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牛と土 福島、3.11その後。
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牛と土 福島、3.11その後。

眞並恭介(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2015/03/01
JAN 9784087815672

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2023/11/01

「東日本大震災で被曝地となった福島で、殺処分を受け入れず被曝した牛を生かそうとする牛飼いたちと、帰還のため土壌の調査に奮闘する研究者を通し、失ったものは何かを問いかけるノンフィクション。」 「事故の後、国は警戒地区に置き去りにされた牛の殺処分を決める。多くの牛飼いは泣く泣く従っ...

「東日本大震災で被曝地となった福島で、殺処分を受け入れず被曝した牛を生かそうとする牛飼いたちと、帰還のため土壌の調査に奮闘する研究者を通し、失ったものは何かを問いかけるノンフィクション。」 「事故の後、国は警戒地区に置き去りにされた牛の殺処分を決める。多くの牛飼いは泣く泣く従ったが、抵抗した人たちもいた。彼らは被ばくした牛を生かし続け、牛の「生きる意味」を求めた。例えば放射線物質による汚染がひどくて人が入れない地域は、すぐに荒れ果てる。だがそこに牛を放てば除草や農地保全の役割を担ってくれる。  牛飼いと牛の強いきずなが印象的だ。ー牛の生きる意味とは何か、幸せとは何なのか、眞並は何度も問いかけ、考えを深めていく。牛への愛と敬意に満ちた賛歌である。」 (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著の紹介より)

Posted by ブクログ

2017/08/21

出荷制限のかかった原乳が廃棄される。そんな映像を覚えている。 2011年3月11日に発災した東日本大震災、その後に起きた東京電力 福島第一原子力発電所の事故の影響だった。 安全神話に依存し、原発の危機的な状況を想定してこなかった この国は、明確な避難計画もないままに避難...

出荷制限のかかった原乳が廃棄される。そんな映像を覚えている。 2011年3月11日に発災した東日本大震災、その後に起きた東京電力 福島第一原子力発電所の事故の影響だった。 安全神話に依存し、原発の危機的な状況を想定してこなかった この国は、明確な避難計画もないままに避難区域を拡大させ、 人々は帰還の目途も知らされず生まれ育った故郷を離れる ことになった。 住人のいなくなった避難区域に取り残されたのは動物たちだった。 ペットは勿論、家畜も置き去りにされた。 犬や猫のペットが家族同然なら、家畜もまた畜産業に携わる人たち にとっては家族同然だ。手塩にかけて育てた牛や豚。それなのに国は 警戒区域内の家畜の殺処分の指示を出した。 本書は国による殺処分に同意せず、警戒区域内で牛の世話を続ける 飼育者たちと、牛たちを追ったノンフィクションだ。 食肉としては出荷できなくなった牛を生かし続けることに意義はある のか。国は「ない」と判断したからこそ、安楽死処分という指示を 出したのであろう。 だが、牛の命を守ろうとした人たちは警戒区域内で牛を生かし続ける 新たな意義を見出す。 放射性物質に汚染され、手入れをする人間がいなくなった田畑。 放っておけば雑草が生い茂り、再び農地として利用しようとすれば 多くの手間をかけなくては再生できない。 しかし、牧柵で囲った田畑の中では牛たちが自由に草を食べ、いつ 人が戻って来てもすぐに農地として使用できるような田畑となる。 循環型農業の基礎が出来上がる。 一方で、殺処分に同意した人たちとの間に溝が出来ているとも言う。 どちらが正解だったのか。部外者である私には判断は出来ない。 殺処分ばかりではない。自分たちが避難する際に、人家に迷惑を かけないよう牛舎に牛をつないだままだった人もいれば、どうにか 生きてくれと牛たちを解き放して避難した人たちもいた。 それぞれに苦渋の決断だったのだろう。そして、殺処分に携わった 人たちも心を痛めていたことを知った。 「生きている牛のために、土は緑の絨毯を敷きつめてくれた。死んだ 牛のために、土は布団を用意し、土の国へと招き入れてくれた。 牛は土に還り、土はまた牛に還る。 牛の外にも内にも大地がある。 牛は大地そのものだ。」 汚染された大地で生きる牛と牛飼いたちの想いが濃縮された秀逸な ノンフィクションだ。 尚、チェルノブイリ原発事故の時には地域内の家畜は全頭移送され たそうだ。それなのに、日本は無策のままあの時まで過ごして来た のだよね。 ※買って積んでおいたら講談社ノンフィクション賞を受賞してました。

Posted by ブクログ

2016/10/06

 命とは何か、生きるとはどういうことかという問いを、真っ直ぐに突きつけてくる本である。 「警戒区域内において生存している家畜については、当該家畜の所有者の同意を得て、当該家畜に苦痛を与えない方法(安楽死)によって処分すること」  原発爆発当時の総理大臣菅直人からの福島県知事へ...

 命とは何か、生きるとはどういうことかという問いを、真っ直ぐに突きつけてくる本である。 「警戒区域内において生存している家畜については、当該家畜の所有者の同意を得て、当該家畜に苦痛を与えない方法(安楽死)によって処分すること」  原発爆発当時の総理大臣菅直人からの福島県知事への指示である。それも仕方ない、くらいに思ったような気がする。心の中に、いずれ殺されて肉になっていく命だと、軽く見ていたのは間違いないだろう。迂闊だった。何も考えていなかった。  このお触れが出たとき、牛をそのままにして避難した人がいる。自力で生きていくことを願って、牛を野に放った人もいる。それを責めることは誰にもできない。当然の行動である。そうした人々がどれほどつらかったかは、この本を読めばわかる。しかしそれでも、安楽死に同意せず、危険区域に通いながら牛の世話を続けた人々がいる。この本はそうした人々を追ったルポである。  原発爆発後、牛、豚、鳥、犬、猫など、餓死した命たちが、葬られることなく、死んだその場で、死んだ瞬間の体勢で、腐臭を放ちながら融けていった。原発が生んだ無数の悲劇のうちの1つの光景。牛の世話を続ける決心をした人々が通い続けるのは、こんな地域である。ただ牛が可哀想なだけで世話を続けたのではない、というより、それはできない。牛は猫のような愛玩動物ではなく、産業動物に分類されるため、経済的価値が伴わなくてはならないからだ。放射能のせいで食肉にはできず、その乳も市場に出せない牛たちに、単に生かす以上の価値を、見つけなければならないのだ。そして、彼ら・彼女らは、答えにたどり着いていく。  詳しくは是非とも本書を読んでほしい。人間という生き物を見直したい気になる。著者の抑制された文体も、非常に好感が持てる。この本を読んでも原発を推進することの罪深さが分からない人には、私はもう語る言葉を持たない。

Posted by ブクログ

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