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夢を売る男 幻冬舎文庫
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夢を売る男 幻冬舎文庫

百田尚樹(著者)

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夢を売る男 幻冬舎文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎
発売年月日 2015/04/01
JAN 9784344423190

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夢を売る男

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商品レビュー

3.9

185件のお客様レビュー

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2025/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本作は作者本人が費用を出して出版する、いわゆる自費出版の闇を扱った作品で、作家たちが出版社および編集者に翻弄され、搾取されていく過程を何名かみていく。また本作の5「小説家の世界」を読むと、小説家が生計を立て維持し続けることが、昨今の出版業界の構造や現代人の娯楽の嗜好という観点からどれほど厳しい世界であるのかを、登場人物の会話から容易に想像できる。

Posted by ブクログ

2025/04/05

妙にリアリティのある作品で百田さんの意思をとても感じる作品だった。途中作品内で百田何某として百田自身を話題に出していたが、確かになあーと思うところがあり笑ってしまった。 主人公である牛河原は途中まで胡散臭いやり手の詐欺師だと思っていたが、読み進めていくうちに何故だがどんどんかっこ...

妙にリアリティのある作品で百田さんの意思をとても感じる作品だった。途中作品内で百田何某として百田自身を話題に出していたが、確かになあーと思うところがあり笑ってしまった。 主人公である牛河原は途中まで胡散臭いやり手の詐欺師だと思っていたが、読み進めていくうちに何故だがどんどんかっこいいなあと言う気持ちが強くなっていった。自分もこうやって夢を売られるのかな。

Posted by ブクログ

2025/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆さんは本を書いてみたい、いつかは自分の本が出版出来たらいいなあ、と考えたことはないでしょうか? 私なぞは、まさに「いつか出版してみたい」というものを自分のバケットリストに入れているのでした。 ところが本作を読んだら、登場人物の愚かさに自分を重ね、その夢はややしぼんでしまいました。 そこには、出版業界の不況、書籍よりもっと面白いコンテンツが溢れる現状、そしてそれでも自分は認められるべきという自信過剰な自己認知力のない大人たちが滑稽に描かれていました。 ・・・ 本書はエンターテイメント小説が得意な百田尚樹氏の2013年の作品。ちなみに氏は2019年には小説家引退宣言をしています。 なお氏は関西地方で絶大な人気を誇る『探偵ナイトスクープ』の構成作家をされていたことでも有名。 ・・・ で、です。 本作の舞台となるのは出版社。 とはいえ、その出版社は所謂小説家の作品を出すよりも、自社企画の賞でトップを取れなかったという口上で、応募者に『ジョイント・プレス』という出版方法を提示し、著者にもお金を出してもらうことで実質自費出版をさせる会社。 名ばかりの『ジョイント・プレス』という名称や、著者側の負担が200万円に及んでも、敏腕編集部長の牛河原の手にかかれば、頑固オヤジもお手の物。彼に自尊心を思いっきりくすぐられた著者らは、ホイホイとお金を出してしまう。会社側はこの著者側の負担金だけで十分利益が出る出版が出来てしまうという構造です。 ・・・ とは言え、牛河原が完全な悪者かというとそうでもありません。 嘘偽りは言わず、相手の攻め言葉にはそれを上手に返すすべをよく知っているだけ。 パッと見は、確かに良くないことをしているようにも見えます。しかしながら、牛河原は素人著者の作品がちっとも売れないことを分かっていつつも、彼らの自尊心を最大限満足させ、寄り添うという姿勢でした。そしてその姿勢に筆者らも満足する。 その背景には、所謂書下ろしをする小説家の作品ですら売れない現状があります。既存の小説家(特に純文学系)が、大衆や世論が自分を理解しないとうそぶき、高飛車かつ現状に胡坐をかく姿勢を牛河原の口を通じて批判的に描きます。彼らの売れない・つまらない連載作品を『生活保護』とまで揶揄します(詳しくは本書をご覧ください。言いえて妙です)。 さらに、本などよりもはるかに面白いネット、ケータイ、などの存在を挙げ、それに勝り得る作品でない限り書下ろし事業は赤字を垂れ流す、と断定しています。 売れっ子作家となった百田氏の『売れてなんぼ』『どの口がきいてんねん』とでもいったアンチテーゼが見え隠れしていたように見えます。 なお、彼はお金のない老人などには出版はさせません。 もう後戻りが出来ないような世代の虎の子には手を付けようとしない。他方、口だけは達者な若者(バカモノ)には、きっちりお金を払わせ、世間の厳しさを味わわせる。 言わば、ロビンフッド的要素をも持つ敏腕詐欺師のようなキャラクターとして牛河原を描いています。 ・・・ ということで、久しぶりの百田氏の作品でした。 いやあ、何というか自分のアホさ、滑稽さ、自己顕示欲のおろかさを見透かされたかのようでした。もし私のそばに牛河原が居たら、私もホイホイと『ジョイント・プレス』していたかもしれません。 私のような自意識・自尊心高すぎる系の方々には非常に参考になる小説であると思いました。エンタメ小説としても読みやすく面白い作品でした。

Posted by ブクログ