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百年法(下) 角川文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2015/03/01 |
| JAN | 9784041027103 |
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百年法(下)
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商品レビュー
4.3
195件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
永遠の命という題材を社会制度として考えるSFとして面白かった。特に、百年法が制定されるまでの政治的なやり取りと、老化人間と不老人間の時間感覚の違いが印象に残った。物語の開始時点を百年法制定前にしたことで、制度が成立する過程そのものを描いているのもよかった。 上巻は群像劇的な構成で、視点が切り替わるたびに物語へのモチベーションがリセットされる感じで途中から読むペースが落ちた。下巻は物語の方向性が明確になり、先が気になって一気に読み終えた。 終盤はクーデター失敗後から少し駆け足で、ご都合主義的に感じる部分もあった。また、人間の描き方はややロマンチックで、掘り下げが甘い印象もある。 「永遠に生きられるならどう生きるのか」という思考実験としては面白いが、自分自身の生き方を深く考えさせられるほどではなかった。全体としては、哲学的な作品というより、壮大な設定を使ったエンターテインメントSFという印象。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間が不老不死になったパラレル世界を群像劇で描いた作品。一体どんな世の中になるのだろうと読者にも思考実験を促してくるようで実際にあれこれ考えてしまう。特にタイトルの「百年法」は飽和する人口と停滞を解消する手段として掲げられるが、「HAVIという不老処置を受けて百年経ったら強制安楽死」という内容は一般的には人権侵害という感覚しかない。けれども深刻な社会問題に必要な処置だと改革を訴える登場人物達の熱心さを見ていると、私達の世界とは前提が違うのだし、そうなのかと説得させられてしまう上、否決した時には一緒に嘆息してしまう。けれども実際に期日を迎え、死を受け入れた人や拒否者にクローズされると今度はやっぱり人権について考えてしまう。全体的に非常にうまい構成になっていた。メタ的な視点でもどのように物語、掲げられた問題を畳むのだろう、この人類はどこに向かうのだろうと思っていたので、良い着地になっていたと思う。不老不死のカラクリが巧妙だった。またアレルギーのように嫌われそうな独裁の扱いについてもうまい具合に描かれていたなと感じた。 個人的には不老不死の世界は生き過ぎた個人主義になっていてダメだなと思った。国とは集団の集まりで構成員の帰属意識、そして国という仕組みを維持しようという意思が必要になる。この国という集団を分解していくと都道府県とか市区町村とか最終的には家族まで小さくなるが、この世界では家族という枠組みは崩壊してしまっている。大切な人、家族、とりわけ子供の為に良い未来を作りたいと考える人は多いと思うし、社会作りにはそうした考えが少なからず基盤になっていると考えているが、この物語の社会では家族の柵が失われた結果、原動力や頑張る理由、社会を維持する為の意味が揺らいでしまっている。安全安心な社会は自分が生きている間には必要だろうが、個人主義な世界観では死んでしまった先はどうでも良いと考える人も多いだろう。そうすると百年法って毒にしかならないような気もするが、有限であるリソースの事を考えると本当に扱いが難しい。ひとつ驚いたのはこの世界では安楽死が認められていなかったことだ。真っ先に議論されそうなのに。でもこれを認めると作中の停滞社会では不利な若年層の死亡率が上がるのだろうか… 不老不死社会は色々と思考実験の甲斐がある。難しい問題も多そうだ。面白い機会を得たと思えたし、シミュレートの結果としてひとつの世界の歴史を垣間見れて満足している。
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最後までダレずに緊張感を維持できて綺麗に終わった印象。解説で指摘されていた省略は言われてみれば確かにと思った。話のスケールとしては日本沈没に匹敵する。 文章にイマイチ深みを感じられないのは,SFであって純文学ではないからか。
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