- 書籍
- 文庫
万華鏡
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
万華鏡
¥1,155
在庫なし
商品レビュー
4.2
8件のお客様レビュー
SFやファンタジーよりも、文学に近い。訳にもよるかもしれないが、言葉選びや表現にハッとする。たまに難解でハァッ?とする。 起承転結やオチがはっきりしないのもいい意味で文学。鬱展開あり、バカバカしいのあり、全体としてあまり暗くはない。 万華鏡は名作。霧笛も好き。
Posted by
収録されている「たんぽぽのお酒」連作だけ読了。 瑞々しいってこういう事を言うのかな、って思える。少年期を切り取った、水彩スケッチのような小説。 たんぽぽのお酒と日本語で言うと可愛らしさがあるけど、原書の英語だとdandelionになるんだろうか?リズムの良さとか勇ましさもある語感...
収録されている「たんぽぽのお酒」連作だけ読了。 瑞々しいってこういう事を言うのかな、って思える。少年期を切り取った、水彩スケッチのような小説。 たんぽぽのお酒と日本語で言うと可愛らしさがあるけど、原書の英語だとdandelionになるんだろうか?リズムの良さとか勇ましさもある語感なので、原語で読んだらまた違う味わいがありそう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
目次 ・アンリ・マチスのポーカー・チップの目 ・草原 ・歓迎と別離 ・メランコリイの妙薬 ・鉢の底の果物 ・イラ ・子ねずみ夫婦 ・小さな暗殺者 ・国歌演奏短距離走者 ・すると岩が叫んだ ・見えない少年 ・夜の邂逅 ・狐と森 ・骨 ・たんぽぽのお酒 イルミネーション たんぽぽのお酒 彫像 夢見るための緑のお酒 ・万華鏡 ・日と影 ・刺青の男 ・霧笛 ・こびと ・熱にうかされて ・すばらしき白服 ・やさしく雨ぞ降りしきる 読んだことのある作品もない作品も、通して読めばすべて懐かしいブラッドベリの作品になるのはなぜなんだろう。 これらの作品が書かれたころは未来はバラ色で、苦しみや不幸なども科学技術の進歩が解決してくれると思われていたはずなのに、どの作品にも喪失の痛みと、二度と戻ることのできない何時かへの哀切があふれているのはなぜなんだろう。 そして。 学生の頃せっせと読んでいたブラッドベリは、私の好きなものの宝庫だったと気づく。 意表をつくどんでん返しなどない。 不穏な予感は不穏のまま幕を閉じる。 けれども、そこにある昏い予感は、決して現実と交わらない作品世界から確かな痛みを私の中に残すのだ。 不思議だな。 死にゆく火星人に会ったこともなければ、2155年の絶望に追いかけられたこともないのに。 そしてやはり『たんぽぽのお酒』は名作だ。 今この時を留めておくために、彫像のように動きを止める。 友との別れの時間が永遠に来ないように。
Posted by