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石垣りん詩集 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2015/11/19 |
| JAN | 9784003120019 |

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石垣りん詩集
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商品レビュー
4.3
21件のお客様レビュー
女であり、一家の大黒柱であり。どれほどのことを諦めてきたんだろう。作者の私生活の苦労が詩に昇華されることによって報われたことを願う。
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光村図書の中学二年生の教科書に「挨拶ー原爆の写真によせて」が載せられている関係で、石垣りんの教材研究をしようと思って、友人がいっしょに読んでくれることになった一冊。石垣りんの詩以上に、伊藤比呂美の解説が、ものすごく丁寧に一つひとつの詩集の流れを追っているところの方が、ものすごく印...
光村図書の中学二年生の教科書に「挨拶ー原爆の写真によせて」が載せられている関係で、石垣りんの教材研究をしようと思って、友人がいっしょに読んでくれることになった一冊。石垣りんの詩以上に、伊藤比呂美の解説が、ものすごく丁寧に一つひとつの詩集の流れを追っているところの方が、ものすごく印象的で、なるほどと思ってもう一度読み返してしまった。 第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』は、伊藤比呂美に、「率直すぎて、現代詩というより、ほとんど社会の正義と反戦と平和のプロパガンダだ。アジテーションだ(p287)」と言わしめる戦争をテーマにした詩に始まり、「身のまわりのp日常的なことがらを見つめ始める(p291)」詩へと移っていく。その視線はやがて「家族の存在に向かい、家族の感情に向かい、家族の使う便所に向かい、台所に向かい、それから自分自身に向かって(p292〜293)」いくと、日常の暮らしの汚さを描いていき、最後に一つ、ため息をつくのだという。 戦争は終わった。平和を願った。社会について、時事について書いてきた。それから人々を、日常を書いてみた。汚いこと、恥ずかしいことをいっぱい書いた。それから家族を書いた。自分を書いた。書いてきた。そして今、石垣りんは、ここ、詩の半ばで、脱力して、病気もあって、詩らしさからすっかり逃れて、地声で、聞こえるか聞こえないかくらいの低い声で、つぶやくのだ、「ああ疲れた、ほんとうに疲れた」と。(p305) この詩集は、伊藤比呂美が選んだ選集だが、本人も「どれひとつとして、選びたくない詩がなかった(p285)」と言っているように、『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』と『表札など』については、かなりの数がそのまま載せられている。これは、後半の『略歴』、『やさしい言葉』、『レモンとねずみ』の三つと比べれば明らかだと思う。それくらいに前半の二つの詩集は、詩集というまとまりとして、一つのストーリーが出来上がっていて、編者の伊藤比呂美が、その作者としてのストーリーを、上手に拾い上げている。 もう詩集としての理解は、解説にすっかり納得してしまって、それ以上のことを思えなくなってしまった。あとは、個人的に気に入った詩について想いを馳せるくらいのものである。自分の現在置かれた境遇に対して、タイムリーだったということもあって、第三詩集『略歴』にある「定年」は、なんだかものすごく刺さってしまった。 ある日 会社がいった。 「あしたからこなくていいよ」 人間は黙っていた。 人間には人間のことばしかなかったから。 会社の耳には 会社のことばしか通じなかったから。 人間はつぶやいた。 「そんなこといって! もう四十年も働いて来たんですよ」 人間の耳は 会社のことばをよく聞き分けてきたから。 会社が次にいうことばを知っていたから。 「あきらめるしかないな」 人間はボソボソつぶやいた。 たしかに はいった時から 相手は会社、だった。 人間なんていやしなかった。(p152〜153 定年) 合理化された組織の原理で動く会社には、一人ひとりの人間の声は届かない。決められたルールに則って、機械の部品のように取り替えられる社員たちの様が、不当に長い間、懲戒処分を待たされる自分の境遇と重なって、ものすごく共感してしまった。 働きたいのに働かせてもらえないということの、必要とされなさ。自分の代わりはいくらでもいるのだということの虚しさ。どれだけ、何を訴えても、人間の言葉で訴えても、聞く耳を持つことのない会社という組織の非人間性。理不尽が、この詩の中に詰まっていることが、身をもって感じさせられる。「あきらめるしかないな」と、ボソボソと呟いた人間の表情を思い浮かべるだに、いたたまれない気持ちになる。 個人的には、詩集を読みきったあと、伊藤比呂美の感性的な言葉に頼らない、冷静な解説を味わってほしい。詩の言葉を丁寧に拾い集めて引用し、解説を加えていく手つきは、ものすごく憧れる。こんな風に詩を読むかどうかは別にしても、教師という職業をやっている身として、こんな風に詩を説明できたらとは思う。 選集であることの魅力をいかんなく感じ取れる本だと思う。
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「表札」の石垣りんである。表紙の自筆原稿の達筆に驚く。 強い人だと思っていたが、父と義母、無職のふたりの弟、5人の暮らしをひとりの月給で支える日々で、 長い間漕ぎつづけましたが 文化的な暮しは そんなやすらかな港は どこにもありませんでした と書いた。さらに、 最低限度の...
「表札」の石垣りんである。表紙の自筆原稿の達筆に驚く。 強い人だと思っていたが、父と義母、無職のふたりの弟、5人の暮らしをひとりの月給で支える日々で、 長い間漕ぎつづけましたが 文化的な暮しは そんなやすらかな港は どこにもありませんでした と書いた。さらに、 最低限度の生活を維持したいのが 私の願いでした 国はそれを保障してくれたことがありません 国とは何でありましょう と告発する。やっぱり強い人だ。 ※ 日本国憲法第25条 (第1項) すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 (第2項) 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 もっとも心にひっかかった詩をひとつ、 雪崩のとき 人は その時が来たのだ、という 雪崩のおこるのは 雪崩の季節がきたため と。 武装を捨てた頃の あの永世の誓いや心の平静 世界の国々の権力や争いをそとにした つつましい民族の冬ごもり 色々な不自由があっても また良いものであった。 平和 永遠の平和 平和一色の銀世界 そうだ、平和という言葉が この狭くなった日本の国土に 粉雪のように舞い どっさり降り積っていた。 私は破れた靴下を繕い 編物などしながら時々手を休め 外を眺めたものだ そして ほっ、とする ここにはもう爆弾の炸裂も火の色もない 世界に覇を競う国に住むより このほうが私の生きかたに合っている と考えたりした。 それも過ぎてみれば束の間で まだととのえた焚木もきれぬまに 人はざわめき出し その時が来た、という 季節にはさからえないのだ、と。 雪はとうに降りやんでしまった、 降り積った雪の下には もうちいさく 野心や、いつわりや 欲望の芽がかくされていて "すべてがそうなってきたのだから 仕方がない”というひとつの言葉が 遠い嶺のあたりでころげ出すと もう他の雪をさそって しかたがない、しかたがない しかたがない と、落ちてくる。 ああ あの雪崩、 あの言葉の だんだん勢いづき 次第に拡がってくるのが それが近づいてくるのが 私にはきこえる 私にはきこえる。 (1951.1)
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