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ヒロシマの人々の物語
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 景文館書店 |
発売年月日 | 2015/03/10 |
JAN | 9784907105044 |
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ヒロシマの人々の物語
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これは確かにパッと読むと誤解しかねない議論で、原爆投下を否定しつつも、ヒロシマの被爆者の生のエネルギーを肯定しようとしているということをまずおさえなければいけないだろう。 原爆について語る時、我々は同情や哀れみを示し原爆の撲滅を目指すが、バタイユはそうした態度を理性に従属した曖昧...
これは確かにパッと読むと誤解しかねない議論で、原爆投下を否定しつつも、ヒロシマの被爆者の生のエネルギーを肯定しようとしているということをまずおさえなければいけないだろう。 原爆について語る時、我々は同情や哀れみを示し原爆の撲滅を目指すが、バタイユはそうした態度を理性に従属した曖昧な感性であるとして激しく批判する。 ヒロシマの原爆による死者は他の死者とおぞましさにおいては本質的には変わらない。ヒロシマの不幸を他のものと比較するのではなく、正視しなければならないのだ。 また後半部分ではニーチェの永劫回帰や瞬間の道徳も引き合いに出しつつ、限定経済から普遍経済への移行が推奨される。 あらゆる理性的なものに従属させられない生の瞬間の体現者としてヒロシマの被爆者たちは見なされるべきであり、決して「可哀想」な存在ではないのだ。
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素材が素材だけにシリアスな読書。バタイユは時間的に近く自分は地理的に近い。そういうことが頭をよぎった。バタイユはフランスは原爆投下をキチンと思考でない所で受け止めていないという。その指摘は時を経た被爆国日本でも言える気がする。どこか知識的に受け止めているフシがある。人間として受け...
素材が素材だけにシリアスな読書。バタイユは時間的に近く自分は地理的に近い。そういうことが頭をよぎった。バタイユはフランスは原爆投下をキチンと思考でない所で受け止めていないという。その指摘は時を経た被爆国日本でも言える気がする。どこか知識的に受け止めているフシがある。人間として受け止めるというような感性の話として受け止めることの大切さをバタイユは指摘してくれる。なかなか有意義な小冊子だった。
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バタイユのヒロシマ論。野蛮ではなく、文明こそ戦争の元凶であるとする。慣れなければ読みにくいが、それは常識を転倒するロジックだからだろう。 被爆の現場は、何が起きたのかを理解することもできず、ただそこに起きた出来事に居合わせたものとして、「動物」として事態にわたりあうことしかでき...
バタイユのヒロシマ論。野蛮ではなく、文明こそ戦争の元凶であるとする。慣れなければ読みにくいが、それは常識を転倒するロジックだからだろう。 被爆の現場は、何が起きたのかを理解することもできず、ただそこに起きた出来事に居合わせたものとして、「動物」として事態にわたりあうことしかできない。 一方、、トルーマン大統領が、歴史的な出来事として、原爆の威力を誇るラジオ放送をしたことが引かれている。「人間」的、文明的な評価である。 少し離れた場所で爆破を体験し、他の人を助けねばと爆撃の中心に向かった谷本氏は、小高い丘から、想像した1地区だけでなく、ヒロシマ全体が失われているのを見る。「いくつもの爆弾が投下されたのにちがいない(中略)いったいどのようにして、これほど広域の破壊が静かな空からやってきたのだろうと彼は自問した。かなり上空の小さな編隊であっても、飛行機の爆音が聞こえたはずなのだが」(p.14) このシーンをバタイユは「人々を個別に、動物的に、襲った大惨事を徐々に理解可能な表現に変えていく、ゆっくりした啓示」(p.14)と評価するのだ。
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