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自分ひとりの部屋
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自分ひとりの部屋
¥1,320
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商品レビュー
4.5
34件のお客様レビュー
名著であり、100年前に書かれた驚き。あげられた理想は現代でも同じく課題になっているため、今読むにじゅうぶん値する。 「自分の人生を生きよう」とウルフは女性に呼びかけ、あらゆることに阻まれることなく自由な経験を女性たちができるようになれば、世の中にどれだけ素晴らしい小説が女性の手...
名著であり、100年前に書かれた驚き。あげられた理想は現代でも同じく課題になっているため、今読むにじゅうぶん値する。 「自分の人生を生きよう」とウルフは女性に呼びかけ、あらゆることに阻まれることなく自由な経験を女性たちができるようになれば、世の中にどれだけ素晴らしい小説が女性の手によって生み出されるだろうか、と述べている。 そのために必要なのはお金(ある種の余裕)と、1人になれる自分の部屋を持つこと。 小説家を目指さなくても、そんな、女性が真に自由に生きられる世の中が来れば、社会も変わっていくだろうという、未来への期待が込められた批評。メアリー・ビートンという架空の人物に語らせた、物語風なのが面白い。
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知的自由は常に物質的なものに支えられている。詩は常に知的自由に支えられている。 「自分の部屋を持つ」ということは、「知的自由行使の権利を持つ」ということ。 100年前に書かれた本。すごいな。
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さすがの名著。女性と文学の歴史を主軸に、女性が教育や社会経験、そして経済的独立から遠ざけられてきたことが何を意味するのか。そして世に多くの書物はあれおよそ男性の目を通した「女性」しかほとんど描かれないことがどんなに歪んでいるか…などなど、フェミニズムについて明快に語っている。すご...
さすがの名著。女性と文学の歴史を主軸に、女性が教育や社会経験、そして経済的独立から遠ざけられてきたことが何を意味するのか。そして世に多くの書物はあれおよそ男性の目を通した「女性」しかほとんど描かれないことがどんなに歪んでいるか…などなど、フェミニズムについて明快に語っている。すごいと思うのは、その的確な着眼点と分析もさることながら、そうした諸問題への怒りや恨みを諌め、皮肉まじりだろうが同時代の男性識者の女性蔑視発言まで貴重なご意見として朗々と紹介するその余裕とちゃめっ気だ。まあ、言い換えれば、そのような「中立さ」を示しておかないと男性社会に受け入れられるのも難しかったのだろう。 読んでいて思ったのは、作中でも紫式部だけ軽く紹介されているが、平安女流文学について。彼女たちが同時代のヨーロッパとは異なり(ギリシャローマにまで遡れば女性詩人はいたが)、女性でありながら優れた文学作品を世に送り出せたのは何故だったのだろう?作者が女性作家が活躍するに必要なものとしてあげる二つの要素、安定した収入と「自分だけの部屋」、前者はあっただろうがそれ自体はヨーロッパでも女官はいたはずだ。後者…もしかすると、平安時代の通い婚システムが貢献したのだろうか。多くの女性は、婚家ではなく実家で暮らせたはずで、それがより時代の下ったゴリゴリの家父長制下よりは自由が多い、執筆環境を生み出せる「自分だけの部屋」に繋がったのだろうか…?などと考えながら読んだ。紫式部や清少納言の実際の暮らしについてはよく知らないので、合っているかはわからない。 本作から約100年。ウルフが現代を見たら何を思うだろうか。文壇での女性の活躍については、なかなか満足いただけるのでは。一方で、他の職業、たとえば棋士だったり、クラシック音楽だったりの世界では、私自身の寡聞の問題もあるがまだその限りではない気がする。他にも、彼女の語った社会的歪みで、まだまだ「あるある」として頷きながら読んだものは多い。それでも着実に、年500ポンド(概念)と「自分だけの部屋」を持っている女性は増えているし、私自身もそうだ。私自身が何かを生み出せているわけではないが、バトンを繋いでいくことで、「シェイクスピアの妹」を殺さない社会を作っていくからね、そうやって先人たちに手を振りたい気持ちだ。
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