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タイド 角川ホラー文庫
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タイド 角川ホラー文庫

鈴木光司(著者)

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タイド 角川ホラー文庫

定価 ¥946

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2016/03/25
JAN 9784041039946

タイド

¥770

商品レビュー

3

13件のお客様レビュー

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2025/11/02

この作品は『リング』シリーズの現状最後となる作品だ。約三十年という長い時間をかけて構築されたユニヴァースの変容と集約を感じさせる一作。総決算とも呼ぶべきシリーズの再定義がなされている。それを是と受け取るかは読者次第だが、巨大なものが終わる時の重厚な響きを感じる。 この物語の主題...

この作品は『リング』シリーズの現状最後となる作品だ。約三十年という長い時間をかけて構築されたユニヴァースの変容と集約を感じさせる一作。総決算とも呼ぶべきシリーズの再定義がなされている。それを是と受け取るかは読者次第だが、巨大なものが終わる時の重厚な響きを感じる。 この物語の主題は「家族」。呪いの連鎖が、血縁や自分自身の記憶というミクロな関係性へと収束していく構造が鮮烈だ。 中心にいるのは高山竜司。彼はこのシリーズに欠かせないどの小説にもいない特殊な立ち位置の存在であり、今作でも彼の記憶や存在が複数のレイヤーをまたいで展開される。現実、虚構、内省……その多重性と多様性が、物語の駆動力となっている。 印象的だったのは、恐怖の質が変化している点だ。シリーズ初期作のような、比較的順当な呪いによる「怖さ」からはどんどん離れていく。その代わり、抽象的な恐怖や哲学的な問いかけが前面に出てくる。 呪いが外部から襲いかかるものではなく、遺伝子やアイデンティティといった「内側」から生まれる内省的な苦しみとして描かれており、「ホラー」のオーソドックスな側面を求める読者にはネガティブに映るかもしれない。 しかしそもそもこのシリーズはホラーとして始まったわけではなく、作者が描こうとしてきたのは、畏怖すべき上位のエネルギーや意思のようなものだ。それが時に「恐怖」という形をとって現れる。だからこそ、ジャンルが変わっても通底する「怖さ」は変わらないのだと思う。 興味深いのは、神話や民俗の引用が物語の核に組み込まれている点だ。高山竜司はなぜこのような運命を背負っているのか?「貞子」という存在はどこからやってきたのか? シリーズの根幹をなす「空白」が、「古事記」や「まれびと」などを手がかりに、ホラーを超えて神話的に再定義される展開には驚かされた。 構成も攻めている。シリーズ既読を前提とした描写が多く、時系列や人間関係が複雑に絡み合い、断片的なエピソードが積み重なっていく。読者は、過去作の記憶を呼び起こしながら、複数の現実レイヤーを行き来することになる。こうした構造は、単体で読むにはややハードルが高いが、シリーズを追ってきた読者には大きなご褒美となる。 情報開示のタイミングも巧みで、僕は個人的には翻弄された。謎解きの快感とエモーショナルな余韻が両立しており、ラストまで緊張感が持続する。シリーズを通じて積み重ねられてきたキャラクターの多重性や、現実と虚構の境界が曖昧になる語り口も健在で、読後に残る感触が独特だ。 シリーズファンなら、これまでの謎と複雑なレイヤーが一つに統合されていく快感をじっくり味わえるはず。 個人的にも、シリーズの集大成として高い満足感を得られた。

Posted by ブクログ

2025/04/07

映画に合わせて原作読んできたが、なぜここまで高山が出てくるのかという疑問がやっと解決した!貞子すげぇ!

Posted by ブクログ

2024/10/10

リングシリーズの6作目で最終章。 同シリーズ「エス」の前日譚であり、 貞子の呪いの根源がついに判明する。 井戸に落とされて●され、 ブチ切れからの自暴自棄になり 無差別に呪ってるのかと思っていたが、 根本にはそんな理由が・・・と 貞子に対しての印象が変わった今作。 途中の主人...

リングシリーズの6作目で最終章。 同シリーズ「エス」の前日譚であり、 貞子の呪いの根源がついに判明する。 井戸に落とされて●され、 ブチ切れからの自暴自棄になり 無差別に呪ってるのかと思っていたが、 根本にはそんな理由が・・・と 貞子に対しての印象が変わった今作。 途中の主人公交代や徐々に明かされる事実に 終始混乱し、状況的にもこれ本当に終わるのか? どう着地するんだ?と先が読めずハラハラした。 ホラーとして読み始めた1作目。 シリーズを読み進めるうちに 気付くとSFになっていた6作目(笑) 3作目くらいからSF要素が多くなり、 少し読むのがしんどかったがなんとか完走した。

Posted by ブクログ