- 中古
- 書籍
- 書籍
オリエント世界はなぜ崩壊したか 異形化する「イスラム」と忘れられた「共存」の叡智 新潮選書
定価 ¥1,540
715円 定価より825円(53%)おトク
獲得ポイント6P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784106037900 |
- 書籍
- 書籍
オリエント世界はなぜ崩壊したか
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
オリエント世界はなぜ崩壊したか
¥715
在庫なし
商品レビュー
4.5
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オリエントは古来より高い文明を築き上げてきた。アケメネス朝のペルシア文化はセレウコス朝シリア、パルティア、ササン朝ペルシアと引き継がれた。そしてササン朝とビザンツ帝国が繰り返す戦争のさなかにイスラム教が生まれてきた。ウマイヤ朝、アッバース朝と勢力を拡大してきたイスラム圏は、11世紀にセルジューク朝がアナトリアをイスラム化したことで、ヨーロッパ圏とぶつかることになる。よって始まったのが十字軍だが、その十字軍が終わるころに台頭してきたのがオスマン帝国だった。本書のキーはオスマン帝国にあると言っていいだろう。オスマン帝国は異教徒をミッレトに組織し、自治を認める寛容な政策をとっていた。これはオリエント世界がアケメネス朝の頃から生み出してきた知恵である。 だが、大航海時代を経て産業革命が始まると、オスマン帝国は原料をヨーロッパに輸出し、安価な製品を仕入れる、いわばヨーロッパのマーケットになってしまった。アナトリアが地中海からインドの方へ出て行くところにあった、というのがオスマン帝国の運命を決めてしまったと言ってもいいのではないだろうか。各国はアジアへの入り口を抑えたがり、オスマン帝国は特に英仏露に翻弄される。 WWIを経てオスマン帝国は消滅し、複数の国ができて英仏の管理下に置かれた。さらにWWII後、英仏は財政悪化のためにこれらの地域を手放すことになる。ソ連の進出を抑えるために、アメリカが中東政策に関与するようになった。アメリカではユダヤ人コミュニティが非常に強いため、アメリカはイスラエルを支援し、湾岸戦争、イラク戦争などイスラエルの敵国を押さえ込んできた。そのことが2015年頃のイスラム国の台頭を招いている。 もはやオリエントには、オスマン帝国時代に見られた寛容の精神が失われてしまったことを筆者は強調している。
Posted by
紀元前より、オリエントでは、アケメネス朝のサトラップによる支配、シルクロードや砂漠での交易による文化の融合や共存システムの確立、イスラームの誕生、オスマン帝国のミッレト制、というように、繰り返す戦争の中で、必ず「寛容」というひとつの答えを導き出し、民族や国家、宗教の垣根を越えた文...
紀元前より、オリエントでは、アケメネス朝のサトラップによる支配、シルクロードや砂漠での交易による文化の融合や共存システムの確立、イスラームの誕生、オスマン帝国のミッレト制、というように、繰り返す戦争の中で、必ず「寛容」というひとつの答えを導き出し、民族や国家、宗教の垣根を越えた文明を生み育んできた。 しかし、欧米の国家システムや価値観の流入によって新たな対立軸が作られ、現在その寛容の精神はもはや見いだせなくなった。 歴史というものは人間が作るものであり、作らずにおくことも、書き直すことも可能だ。(サイード) 自らの利益だけを追求するのでは無く、忘れ去られた「寛容」の精神を振り返り、それに則って歴史を書き直すことで、現在中東に留まらず様々な対立は解決の道を辿れるはずだと思う。
Posted by
英仏などの策略の数々でぐちゃぐちゃにされたオスマン帝国.ミレット制という宗教の自由を標榜する国は寛容の精神を持った素晴らしい国だった.中東の歴史をあらためて学び直せる好著だが,何とか読破した.簡単にまとめることはできないが,1916年のサイクス=ピコ協定とレーガン時代の米国のイラ...
英仏などの策略の数々でぐちゃぐちゃにされたオスマン帝国.ミレット制という宗教の自由を標榜する国は寛容の精神を持った素晴らしい国だった.中東の歴史をあらためて学び直せる好著だが,何とか読破した.簡単にまとめることはできないが,1916年のサイクス=ピコ協定とレーガン時代の米国のイラン・コントラ事件が現在の混沌とした情勢を生み出した原因だと思った.
Posted by