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日本の土 地質学が明かす黒土と縄文文化
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784806714927 |
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日本の土
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
これまでほとんど顧みられることなく、単に「火山灰性の土」としてきたクロボク土。筆者はこれに疑問をいだき、研究を進めるうちに、縄文文化での野焼きに行き当たる。あくまでこれは「説」の域は出ないまでも興味深い。
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クロボク土の正体を明らかにすることがこの本のテーマだが、土壌の形成過程から丁寧に説明しているのでわかりやすいし、様々な観点から考察していく様は謎解きをするようでおもしろい。土の正体を解明することによって過去の生活を垣間見ることができるとは驚きであった。 土壌は、岩石が風化して粒...
クロボク土の正体を明らかにすることがこの本のテーマだが、土壌の形成過程から丁寧に説明しているのでわかりやすいし、様々な観点から考察していく様は謎解きをするようでおもしろい。土の正体を解明することによって過去の生活を垣間見ることができるとは驚きであった。 土壌は、岩石が風化して粒子となったものが集まって母材となり、ここに有機物の分解や集積、無機物の溶脱や集積が進行して形成される。土壌の形成過程は気象条件が支配的で、森林の多い日本では褐色森林土が55%を占め、クロボク土と沖積土がそれぞれ17%で続く。クロボク土は里山に普通に見られる。 陸域では、急傾斜地の重力による落下や降雨による運搬のほか、強風により舞い上がった風成塵による移動がある。塵が1年に0.1mm積もるとすれば、1000年で10cm、1万年で1mになる。著者は、褐色森林土からイメージするローム層は火山灰ではなく、風成堆積物が本質であると強調する。 クロボク土に含まれる腐植を放射性炭素で年代測定すると、形成開始時期は完新世であることがわかる。縄文土器は黒土、旧石器は赤土から出てくる。クロボク土は下位のローム質層と母材の岩質が同じで、腐植を捕らえた単子葉植物の燃焼炭が含まれるという違いがある。山形県小国町では、春に山菜を採るために山焼きが行われている。山焼きの後、しばらくするとワラビやゼンマイが芽吹いて成長する。火入れが繰り返されるとススキやササなどが優先する草原になる。このことから、クロボク土は縄文人が野焼き・山焼きを続けてきたことを意味すると結論付けている。
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非常に面白く読んだが、土木を専攻していながら自分の住む大地の成立ちなど何の興味も抱かずにきた不明を恥じた。 現在の日本列島の形成過程は以下の通り 1. 3000万年前に大陸と地続きであった 2. 2000万年前に大陸から離れはじめ日本海が形成され始めた。 3. 1600万年前に海面上昇で今日の日本列島の大部分が水没する。 4. 1000万年前に太平洋側へ引張られる方向から中立、押される方向への変化 5. 700万年前に奥羽山脈が最初に現れる。 6. 259万年前 ガウス・マツヤマ境界部(地磁気の反転)第四紀の始まり、ホモハビリス出現 ローム質土、中国の黄土の堆積始め 7. 1万年前温暖化、草原の森林化 クロボクの堆積始め 259万年前以降の気候は寒暖サイクルの繰り返しである。中国の黄土では暖かいと堆積土は酸化鉄を多く含み暗赤褐色を呈する。250mに及ぶ黄土の各層の年代が比定されている。 日本における土壌の形成過程の代表的な例は以下の通り 1. 造山運動による急峻な斜面は浸食にさらされる 2. 事件層の発生、地滑りによる緩斜面への変化に伴い崖錐性堆積物の堆積 3. さらなる地滑りにより台地へと変化。風成堆積物の堆積 急斜面 ローム質土交じり角礫 緩斜面 礫交じりローム質土 4. ローム質土の形成 5. 縄文時代の野焼きによりクロボクの堆積 ここでクロボクとはローム質土に微粒炭が混ざり可溶腐植物を土中に取り込んだもの。裸地では微粒炭が混ざっても黒色にならない。 温暖化による草地の森林化に対しもともと暮らしていた草地に戻す意図で始められた野焼きによるものと思われる。野焼き後に山菜が多く採れることから定期的に行われるようになったものであろう。 また外観が類似の高地性黒色土は黒色の花粉・胞子がまざったものである。
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