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国家はなぜ衰退するのか(下) 権力・繁栄・貧困の起源 ハヤカワ文庫NF465
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2016/05/25 |
JAN | 9784150504656 |
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国家はなぜ衰退するのか(下)
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13件のお客様レビュー
第9章 後退する発展 第10章 繁栄の広がり 第11章 好循環 第12章 悪循環 第13章 こんにち国家はなぜ衰退するのか 第14章 旧弊を打破する 第15章 繁栄と貧困を理解する
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失敗国家ランキングというアメリカのシンクタンクが定める破綻しそうなヤバい国リストがある。破綻すると国家はどうなるのか。生活インフラも警察も機能せず、失業と犯罪と貧困で溢れ返る。それが「国家の衰退」だとして、なぜ、そうなるのか。本書で取り上げられる大部分は、繁栄せずにただ単に飛び立...
失敗国家ランキングというアメリカのシンクタンクが定める破綻しそうなヤバい国リストがある。破綻すると国家はどうなるのか。生活インフラも警察も機能せず、失業と犯罪と貧困で溢れ返る。それが「国家の衰退」だとして、なぜ、そうなるのか。本書で取り上げられる大部分は、繁栄せずにただ単に飛び立てていない、最初から衰退した国々であるという気もしないでもない。政治経済が収奪的である事が衰退の理由ならば、ある時から収奪的に変化するというより、原初的段階から収奪的であったケースの方が多いからだろう。 その意味で、上巻であまり触れられなかった、搾取され続けたグローバルサウスの苦悩に、下巻では触れていく。 ー ヨーロッパの拡大主義と植民地統治の悪影響。大西洋をまたぐ奴隷貿易がアフリカの政治・経済制度を収奪的になる事を助長。また、植民地の法律と制度が商業的農業の発展を阻んだ。 いわゆる「アフリカの年」と言われる1960年、第二次世界大戦後に独立運動が活発になり、この前後に一斉にアフリカは欧州から独立を果たした。しかし、文字通り収奪的システムである植民地制度から権力を奪還しても、首がすげ替えられるだけで旧弊は中々直らない。収奪が続き、発展しない。 ー ウズベキスタンでは、綿花が輸出品の45%を占め、1991年にソ連が崩壊して、独立して以来最も重要な作物となっている。2ヶ月続く収穫の間、子供の学校の授業が停止し、子供たちは、勉強の代わりに、綿花の収穫に駆り出される。親の同意は求められない。家が遠い子供が農機具や動物とともに寝泊まりしなくてはいけない。この大規模な強制労働の受益者は、カリモフ率いる正解のエリート、ウズベキスタンの綿花王だ。 ー 本書では、長期的な経済発展の成否を左右する最も重要な要因は、地理的・生態学的環境条件の違いでも、社会学的要因、文化の違いでも、いわんや人々の間の生物学的・遺伝的差異でもなく、政治経済制度の違いである、と主張し、それを歴史的な比較分析でもって論証していく。 欲深き独裁者が搾取し続ければ経済は成長しない。それを転覆する一つの手段として革命がある。しかし、独裁が続いても、経済制度に資本主義を取り入れたり、独裁者のモチベーションとして、例えば「中華民族の偉大な復興」なんていうものを掲げるなら、収奪的領域が外部に及ぶために、セコイ内部搾取による衰退から一定範囲距離を保てる、という気もする。その収奪の手法として、今度はアフリカへの中国資本が進出する。 つまり、資本主義による国益追求にしても、新自由主義にしても収奪的制度じゃないか、と私は思うのだが、奪うターゲットが内部から対外範囲に広く及べば、収奪の意味合いは異なり、独裁も活きてくる。そして、その時は漏れなく民族主義的な危うさがついてくる。ゲルマンがどうとか、スラブがどう、中華民族、大東亜など。ある種の構造的衰退に対する、脱構築的回避だ。
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銃・病原菌・鉄で、しっくりこなかったところをクリアにしてくれた感じがした。制度の違いが国を発展させる鍵であることに同意する。また、日本という国が、どれだけ包括的な政治、経済になっているか、どういう歴史で包括的な政治、経済になったかを、これからどうすべきかを改めて自分なりに見直す良...
銃・病原菌・鉄で、しっくりこなかったところをクリアにしてくれた感じがした。制度の違いが国を発展させる鍵であることに同意する。また、日本という国が、どれだけ包括的な政治、経済になっているか、どういう歴史で包括的な政治、経済になったかを、これからどうすべきかを改めて自分なりに見直す良い機会になった。 ただ、地理説も多少影響あるのではないかと。搾取的な国は、資源を抱えているから搾取に陥りやすく、資源のない国が包括的になっているように思った。
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