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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2017/01/25 |
JAN | 9784163905815 |
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商品レビュー
4.4
36件のお客様レビュー
自分勝手な母親の借金を返すため、生活のために女中より給金の良い介抱人の世話をするという今で言えばホームヘルパーのような仕事をするお咲。いろんな家の中に入り世話をする当人と打ち解けるまで献身的に手助けをする。その家族とも関わらねばいけないがアドバイス的な事を言っただけで怒りを買う始...
自分勝手な母親の借金を返すため、生活のために女中より給金の良い介抱人の世話をするという今で言えばホームヘルパーのような仕事をするお咲。いろんな家の中に入り世話をする当人と打ち解けるまで献身的に手助けをする。その家族とも関わらねばいけないがアドバイス的な事を言っただけで怒りを買う始末。親の介護は子供がするのが当たり前の時代だから他人に任せるなどどれだけ世間の風当たりが強かった事か。 お咲に仕事を斡旋している口入屋の夫婦がいい。やり手のお徳は毒舌だが見放したりしない面倒見の良さがある。五郎蔵は急須を持つのが好きでお茶を勧めながら女中達の話し相手をする。このバランスの良い夫婦がお咲を仕事以上に支えているように見えた。悪い人ばかりじゃない。悪い事ばかりじゃない。お咲の日々の先にいつか母親と和解できる日が来るのだろうか。
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内容(「BOOK」データベースより) お咲は、年寄りの介護をする「介抱人」。口入屋「鳩屋」の主人・五郎蔵とお徳夫婦に見守られ、誠心誠意働くお咲は引っぱりだこだが、妾奉公を繰り返してきた母親のだらしなさに振り回され、悩む日々―。そんな時、「誰もが楽になれる介抱指南の書」を作りたい...
内容(「BOOK」データベースより) お咲は、年寄りの介護をする「介抱人」。口入屋「鳩屋」の主人・五郎蔵とお徳夫婦に見守られ、誠心誠意働くお咲は引っぱりだこだが、妾奉公を繰り返してきた母親のだらしなさに振り回され、悩む日々―。そんな時、「誰もが楽になれる介抱指南の書」を作りたいという貸し本屋・佐分郎太から協力をもとめられた。「いっそ、ぎりぎりを攻めるってのはどうですかね、お咲さん」―「いいかも。そのぎりぎり」。長寿の町・江戸に生きる人々を描く傑作時代長編。 令和5年12月22日~26日
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江戸時代、平均寿命は50才くらいとか言われますが、50才を超えることができれば、その後は多くが長生きしたのだとか。歳をとって介護が必要になったら、庶民はたいてい、家族が仕事量を減らすなどして面倒をみることになるのですが、裕福な家は面倒を見てくれる介抱人を雇うこともあって、この小説...
江戸時代、平均寿命は50才くらいとか言われますが、50才を超えることができれば、その後は多くが長生きしたのだとか。歳をとって介護が必要になったら、庶民はたいてい、家族が仕事量を減らすなどして面倒をみることになるのですが、裕福な家は面倒を見てくれる介抱人を雇うこともあって、この小説の主人公・お咲は、その介抱人を生業にしています。理由は胸の内に秘めていますが、口では「母親の借金を返しているので、身入りのいい仕事しなきゃなんない」と答えています。 介抱人の口入れ屋・鳩屋の主人夫婦や同僚、仕事で縁が結ばれた人々に囲まれながら、老いと向き合うお咲を通して、老いていく者、見守る者、それぞれの思いが描かれていて、身につまされました。 お咲と同居する母親との間も、複雑で厄介です。私自身、若い頃は母親とはうまくいかなかったので、一日も早く家を出たかったことを思い出しました。(今は仲良しですけどね。) そして驚いたのですが、この本によると、江戸時代、親の介護を担うのは主だったんだそう。「主君に忠義、親には孝養を尽くすのが人の道」と説いて、親孝行を強いたのだとか。武士の場合は親の介護休暇が認められており、商人は番頭らにお店を託して介護に専心したのだそう。一方、主の妻女や孫は、家内を守るのが務めだったらしいです。いつの間に、嫁に押し付けるようになったんでしょうね? ちなみに、猫はタイトルになるくらいとても重要なポジションなんですが、本文中にはほとんど描かれていなかったです(名作『夏への扉』の猫的な感じ…)。
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