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自分ひとりの部屋 平凡社ライブラリー831
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2015/08/01 |
JAN | 9784582768312 |
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自分ひとりの部屋
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商品レビュー
4.6
29件のお客様レビュー
ここに書かれている内容がどうこうというのではなく、架空の物語を通して自分の考えを伝える文章の手法と、注記と本文を行ったり来たりしながら当時の温度感、歴史を感じるという読書体験がただただ楽しかった。読書好きの読書好きを更に加速させるような本。
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「女性が小説を書くには、お金と自分ひとりの部屋が必要である」というのが本書の命題であり、創作において前提となる物質的条件ならびに社会的条件の必要性を強調した点で重要な論考である。創作を単なる才能に還元することはできず、物理的条件という前提が極めて重要であり、その不平等な分配を是正...
「女性が小説を書くには、お金と自分ひとりの部屋が必要である」というのが本書の命題であり、創作において前提となる物質的条件ならびに社会的条件の必要性を強調した点で重要な論考である。創作を単なる才能に還元することはできず、物理的条件という前提が極めて重要であり、その不平等な分配を是正すべきというのは、もっともだとおもう。シェイクスピアに同じ才能の妹がいたら…というくだりはなんとも悲痛なイメージであり、歴史的なジェンダー格差を嘆かずにはいられない。 自分ひとりの部屋という象徴的な要素については、家族の接触による中断から創作活動が解放されるという消極的側面についていくらか論じられるにとどまる。欲を言うと、もう少しこの概念を深掘りし、「自分ひとりの部屋」が生み出す積極的な精神的作用についても語ってほしかった。 女性は男性の姿を拡大する鏡の役割を果たしてきたというような、フェミニズム論としても本書は重要だが、著者はあくまでも、本質的な男性性と女性性の調和が「自然」で望ましいものだと考える。つまり、本質主義的であり、ジェンダー規範が社会的に構築され外在的に賦課されるという意識は希薄である。この点については批判の余地がある。しかし、両性がその内面に男性性と女性性を有しており、その無礙な発露=両性具有性が創作に重要であるという指摘は、アニマ-アニムス論とも通づるところがある興味深い指摘である。
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女性と小説というテーマを掘り下げ、数世紀にわたる小説を読み解きながら女性と貧困、女性と家事・育児などの目線を交えて語られるフェミニズム批評。 女性は男性を2倍に写す鏡の役割を務めてきたため、男性たちが優越感を与えてくれる女性を手放さないという第二章には笑ってしまった。ほんとそう...
女性と小説というテーマを掘り下げ、数世紀にわたる小説を読み解きながら女性と貧困、女性と家事・育児などの目線を交えて語られるフェミニズム批評。 女性は男性を2倍に写す鏡の役割を務めてきたため、男性たちが優越感を与えてくれる女性を手放さないという第二章には笑ってしまった。ほんとそう。いまでさえ。 この本で語られる100年後まであと5年。あと5年でなにが変わるというのかと憂うことは簡単だけど、それよりもなにかを書いていきたいね。年収と自分ひとりの部屋があるうちに。
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