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モンサント 世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 作品社 |
発売年月日 | 2015/01/01 |
JAN | 9784861823923 |
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モンサントが自社開発した遺伝子組み換え食品の知的所有権を盾に、遺伝子組み換え小麦を栽培する農家に莫大なロイヤリティを要求するくだりを読んでいて、日本と韓国のあいだで起こった、いちご「とちおとめ」をめぐる争いを思い出した。 韓国農家が「とちおとめ」を栽培して利益を得ることを批判する...
モンサントが自社開発した遺伝子組み換え食品の知的所有権を盾に、遺伝子組み換え小麦を栽培する農家に莫大なロイヤリティを要求するくだりを読んでいて、日本と韓国のあいだで起こった、いちご「とちおとめ」をめぐる争いを思い出した。 韓国農家が「とちおとめ」を栽培して利益を得ることを批判することと、モンサントが農民からロイヤリティを要求することとの違いはどこにあるのか。国や会社の大小、歴史的、倫理的問題を抜きにすると、法的には同じことになるのか?
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フランス人ジャーナリストによる、モンサントの悪事を暴く本。NHKのドキュメンタリーを見たので、モンサントについてはある程度の知識はあったが、政財官の間に影響力を持ちGMOの世界に君臨する同社の実態を理解し衝撃を受けた。詳細な取材と調査に基づく説得力ある内容になっている。アメリカに...
フランス人ジャーナリストによる、モンサントの悪事を暴く本。NHKのドキュメンタリーを見たので、モンサントについてはある程度の知識はあったが、政財官の間に影響力を持ちGMOの世界に君臨する同社の実態を理解し衝撃を受けた。詳細な取材と調査に基づく説得力ある内容になっている。アメリカにおける巨大企業のパワーには驚いた。 ただし、訳者等日本人のコラムの中に、福島の原子力災害をモンサントと同一視する記述があるが、原子力の問題は企業と政界との癒着だけでは論じられず、わが国のエネルギー全般政策との関連が深いので、同一視することには違和感がある。コラムの中では全く証明はなされておらず、せっかくの良書の質を貶めていると感じた。 「モンサント: 1901年にミズーリ州セントルイスで創設され、2005年に世界一の種子販売企業となり、現在では世界中のGMOの90%を支配している」p13 「被害者たちが数十年後に企業に損害賠償を払わせたところで、その賠償額は、企業の利潤全体のわずかな部分でしかありません。だから、企業にしてみれば、秘密にしておいたほうが得なのです」p55 「(ズムウォルト提督)(オレンジ剤について)残念なことに、政府から資金援助を受けた研究に対する政治的干渉が存在することは常態化しており、珍しいことではない。科学的な研究に基づいた発見であることを強調するために、都合の悪いデータや結果は取り除かれたり、修正されたりする。こうした努力が組織的に行われている」p102 「コロンビア計画:2000年6月に計画され、コロンビア・ゲリラへの運動資金を閉ざすために、コロンビアでのコカイン栽培を根絶するため、ラウンドアップの空中散布が行われた」p140 「私は、この国のために働こうと考えてFDA(アメリカ食品医薬品局)に入りました。しかし、そこでわかったのは、この役所が、市民の健康の保護者としての役割を放棄して、工業会社の利益の保護者になっていたことです」p143 「遺伝子組み換え作物は、食品添加物のカテゴリーから除外され、したがって毒性試験を行う義務はなくなり、一般的に安全と認められる(GRAS)というカテゴリーに分類された」p231 「FDAが遺伝子操作の技術だけではなく、その最終的生産物を評価することさえも拒否したことが、あらゆる混乱とは言いませんが、あらゆる誤解を生じさせる原因になっているのです」p234 「(ランセット誌)どの政府も、健康への影響に関する厳密な試験を行わないまま、GMO製品を認可すべきではなかった」p287 「スターリンク事件:スーパーマーケットで購入したトウモロコシからGMOトウモロコシ「スターリンク」(人間の食料として使用を禁止)が発見され、多くの人にアレルギー発作が起こった」p359 「少なくとも35カ国がGMOの輸入を制限し、GMOを含む食品にラベル表示を義務付ける法律を採択している」p485 「(フランス国立農学研究所)たいへん当惑したことに、MON863トウモロコシを与えたラットから奇形が生まれた。異常の多さです。オスには白血球およびリンパ球の著しい増加が見られ、腎臓異常の割合が増加した。メスでは血糖値が著しく増加した」p488 「GMOは、他の農薬や医薬品と同じ方法で評価されるべきです。つまり、三種類の哺乳類を使い、2年間かけて検証しなければなりません。そうすれば、急性毒性症状が起こるかだけではなく、長期的に見て毒性があるかどうかを測定することができます」p492 「もはや私たちは、知らなかったでは済まない状況にいる」p498 「本書は、遺伝子組み換え植物という暴挙を前にして、がんや神経疾患、自己免疫疾患、生殖機能障害が先進国で蔓延する現状を前にして、市民社会が抱いている不安に一つの形を与えることができた」p518 「2013年度の世界のGMO作物は、27カ国で1.75億haに及ぶが、そのほとんどは最大の米国(7010万ha)、ブラジル(4030万ha)、アルゼンチン(2440万ha)、カナダ(1080万ha)などアメリカ大陸である」p520 「日本は、年間200万トンを超えるナタネ種子をカナダから輸入しているが、現在、その90%は遺伝子組み換え体である」p521 「2014年4月、バーモント州議会は、GMO食品表示法を可決成立させた」p525
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TPPをはじめとした、アメリカが仕掛ける食の世界戦略を解説した 『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘 文春新書)の なかで触れられていたのが遺伝子組み換え作物だ。 その遺伝子組み換え種子の世界シェア90%を誇るのが本書が 取り上げている多国籍企業モンサント。本社はアメリ...
