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エセー(7)
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エセー(7)

モンテーニュ(著者), 宮下志朗(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2016/04/02
JAN 9784560025802

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商品レビュー

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2023/05/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

最近『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだばかりなので、なんともタイミングの良いモンテーニュの一言と出会ったことになる。 ”最悪の場合には、つねに支出を切りつめることで、貧乏の先手を打て。” ところがキケロの言葉の方が刺さったな。 ”裕福さの程度というのは、収入の多寡ではなしに、食事や暮らしぶりによって計られる。” これは贅沢をしろということではなく、足ることを知る心の裕福さということ。 ”恩義という負債は、返済されることはあるかもしれないけれど、完済はありえないのである。” これは心に刻んでおくべき名言ですな。 軽々しく「借りは返したぞ!」なんて言ってはいけないですね。 困っているときに助けてくれた、ということをもっと重くとらえなければ。 ”若者たちは、世間も、自分も、両方を満足させることができる。ところが、われわれ老人は、自分のことをどうにかするだけで手一杯だ。自然が与えてくれた楽しみは、老いとともに、だんだんとなくなっていくのだから、人為的な楽しみで、自分を支えていこうではないか。” 体の衰えはいかんともしがたくても、なるべく楽しみを見つけて、精神的にしぼんでしまわないようにしようと思っています。 が、難しいよね、ほんと。 ”(わが国の若い世代の宮廷人たち)は、自分たちの同類としか仲良くならず、われわれのことを、まるで別世界の人間のように、軽蔑と憐れみの目で見るのだ。” 確かにそうだよね、と思う部分はあるけれど、振り返れば自分たちだって若かった時にはそうだったのでは、とも思う。ジェネレーション・ギャップはしょうがないにしても、なるべく懸け橋になれたらな、と精神的に大人になり切れないおばばは思ってます。 うざい? ”自分にふさわしい名誉以上のものにがつがつしないことを学ぼうではないか。(中略)彼らは、自分の行動を、それにかかった価格をつけて提示したいのである。” こういう人、いるわ~。 「すごいですね~」と言ってあげたら気分良くなるのはわかってるんだけど、心にもないことは言えない性分なので嫌われてる。笑 ”自分を自分の力で支えている人こそが、もっとも強いのだ。” これについては、まったくそのとおりと思うけど、さらに弱い人に手を差し伸べられる人がいいなと思う。 甘やかすのではなく、見捨てるのでもなく。 セネカの言葉 ”死が訪れるのは、いま君が病気だからではなく、いま君が生きているからだ。そのような運命は、病気が快復したあとにも待ち受けている。全快したとき、きみは死ではなく身体の不調を脱したのだ。” 誠にごもっとも。 ただ今快復に向けて治療中ですが、なんか肩の力が抜けました。よし。 400年も前の、フランスの人の文章ですが、「私もずっとそう思っていたの!」と思うようなことが多くて、友だちになれそうな気がしてきました。 まあ、わたしはカトリックではないので、向こうから「話しにならん」と断られますが。 ギリシアやローマの歴史以上に、モンテーニュの生きた時代の宗教戦争についてをよく知らないので、正直読んでいて苦痛な部分も多かったですが、モンテーニュの意見を現代に置き換えて、自分にひきよせて読むとなかなか面白かったです。 毎回読み始めは気合いが必要でしたが、全巻通読することができてよかった。 とくに老後の生き方について考えるところは、身につまされました。

Posted by ブクログ

2016/05/19

『エセー』の最終巻。晩年のモンテーニュが、肉体的にも精神的にも、意気盛んであったことがよく分かる。国は宗教戦争のさなかにあり、自身もそれにかかわりながら、『エセー』を書いている時は、いつものモンテーニュであり、それは最後まで変わらない。自らの慣習に忠実に、食べ、飲んで、眠っている...

『エセー』の最終巻。晩年のモンテーニュが、肉体的にも精神的にも、意気盛んであったことがよく分かる。国は宗教戦争のさなかにあり、自身もそれにかかわりながら、『エセー』を書いている時は、いつものモンテーニュであり、それは最後まで変わらない。自らの慣習に忠実に、食べ、飲んで、眠っている。抑制することもなければ、過激になることもない。悟りすましたりもしない。人間歳をとり、死が近づいてくると、何かに頼りたくなるものだが、モンテーニュは自身の経験をしか頼らない。しかも、頑迷ではなく、融通無碍に晩年に対処している。見習いたいものだが、なかなかこうは生きられない。達人の域である。長めの章立てが、ぱらぱらと読むには、ちと不都合だが、引用した部分などを時折りひもといて、拳拳服膺すると、落ち着いた老後が送れるような気がする。

Posted by ブクログ

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