無能な支配者という矛先があったためだろう。台湾も日本との対決に無能と腐敗を示した国民党がある点で東南アジアと重なる。 マッカーサーは植民地から見れば無能と腐敗の収奪者だったことになる。一方でマッカーサーは日本占領の責任者となったが、収奪者のイメージはない。農地改革など清廉な改革を進めたイメージがある。日本とフィリピンでは対応が異なったのだろうか。収奪という都合の悪い事実は現代に至るまで隠蔽に成功しているのか。それとも日本ではマッカーサーはお飾りでGHQ民政局スタッフが実権を持っていて、彼らが有能だったのだろうか。
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フィリピン人の父と日本人の母を持つメスティーソのレイ・市東・ヴィラセニョールは、房総半島の海岸に工房を構え、染色に身を投じていた。日本人でありながら、その外見から常に先入観にまみれた目で見られ、アイデンティティを確立できず苦しむ彼女が染色を選んだのは、母の国の伝統にメスティーソとして立ち向かうためだった・・・ 下絵を描き、頭に思い描いた色を作り出し、布を染め出す染色の世界が、房総の情景をバックに色彩豊かに描かれて心地いい。乙川さんの魅力である、外国文学の翻訳物のような作品の世界が好きなのに、終盤で突然、マルコス政権下のフィリピンの凄絶な歴史と、反政府のジャーナリストであった父を無残に殺され、日本で生活せざるを得なかったレイの父・リオとその一族の怨嗟の過去が相当なページ数を使って描かれ戸惑った。 知るべきことなんだろうけど、民族の問題に比重がかかり、物語が大きくなりすぎた感がある。 芸術と工芸の分かれ目、メスティーソのアイデンティティの問題あたりでとどめておいてくれたほうが、理解しやすかったように思う。
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