i(アイ) の商品レビュー
人と話し合うことの大切さを改めて知った気がする。 しかしながら自分は家族ですら中々話するのが難しい。難しい……
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アイの物語と並列するように世界の悲劇が書かれていて、それが自分が見逃している(もしくは、見て見ぬふりをしている)日常が描かれているようで苦しくなった。ただ、そういう気持ちに対しても西さんは優しい解答を置いていて、僕はそれに救われた。
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主人公アイは養子として裕福な両親に育てられた。 恵まれない家庭に生まれた自分が、幸せな日々を送る事に罪悪感や後ろめたさのような感情が徐々に芽生え始める。 世界各地で紛争や災害が起こり、その度に多くの犠牲者が出る。もし、自分もその渦中に居た可能性があったら… 自分の平穏な生活...
主人公アイは養子として裕福な両親に育てられた。 恵まれない家庭に生まれた自分が、幸せな日々を送る事に罪悪感や後ろめたさのような感情が徐々に芽生え始める。 世界各地で紛争や災害が起こり、その度に多くの犠牲者が出る。もし、自分もその渦中に居た可能性があったら… 自分の平穏な生活は誰かの犠牲の元で成り立っているのではないか?と考えずにはいられないだろう。
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繰り返される「この世にアイは存在しない」と言う言葉、主人公が噛み締めて胸の奥にしまっておくたびにモヤモヤしました。 自分は恵まれているとだから違う環境に身を置き、恵まれていない人の気持ちを理解しなければならない。 これは持っている者のエゴなのかもしれません。 「生と死」もこの本の...
繰り返される「この世にアイは存在しない」と言う言葉、主人公が噛み締めて胸の奥にしまっておくたびにモヤモヤしました。 自分は恵まれているとだから違う環境に身を置き、恵まれていない人の気持ちを理解しなければならない。 これは持っている者のエゴなのかもしれません。 「生と死」もこの本のテーマであると感じ、自分が生きていることの証明について考えました。 自身と体型や性分と似ているせいか、主人公と少し重ね合わせたりもしました。 愛とはなんなのか、一緒に寄り添いながら考えてくれる本かもしれません。
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この世界にアイは存在しません。 主人公のように世界をみることはできないけれど、 考えてみれば、自分は幸せだなと感じる。幸せは当たり前じゃない。 あと、少し世界情勢の勉強をしてみようと思った。
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とても深く心に残った1冊。主人公はシリア生まれの養子という設定であるからこそ、より浮き彫りになった、どうして自分だけ免れたのか、ということ。私自身もここまで深くないが、災害や戦争のニュースを見る度、わたしは免れてると少なからず思ったことがある。共感はもちろん、最後には自分自身の存...
とても深く心に残った1冊。主人公はシリア生まれの養子という設定であるからこそ、より浮き彫りになった、どうして自分だけ免れたのか、ということ。私自身もここまで深くないが、災害や戦争のニュースを見る度、わたしは免れてると少なからず思ったことがある。共感はもちろん、最後には自分自身の存在を強く肯定できたアイに感動した。自己肯定の難しさ、でも生きてること自体が素晴らしい、と感じられる1冊だった。
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アイの気持ちや苦しい思いは私も感じたことがあると思ってしまうようなものが多かった。それと同時にそう思ってしまうことが傲慢であると感じながら読み進めた。 自分が恵まれた環境にいることに苦しみながら成長していくアイが次第に変化していく様は、ゆっくりでもあり急激でもあり、どこで変化があ...
アイの気持ちや苦しい思いは私も感じたことがあると思ってしまうようなものが多かった。それと同時にそう思ってしまうことが傲慢であると感じながら読み進めた。 自分が恵まれた環境にいることに苦しみながら成長していくアイが次第に変化していく様は、ゆっくりでもあり急激でもあり、どこで変化があったのかわからなくなってしまった。 登場人物は皆愛おしく、登場人物とその愛する世界が健やかで平和であってほしいと思わずにいられない。この物語が終わってもわたしはこの世界と生き続けるが、苦しみとなんとか折り合いをつけたり、うまく向き合い、自分のこともみんなのことも守りながら生きられるようになりたい。
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複雑な生い立ち、生きづらさを感じてる人は 気づかないだけできっと大勢いるんだろう。 不妊と流産は読んでて辛かった。 アイには幸せになってほしい。
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西加奈子さんの本はどれも好き。 愛され何不自由なく育ったはずの主人公が、恵まれているからこそ、想像力で「想う」ことができるからこそ悩まされる様子が、自分と少し似ていた。 ミナやユウとの出会いを受けて、自分の感じていた苦悩を克服し、自分の存在を認めることが出来たとき、とても清々しい...
西加奈子さんの本はどれも好き。 愛され何不自由なく育ったはずの主人公が、恵まれているからこそ、想像力で「想う」ことができるからこそ悩まされる様子が、自分と少し似ていた。 ミナやユウとの出会いを受けて、自分の感じていた苦悩を克服し、自分の存在を認めることが出来たとき、とても清々しい気持ちになった。
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このテーマは苦手。 この情報過多の社会で、世界から目を背けるなんて不可能だけど、胸を痛め続けるのは違う気がする。 ワイルド曽田アイ。それがアイの名前だ。アイは養子だった。シリア人だが、シリアの記憶はない。暮らしは何不自由なく裕福だった。アメリカ人の父、日本人の母から「世界の不...
このテーマは苦手。 この情報過多の社会で、世界から目を背けるなんて不可能だけど、胸を痛め続けるのは違う気がする。 ワイルド曽田アイ。それがアイの名前だ。アイは養子だった。シリア人だが、シリアの記憶はない。暮らしは何不自由なく裕福だった。アメリカ人の父、日本人の母から「世界の不均衡」を教えられて育ったアイは、恵まれた環境に感謝するより先に苦しんだ。世界中で起きている紛争、戦争、自然災害、事件、事故。毎日多くの人が亡くなっている。生まれた地のシリアでも。どうして私じゃないの?アイはいつまでも胸を痛め続けた。 「この世界にアイは存在しません」 数学の虚数、存在しない数にアイは自分を重ね合わせる。高校の時に聞いた、数学教師のこの言葉が、ずっと心に残り続ける。同級生のミナに出会い、アイの人生が変わり始める。 ここからネタバレあり。 渦中の人間になれば、何か掴めるかもしれないと、東日本大震災の時に東京に残る決断をするアイ。あれだけ、どうして私じゃないの?と言っていたのに、不妊治療、死産を経験して、いざ当事者になると、どうして私なの?と言い出すアイ。渦中の人間なんてなりたくない。逃れたい。選ばれたくない。と懺悔するアイ。 アイも言っているが、傲慢だな、と思った。 でも、それが人間、だとも思った。 どうすればいいのか分からない。 当事者にならないかぎり、 本当の辛さは分からない。 知るだけでいいのか? 想像するだけでいいのか? このテーマには、いつも困惑する。
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