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時間の言語学 メタファーから読みとく ちくま新書1246
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2017/03/01 |
| JAN | 9784480069504 |
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時間の言語学
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商品レビュー
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「時間とは何か。人に問われなければ分かっているのだが、いざ問われると答えられない」 「時は金なり」は近代において最も強固な時間メタファー メタファーは照らすと同時に陰も作る 時間の矢印は未来へ向かうと考えられてきた 「動く時間」と「動く自己」という二つのメタファー 時間はお金のよ...
「時間とは何か。人に問われなければ分かっているのだが、いざ問われると答えられない」 「時は金なり」は近代において最も強固な時間メタファー メタファーは照らすと同時に陰も作る 時間の矢印は未来へ向かうと考えられてきた 「動く時間」と「動く自己」という二つのメタファー 時間はお金のように扱われる「時間を買う」「時間を稼ぐ」 常識的には過去から未来へと考えられているが、言語的証拠は未来から過去へ流れるとしか言いようがない 「時間はお金」に代わる新しい時間メタファーとして、「時間は命」が提案されている 時間そのものが未来から現在を通って過去へ流れていく 時間に追われる 時間をお金と等価交換可能であるかのように捉える 出来事が時間に乗ってやって来る 「とき」はある用法の場面や状況の意味に近づく 「時間が経つのが遅い」と感じるのは、待ち時間など計測思考が支配的な状況で ベルクソンは、時間とは意識に直接与えられる「純粋持続(durée)」であると捉えた 時間概念の基盤として「動き」や「繰り返し」がある 日周・月周・年周リズムといった「リズム」が、時間の「刻み」の文様となる 成長経済から定常経済への移行が求められる時代 「時間はお金」メタファーの鉤爪からの脱却 メタファーは私たちの思考を誘導・拘束することがある 言葉はたいてい空間思考に従う 私たちは空間の中に住み、時間の中にいる(時空の中にいる) お金の概念自体を変える必要があるかもしれない 「時間はお金」メタファーは時間概念の核心部分ではない可能性がある 辞書の定義は、語義の羅列に陥りがちであり、必ずしも言葉の実態を反映しない 時間の計測可能性が「時間」という言葉の表現幅を狭くしている可能性がある アリストテレスは、時間を数える認識主体がなければ時間はあり得ないと主張した 時間は流れであること、絶えず過ぎ去ること、不可逆であること 時間概念の問題は、単なる言葉の問題ではなく、私たちの生き方の選択にもつながる 時間という抽象概念は固有の本来的意味を持たない 日本語の「先」は、未来を指す場合と過去を指す場合がある 時間の流れの方向については、常識と言語的証拠が対立している 「命」という言葉は、生きること、生活、一生、生命など、多様な意味を凝縮している スローライフといった考え方は、私たちの時間認識を変革しなければ実現できない 「時間」という言葉は、明治初期に輸入されて以来、計測思考に強く結びつけられてきた 時間には余ったり不足したりすることがあるが、「とき」にはそうした感覚は通常ない 定常経済やスローライフは「時間はお金」というメタファーを変革しなければ実現できない 具体的な言葉の証拠に基づく分析が不可欠 聖アウグスティヌスは内在的な認識における時間について考察した 「時間」と「とき」は、それぞれに固有の生態系(エコシステム)を持っている
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時間表現を精査して、人が時間をどのように認識しているかをモデル化していく。 時間を川の流れのようなものとイメージし、主体はその川の中にある。(河畔に立つというモデルもある。) その場合、未来と過去はどちらにあるか? 実はどちらもある。 今から数日経った日を指して言う言い方に「...
時間表現を精査して、人が時間をどのように認識しているかをモデル化していく。 時間を川の流れのようなものとイメージし、主体はその川の中にある。(河畔に立つというモデルもある。) その場合、未来と過去はどちらにあるか? 実はどちらもある。 今から数日経った日を指して言う言い方に「○日後」といえると同時に、「○日先」とも言えるからだそうだ。 ここで私の目から鱗が落ちた。 自分自身はこれまで川の中にいて上流を見ながら、その方向を未来だとしか思っていなかったからだ。 ちなみにこの時間のモデル、青山拓央さんの『心にとって時間とは何か』にも出てくる。 割とこの話題では普遍的なモデルなのだろう。 時間を巡るメタファーを慎重に検討するくだりは、人によってはまだるっこしく思うかもしれない。 でも、最終章まで読み進めると、ある感動が沸き起こる。 言語学者(特に日本語学界隈?)は、現状を淡々と記述するひとが多い気がする。 が、瀬戸さんは、時間が、金や資源をメタファーにしている現状を憂えている。 そして、「命」を新しいメタファーにし、表現のみならず概念も刷新していくべきだと主張する。 優れた表現者が、そういう認識を共有し、作品を作ってくれたら、たしかにそういう方向に変わっていけるかもしれない。 そして、そんな方向に変わっていくのもすてきだな、と思う。
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難解…。モモの実例はわかりやすかった。「時は金なり」「功利主義」を表すのが「灰色の男」、「時は命なり」を表すのが「モモ」。 現代人は「時は金なり」から「時は命なり」へ価値観をシフトする必要があると、筆者はシンプルで力強いメッセージを送ってくれているのだが、この結論に至るプロセスが...
難解…。モモの実例はわかりやすかった。「時は金なり」「功利主義」を表すのが「灰色の男」、「時は命なり」を表すのが「モモ」。 現代人は「時は金なり」から「時は命なり」へ価値観をシフトする必要があると、筆者はシンプルで力強いメッセージを送ってくれているのだが、この結論に至るプロセスが非常に難解。 言語学的なアプローチは、言葉の対となるメタファーを一つ一つ整理していくため、とても時間と手間がかかっている…本書の考え方を借りれば、命がけのアプローチといっても差し支えない。 真木悠介の時間形態の話はおそらく「気流の鳴る音」かと思う。読みたくても読めていない本のうちの1冊だから、今年チャレンジしてみたい。
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