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恋と夏 ウィリアム・トレヴァー・コレクション
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恋と夏 ウィリアム・トレヴァー・コレクション

ウィリアム・トレヴァー(著者), 谷垣暁美(訳者)

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恋と夏 ウィリアム・トレヴァー・コレクション

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784336059154

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商品レビュー

4.4

16件のお客様レビュー

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2021/07/07

特筆すべきは作者の優れた洞察力。 彼にかかれば老若男女、あらゆる人物の人生が現実のこととして読者の身に降りかかってくる。 生活の描写が細かく、丁寧なので、映画のスクリーンのように情景が浮かび上がってくる。(細かすぎて、いささか長く感じてしまうことは否めないが…) 夏という季節が与...

特筆すべきは作者の優れた洞察力。 彼にかかれば老若男女、あらゆる人物の人生が現実のこととして読者の身に降りかかってくる。 生活の描写が細かく、丁寧なので、映画のスクリーンのように情景が浮かび上がってくる。(細かすぎて、いささか長く感じてしまうことは否めないが…) 夏という季節が与える懐古的な魅力、エモーショナルさは万国共通な感覚なのだろうか。 80歳の男性作者が織りなす恋物語は、淡くて甘さは微かで、ビターなほろ苦さがある。御伽噺ではなく、どこまでも現実的な恋物語。それ故、エリーとフロリアンの恋は、理性を失わせる程ではなく、どこかお互いに引いてしまうところがあったりする。こちらとしては、ともすればヤキモキしてしまう登場人物たちの感情は、どこまでもリアルな人間を描いているからこそのものなのだ。達観した巧みな人間描写に、思わず唸ってしまう。 エリーとディラハンの会話は見事だった。はっきりと文字にはしないからこそ、滲み出てくる登場人物の苦悩。夜の静けさと、涼やかさの演出。 訳者のあとがきにもあったけど、登場人物と場所の結び付けと描写がとても上手い。 ウィリアム・トレヴァーとの出会いは期せずして長編の、しかも2015年時点での最新と銘打たれている本作だけれど、短編の人でもあるらしいから、早速「異国の出来事」も読んでみたい。 余談だけれど、北欧、帽子ときて、そのイメージにまんまと引きずられ、フロリアンのイメージはスナフキン。安直かも知れないけれど、私の中ではスナフキン。

Posted by ブクログ

2021/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者は80代。 こういうのが書けるのが、驚き。 出会いの順番が違っていたら…と思う一方で、ついて行ってもその恋は長続きするのかという捻くれた気持ちも。何年も同じ気持ちでいられるのだろうか。 旦那さんは優しいし、これは捨てにくいよね。 でも、好きでもないし。 夏がきたら、彼を思い出す。 そういう恋もあり。

Posted by ブクログ

2019/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

懐古趣味的パーツだけで組み上げながらも何らかの現代性を感じさせて行く、という作風。小説の成熟の一つのかたちと呼べばいいのだろう。 人は幼い恋、愚かな恋、自分本位な恋を経てやっと人を愛する事が出来る様になるものだ。孤児であり、修道院からお嫁入りしたヒロインにはそんな経験を持つ機会があるはずもなく、遡る様にしてそれを体験することになる。 それぞれの過去を抱えた田舎町の人々の中で、物語は淡く進んでいく。 カメラはそれらを群像劇として、どこにも肩入れする事無く、そのいびつさを裁くこともなく、淡々と優しく見守って行く。 小説というものはボヴァリー夫人を殺す事もできるが、救う事もできるのである。 本作はそれら救われる事のなかった過去のヒロインたちへ差し伸べた手のようなものではないのか。 現代性とは、そこにあるのだとも思うし、読者はここで大人の視点、というものを学ぶ事にもなる。 相手の男、フロリアンの幼さは、ヒロインの中に眠る幼さを引き出し、消費させ昇華させる為の触媒なんですね。 全体としては非嫡出子、そしてその母親の救済、というテーマが何重にも奏でられる。 まず夫婦に子供が出来ない事が愛に至っていない事のメタファー(安易だけど)。そして家畜の種付けがやってくるのはちょっとあからさま過ぎる暗示。そして他、もろもろの村の暗い過去があり、最後には力強い宣言がある。そられはすべて、物語の終了後のある一点へと向かっていると言える。 それは、物語の後にはどちらの子かわからない子供が産まれるが、温かく迎えられるのだろう、という事。 主人公自体が、捨てられた非嫡出子であり、また村全体がそうした望まぬ妊娠や、堕胎、或いは事故で死んだ子などの暗い過去を持っている。それらを全て物語の外で、産まれる子とその母の運命に託して、救っているのだと思える。 つまり、これは意図的な「妊娠小説」の書き換えなのではないのだろうか。そんな風に思った。

Posted by ブクログ

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