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縁を結うひと 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784101203713 |
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縁を結うひと
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縁を結うひと
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商品レビュー
3.9
14件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
在日朝鮮・韓国人を描いた連作短編集。 最初に、在日の人たちのお見合いを斡旋する、「金江のおばさん」が出てきて、その人に縁のある様々なカップル、家族が描かれる。金江のおばさんはお見合いの斡旋で儲けており、がめつい人のようにも見えるが、角度を変えてみると別の面も見えてくる。 実は過去に、夫とともに総連の運動をしていて、息子を北朝鮮帰還事業で北に帰してしまった。最初のころは連絡が取れていたが、今は連絡が途絶え、生きているかどうかもわからない。「総連系の在日」と「民団系の在日」という、同じ祖国を持ちながら、分断されてしまった朝鮮の人たちの微妙な事情もわかり、勉強にもなった。 金江家は総連系だが、息子を失った哀しみとともに、「総連だろうが、民団だろうが、どうでもいい」という心の内が描かれる場面はとても切ない。 高校でフェンシングに打ち込み、代表選手に選ばれるほどの実力だが、朝鮮籍のため日本代表になれないという葛藤に悩む高校生とその兄。親は息子の将来を想い、帰化してもいいと考えるが、そこには様々な壁が立ちはだかる。 日本で暮らす様々なルーツを持つ人たちが、特に韓国籍や朝鮮籍の人がルーツを明かしにくい実情は、歴史を正しく理解していないことや、政府の不寛容な政策によるものではないだろうか。とても読み応えがありました。
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自分が同じ立場ならどのように考えて生きているのだろうか。日頃自分の国というものを意識せず暮らしているので、考えさせられた。
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著者「深沢潮」さんの作品との出会いは、「翡翠色の海へうたう」であった。その後、SNSで情報を得て「かけらのかたち」を購読し、「深沢潮」さんより短編集なら本書とご紹介を受け、「縁を結うひと」を読んだ。 在日コリアンの縁談を精力的に取り組み、生計を立ててきた「金江のおばさん」。数...
著者「深沢潮」さんの作品との出会いは、「翡翠色の海へうたう」であった。その後、SNSで情報を得て「かけらのかたち」を購読し、「深沢潮」さんより短編集なら本書とご紹介を受け、「縁を結うひと」を読んだ。 在日コリアンの縁談を精力的に取り組み、生計を立ててきた「金江のおばさん」。数々の縁談のとりまとめと自信の家族の苦難。そして、縁を結ぶ過程での、旧来からの朝鮮の文化やしきたりと最近の若者の意識の変化、総連と民団の軋轢。婚活、嫁姑対決や介護の問題など短編ならではの多彩なテーマが続くも「金江のおばさん」が「縁を結うひと」として短編を編み込んでいく。在日コリアンであることを隠し、身を潜める人々。あえて在日コリアンとしてのアイデンティティに目覚める人々。縁談に関する文化やしきたりは、隣国であり同じ儒教国である日本においても鏡像としてとらえられるのではないか? 閑話休題 韓日関係 日露戦争で勝利し、朝鮮半島を植民地化した大日本帝国。大日本帝国に虐げられ、仕事や生活のために日本に渡った朝鮮の人々。男性は徴用工、女性は従軍・産業「慰安婦」として、日本に無理矢理連れてこられた朝鮮の人々。日本の敗戦と同時に、朝鮮の人々はちりぢりとなり、帰国がかなわず日本で生活を続けなければならなかった在日コリアンの歴史や苦難をもっと学ぶべきだろう。かつて、百済や新羅からの文化を強く受けた日本。豊臣秀吉の朝鮮征伐の後、江戸時代では定期的な交易行われ、幾度かの韓流ブームが起きたとのことだが、今現在の韓流ブームにも重なる。SNSなどでは嫌韓・嫌中の誹謗中傷が問題となっているが、隣国として文化交流を通した良好な国際関係が続くことを願ってやまない。
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