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フォグ・ハイダ The Fog Hider 中公文庫
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フォグ・ハイダ The Fog Hider 中公文庫

森博嗣(著者)

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フォグ・ハイダ The Fog Hider 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2016/03/18
JAN 9784122062375

フォグ・ハイダ

¥550

商品レビュー

4

15件のお客様レビュー

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2021/07/23

ヴォイド・シェイパシリーズ第四弾。今作でもゼンは色々な事を考え手にし、そうして失ったものもあった。けれどそれこそ成長した証と言えるのではないだろうか。最初の「ヴォイド・シェイパ」の頃と比べると飛躍的に成長しているように思える。ゼンはどこへ行き着くのか、それは次作でわかるのかもしれ...

ヴォイド・シェイパシリーズ第四弾。今作でもゼンは色々な事を考え手にし、そうして失ったものもあった。けれどそれこそ成長した証と言えるのではないだろうか。最初の「ヴォイド・シェイパ」の頃と比べると飛躍的に成長しているように思える。ゼンはどこへ行き着くのか、それは次作でわかるのかもしれないしわからないかもしれないが、それでも彼のその先を見てみたいと思う。

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2021/05/28

「侍の道理なんて、結局は、大勢で戦うための決まりだというわけですね。一対一の勝負になると、違ってくるように思います。自分がこうしようと決めていても、途中で違う筋を思いつく。相手の剣が少し違って見えてくることもあります。そんなときに、すぐにやり方を切り換えることが、とても大切なんで...

「侍の道理なんて、結局は、大勢で戦うための決まりだというわけですね。一対一の勝負になると、違ってくるように思います。自分がこうしようと決めていても、途中で違う筋を思いつく。相手の剣が少し違って見えてくることもあります。そんなときに、すぐにやり方を切り換えることが、とても大切なんです。それがなければ、自分への忠義のために命を落とすことになりかねません。潔くては、勝てないときがあると思います。」 「ただ、こんな話をしておいてなんですが、あまり思い詰めない方が良いこともあります。ほどほどにされるのがよろしい。お見受けしたところ、ゼン殿は、正直すぎる。素直すぎる。あまりにも、澄み渡りすぎている。それでは、世の中を生きにくい」 「正直すぎると、人に誤解をされるということは知っています」 「坊主の私が言うのも、だいぶ筋違いと思いますが、少しくらいの濁りは、あった方がよろしい。この世にあるものは、如何なるものも、必ず無駄なものが混ざっております。なにも溶けていない水はない。なんの匂いもしない風もありません。それでも、それを綺麗な水といい、澄んだ空という。おそらくは、正しい剣、正しい刀も、そのようなものと想像します」 そもそも、いろんな人間がいることが不思議だ。 わからない。本当にわからないことが多い。 ただ、世の中には、それだけ沢山の人間がいるということだけは、わかってきた。 みんなが同じではない。それぞれが、自分の命を持っている。なにかを楽しみにして、生きているのだ。苦しみだけで生きている者は、たぶん少ないだろう。それでは生きていけないように思われるからだ。 たとえば、都を離れ、故郷へ帰ったり、山に籠ったりするのも、それは、都にはない暮らしを求めた結果だろう。そちらの方が、自分に良いと判断したのだと思う。キクラとフミがそうだったではないか。 自分も、都に失望して、また山に籠るのではないか、という予感がずっとある。それは、山を下りるときからあったものだ。ただ、カシュウの遺言と、知らないことを知りたいという気持ち、この二つが、今は山に帰る気持ちよりも大きいというだけだ。

Posted by ブクログ

2019/09/16

強さに焦がれ、剣の道の向こうに見えているものを追い求めてきたはずなのに、虚しさばかりが胸を打つ。 だけどまた守る為に斬らなければならない侍の宿命。 それは未来があるが故。 仕方なく奪うのと、奪ってもいいとの間にある隔たり。 ゼンのイノセントな目線を通して見るそれが何度も涙腺を刺激...

強さに焦がれ、剣の道の向こうに見えているものを追い求めてきたはずなのに、虚しさばかりが胸を打つ。 だけどまた守る為に斬らなければならない侍の宿命。 それは未来があるが故。 仕方なく奪うのと、奪ってもいいとの間にある隔たり。 ゼンのイノセントな目線を通して見るそれが何度も涙腺を刺激した。 これが正義だ、自分が正義だと開き直ることは簡単で、だけどそうすることで相手の事情が見えなくなるので気をつけたい。 人のことをもっとよく見ろと言うのは自分を肯定してほしいだけということもあるので気をつけたい。

Posted by ブクログ

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