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書記パートルビー/漂流船 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 2015/09/01 |
| JAN | 9784334753160 |

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書記パートルビー/漂流船
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商品レビュー
4.1
20件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
とりあえず『書記バートルビー』のみ。 読後しばらく「そうしない方がいいと思います」が頭のなかでずっとリフレインすることになる…… 前評判で「元気のないときに読まない方がいい」と聞いていたので、起床したての時間に読んだ。夕飯の薬味を刻みながら呆然と考えていたとりとめのない感想を書いてみたい。 バートルビーは、百語につき4セントの写字の仕事をするために語り手の弁護士「私」に雇われている。 歩合制なのだから、それ以外はバートルビーの本来の仕事ではない。 だから「私」が仕事が急を要する時に文書の照合を手伝わせようとしたときに、バートルビーが「そうしないほうがいいと思います」といって断るのは、そこまでおかしなことではない。 いくらその作業がこの職場の慣習だとしても、バートルビーの仕事ではない。 ここまではいい。 しかし、バートルビーは次第に、色んなことを「そうしない方がいいと思います」と言ってやめていく。 仕事をしなくなったバートルビーは解雇されるが、職場から出ていくことも「しない方がいいと思います」とやめてしまう。 最終的にバートルビーは警察沙汰となり刑務所にいれられ、そこでとうとう食べることさえやめて死ぬのだ。 空虚なバートルビーは社会の不条理に対する「抵抗」が人間の皮を被ったような存在である。 社会は不条理で溢れている。歩合制なのに慣習だからといって求人票にない仕事をしたり、わざわざ通勤して、給料も発生しないのに他人と雑談するのである。 理不尽に刑務所に入られたとしても、そこで食事をするのである。 でもバートルビーはそれらすべてを「そうしない方がいいと思います」と言ってやめてしまう。 社会がなんとなくやり過ごし曖昧にするものすべてに対し、徹底的に抵抗する。彼が自由意思により「しないほうがいいと思」ったものはやらないのである。恐るべき言行一致である。 なるほど、おかしいのは曖昧にやり過ごしてしまう我々であり、本当に人間の生を生きたのはバートルビーだったのかもしれない。 ラストの「ああ、バートルビー!ああ、人間の生よ!」という「私」の言葉はそういう風に捉えるべきなのだろうか。 バートルビーの死は社会の不条理さに対する殉死、というのは言いすぎだろうか。 色々書いてみたが、手からこぼれ落ちる砂のように考えても考えてもうまく掴めなかったが、そこがまたこの作品の魅力である。面白かった。 またいつか再読してみたい。
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『書記バートルビー』 「しない方がいいと思います」と言う部下をいったいどうしたらいいのだ。この振り払えないしつこさが気になって読みかえし、四回目で自分なりの答えをみつけた(どこかで見たことがあったかも)。今回は五回目。二人の同僚もおかしくなっていることに気がついた。 キリスト...
『書記バートルビー』 「しない方がいいと思います」と言う部下をいったいどうしたらいいのだ。この振り払えないしつこさが気になって読みかえし、四回目で自分なりの答えをみつけた(どこかで見たことがあったかも)。今回は五回目。二人の同僚もおかしくなっていることに気がついた。 キリスト教の人たちの話だ、ウォール街の話だ、とひとごとだと思っていたのだが、私のそばにもバートルビーがいるかも、とふっと思った。それで生き方を変えられたらいいのだけれど。せっかくのgood tidings(吉報p.101)を配達不能にしているのは自分なのだ。 『漂流船 ー ベニート・セレーノ』 ぞわぞわしながら読む、おもしろい話(四回目)。デラーノ船長、鈍感でほんとによかったな。偏見ゆえに助かったのだが。バボウの眼が、こちらにまっすぐに向けられている。この眼差しはズキンとするくらいで、忘れられない。こういう体験をさせるのが作家のすぐれたところだと思う。私の偏見や思い込みも変えることは難しい。ただ、礼儀正しくすることは心がけよう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最初「なぜバートルビーは働かなくなったのか」と不思議に思ったが、読み進めるうちに、単なる変わり者の話ではなく、現代社会にも通じる作品だと感じた。特に印象に残ったのは、「しない方がいいのですが(I would prefer not to.)」という言葉。彼は怒ったり暴れたりせず、静かに仕事を拒否する。その態度は社会の「働くのが当然」という価値観に疑問を投げかけているようだ。また、他の書記たちも仕事によって疲弊していた。「社会不適応者」の話というより、機械的な労働が人間を追い詰めていく物語だと感じた。⑤
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