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飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 徳間文庫カレッジ
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飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 徳間文庫カレッジ

杉坂圭介(著者)

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飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 徳間文庫カレッジ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2014/10/03
JAN 9784199070143

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商品レビュー

4.3

12件のお客様レビュー

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2024/11/25

今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。本書は第三者によるルポルタージュではなく飛田の「住人」である筆者がその内部事情を赤裸々につづった貴重な記録でございます。 飛田―僕がこの界隈のことを知ったきっかけは作家、黒岩重吾の小説がきっかけでした。株で...

今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。本書は第三者によるルポルタージュではなく飛田の「住人」である筆者がその内部事情を赤裸々につづった貴重な記録でございます。 飛田―僕がこの界隈のことを知ったきっかけは作家、黒岩重吾の小説がきっかけでした。株で失敗し、原因不明の奇病に全身を冒され、西成で息を潜めるようにして生きていたころに飛田に勤める「おねいちゃん」たちと交流があったのだそうです。 本書は「遊郭」を10年経営し、現在はスカウトマンとして「飛田に生きる」住人が書いた「裡側」の赤裸々なまでの記録です。以前、ここでも紹介した「さいごの色街・飛田」では遊郭を経営する親方のことを『仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者、また、それらを忘れさせるほどおもしろい所』の意である『亡八』というまことにショッキングな言葉で揶揄されている、という箇所を思い出し、これは当事者が書いた手記なんだということを改めて思い出しました。 筆者は高校時代の柔道部の先輩であり、再開したときは裏の『住人』になっているであろう『村田さん』から飛田での遊郭経営の話を持ち込まれます。ある程度考えた後、『いかがわしい場所とか言われるけど、そういう場所で人間の道極めるのもオモロイで』という言葉が後押しとなって、筆者は「実地検分」の後、料亭を持つことに踏み切ります。ただ、そのときの不動産屋の主人が言った 「店の女の子には、気いつけていな。女の子しゃべりおるから」 ということを後年筆者はイヤというほど思い知らされるのです。 飛田のシステムはかつて赤線、青線というものがなくなって、大阪の遊郭は、東京がソープという形態で残ったのに対し、料亭での仲居との自由恋愛という形で残ったのだそうです。たとえば15分のちょんの間(意味はご察しください)は11000円。取り分はおばちゃん1000円、女の子5000円、店(親方・マスター)5000円が相場で、時間によって変動するというのは言うまでもありません。 念願かなって店を持つことになるも、筆者は女性の持つ『業』というものにとことん振り回されるようになります。たとえば、店の売り上げは「オバちゃん」(あるいは『遣り手婆』)しだいだというのだそうですが、いい『オバちゃん』につけばいいのですが、悪い『オバちゃん』が入ると、売り上げを盗まれたり、気に食わない『女の子』をいじめたり、少しでも店の経営が傾いたりすると彼女たちの『ネットワーク』を利用してさっさと別な店に移るんだそうです。この「むきだし」感に、まずは衝撃を受け、店に来る女の子がさまざまな「事情」をもって「苦界」である飛田に飛び込み、あるものは目標だった額のお金をためて飛田を去り、あるものは飛田の持つ「魔力」からそこから離れられなくなり、とことんまで「堕ちて」行ってしまう…。人間の持つ「性」という根源的なものを「商品」として売買している現場に立っていた人間だからこその視点に衝撃をさらに受けてしまいました。 ここにつづられているミもフタもないやり取りは虚飾を排した人間の生々しい姿です。そこには金があり、それを掴むものもいればそれによって堕落してしまうものもいる…。いつの時代も変わらない「真実」があるような気がいたしました。現在、筆者は料亭をたたみ、そのときに培った経験を生かして「スカウトマン」として現在も飛田界隈の「住人」として活躍しているのだそうです。妖しい魅力を今でも放ち続ける「さいごの色街」飛田。本書はそこに生きる人間の貴重な証言であり、また記録であると思います。 ※追記 本書は2014年10月3日、徳間書店より『飛田で生きる: 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 (徳間文庫カレッジ)』として文庫化されました。

Posted by ブクログ

2021/05/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実際に親方として経営をしていた方が書いた本 勝手な想像で親方業はほとんど何もしなくても儲かりそうと思っていたが、本書を読んだことで思った以上に精神的にしんどそうだなと思った。 オバちゃんとお店の子が共謀してお店のお金を持ち逃げしたり オバちゃんが贔屓をしたせいで看板の稼ぎ頭が辞めてしまったり 普通に経営者として働いた方が心身ともに安らかなのではと思ってしまった タワーマンションの件はそうなっていないけど、 後から参入してきた人たちが、自分たちに都合いいように外観を綺麗にしていくのはどうなのかなーと思った 外観を整えたとしても内に籠るだけで語弊があるが根本的な問題は消えないと思う 買売春は一般的にみて悪いことという認識がまかり通っているが本当に悪いことなのか? 本に出てきていた生活費と借金、兄弟の進学費用のために飛田で働いていた人は飛田がなければどうしていたのか 性産業以外で稼げる仕事にすぐにつくことができる世の中ではないから選択肢がないのではないか 兄弟に話して諦めてもらうのが一般的にみて普通なのかもしれないけど どうしてもの覚悟がある人にとってのセーフティネットなのかもしれないと思うと、働いたこともなくただ色眼鏡を通してみているだけの私のような人間がああだこうだいうのは違うなと思った その場所が誰かの生きる場所であるのなら強制的に排除してしまうのは果たして… 関連書籍を読めば読むほど正解が全くわからなくなっていく

Posted by ブクログ

2020/08/16

自分が生きる世界とまったく違う世界で生きる人たちのことを知ることは大事。できることなら本でなく、実体験として。 知らずに否定するなんてことはしてはいけない。 飛田に救われ、この街を必要とする女の子たちも多くいるのだ。 とにかく美人な子よりも、笑顔がかわいく愛嬌のある子が多...

自分が生きる世界とまったく違う世界で生きる人たちのことを知ることは大事。できることなら本でなく、実体験として。 知らずに否定するなんてことはしてはいけない。 飛田に救われ、この街を必要とする女の子たちも多くいるのだ。 とにかく美人な子よりも、笑顔がかわいく愛嬌のある子が多くのお客さんを「上げる」。

Posted by ブクログ

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