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優雅なのかどうなのか、わからない
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | マガジンハウス |
発売年月日 | 2014/08/01 |
JAN | 9784838726936 |
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商品レビュー
3.3
25件のお客様レビュー
出版社に勤務する主人公の岡田匡は、48歳で離婚したばかり。 住んでいたマンションは元妻に明け渡し、吉祥寺の築50年以上の一軒家をアメリカに移り住む老婦人から借り受けることになる。 大家の老婦人は、内装など自由に施工することを承諾してくれ、老朽化した家を自分に合った住まいに作り上げ...
出版社に勤務する主人公の岡田匡は、48歳で離婚したばかり。 住んでいたマンションは元妻に明け渡し、吉祥寺の築50年以上の一軒家をアメリカに移り住む老婦人から借り受けることになる。 大家の老婦人は、内装など自由に施工することを承諾してくれ、老朽化した家を自分に合った住まいに作り上げて行くことになる。 匡は趣味趣向に拘りがあり、知人の建築家のアドバイスを受けながら納得の行く改築を楽しい思いで進める。 独り身になった匡は、周囲から「気ままな一人暮らし。優雅ですね」と言われるが、優雅と云う実感には程遠く、自分ではピンとくるものは全くなかった。 何の問題も無く、順調に一人暮らしが始まったと同時に、偶然にも数年前に別れた元彼女の佳奈と偶然に再開する。 しかも佳奈は近所に父親と二人暮らしだという。 当然の成り行きとして、二人の距離は徐々に再接近することになるのだが⋯。
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「火山のふもとで」「光の犬」がすごく好きで、以来少しずつ読んでいる作家さん。 40代後半での離婚。井の頭公園近くの古い一軒家を借り受け、思い通りに手を加えていく主人公。 インテリアを初め、物へのこだわりが半端じゃなく、まあ裕福なのねと少々鼻白む。それでいて「優雅なのかどうか、わ...
「火山のふもとで」「光の犬」がすごく好きで、以来少しずつ読んでいる作家さん。 40代後半での離婚。井の頭公園近くの古い一軒家を借り受け、思い通りに手を加えていく主人公。 インテリアを初め、物へのこだわりが半端じゃなく、まあ裕福なのねと少々鼻白む。それでいて「優雅なのかどうか、わからない」って、十分優雅なんですけど。 それでも、松家さんの文章は心地よくてずっと読んでいたくなる。家の貸主の老女・園田さんやかつての不倫相手・佳奈、離婚した妻、アメリカ留学中の息子、そして家に居付くキジトラの猫・ふみまで、登場人物(猫)全てが生き方に潔さがあって清々しい。 結局何ということもなく終わるんだけど、人生の行く末をしみじみ考えてしまうような作品でした。 このくらいの歳になると佳奈の選択はすごく理解できて、一緒に住むことだけが幸せの形じゃないんだよね。優雅に息抜きできる場所が家じゃないところにあるって贅沢だな〜。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者作品3冊目。著者としても3作目の作品。 いい感じに硬さもこなれた感じで、物語の進み方は滑らかだが、可もなく不可もなくと言ったところか。良作なのかどうか、わからない(笑) まぁ、3冊目に本作で、良かったかな。 連載の媒体が『Casa BRUTUS』ということで、著者お得意の暮らしにまつわるオシャレな家具、リノベのあれこれといった話が出てきて、それはそれで興味深い。 執筆当時の著者自身より若い48歳、独身男性を主人公に、(一般人から見れば)優雅と思える暮らしぶりを、少し距離をおいて描いている感じで、境遇は著者に近いものの(出版業界勤務)、生々しくない。敢えての距離感だろう。 その主人公が離婚を機に、代々木のマンションを引き払い吉祥寺に移り住む。なんとなく自分の半生と重なり他人事とは思えない(苦笑)。 そして古民家を借り受け、自分の好みに改装を始めるという、いかにも『Casa BRUTUS』な内容。媒体の読者を意識した筋立ても必要だろう。 その後、かつての恋人との再会、その父親の介護問題、遠くアメリカに暮らす息子の独立の問題、そして改装した古民家の行方・・・。 吉祥寺というわが町の見慣れた風景、訪れるお店の既視感などが柔らかな筆致と相まって、優雅な読書のひと時を満たしてはくれた。 ただし、佳き作品なのかどうか、わからない(笑)
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