TPPをはじめとした、アメリカが仕掛ける食の世界戦略を解説した 『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘 文春新書)の なかで触れられていたのが遺伝子組み換え作物だ。 その遺伝子組み換え種子の世界シェア90%を誇るのが本書が 取り上げている多国籍企業モンサント。本社はアメリカ・セント ルイス、日本にも支社がある。 著者は映画「モンサントの不自然なたべもの」の監督であり、 本書は映画の為に行った取材を元に書かれている。映画は観て いないのだが、本書だけで十分に怖い。 モンサントは遺伝子組み換え種子に辿り着くまでにも、多くの 人々を殺傷している。それは発がん性のあるPCBであり、 ヴェトナム戦争で大量に散布された枯葉剤エージェント・オレ ンジであり、食肉や牛乳に残留してアレルギーやホルモン異常 を引き起こす牛成長ホルンである。 販売商品が次々と人の生命を脅かす。こんな企業が何故、成長を 続けるのか。 恣意的なデータの抽出、データのねつ造は当たり前。ロビー活動で 自社製品の市販申請を勝ち取るのは勿論のこと、研究者には研究 資金を、政治家には寄付金をばら撒き、自分たちの懐に抱き込む。 監督官庁に圧力をかけるのなんて朝飯前。自社の幹部を政府中枢に 送り込み、政府中枢の人間を自社へ迎える「回転ドア」じゃ規制 も何もあったもんじゃない。 モンサントが行った実験を批判する科学者がいようものなら、 あらゆる手段を使って誹謗中傷し、内部告発者はある日突然、 窓際に追いやられるどころか、不当に解雇される。 モンサントは自然環境を考える会社だと自分で言う。だが、 モンサントの除草剤と、その除草剤に耐性のある遺伝子組み 換え種子は土壌を荒廃させ、作物の収穫量は年々減少して行く。 遺伝子組み換え作物を与えたラットの実験では、多くの異常が 見つかっているのだが、モンサントはそれにも知らんぷり。 本書では「これでもかっ」というくらいに遺伝子組み換え種子の 脅威が紹介されている、特に南米のトウモロコシと大豆、インド の綿花の例は恐怖だ。遺伝子組み換え種子は在来品種にまで 影響を与え、インドでは在来品種の種子の入手が困難になって いるとか。 さあ、どうするよ日本。TPPに参加してモンサントの遺伝子組み換え 種子や遺伝子組み換え作物を行けいなきゃいけなくなったら? 今でこそ食品パッケージに「遺伝子組み換えではない」と表示 されているが、モンサントにねじ込まれたらこれも出来なくなる かもしれない。 食べたくないよ、遺伝子組み換え作物なんて。だって、モンサント の除草剤に耐性のあるように作られた遺伝子組み換え種子って 結局は「毒」が遺伝子に組み込まれているってことでしょう。 もっと怖いのは、運搬の途中でこぼれた遺伝子組み換え種子や、 遺伝子組み換え作物の畑から飛んで来た花粉が、在来品種に 受粉してしまい、いつの間にか遺伝子組み換え作物がそっち こっちにはびこることだ。気が付いたら、そこらじゅうに 遺伝子組み換え作物って。うわぁぁぁ。 本書は極めて冷静に怖いことが綴られている。世界を征服しよう と思ったら、銃なんていらないんだよね。食糧を抑えちゃえば いいんだもの。人間が生きていく上でなくてはならないもの だもん。 いかに儲けるか。モンサントの社是ってこれだけだよな。消費者 の健康なんてまったく考慮してない。実際、散布されたモンサント の除草剤を浴びて亡くなった人も多くいるんだもの。 あぁ、いつか日本にも遺伝子組み換え作物が溢れるんだろうか。
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