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紫匂う
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紫匂う

葉室麟(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2014/04/17
JAN 9784062188913

紫匂う

¥220

商品レビュー

3.4

16件のお客様レビュー

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2019/12/21

序盤は(なんだ不倫話か、、幼い子がいるのに澪は考えの浅い女だな、、)と鼻白みつつ読んでいたが、さにあらずであった。いろんな要素があって大人のヒューマンドラマだったし、最大の見せ場であるところの、夫婦連携で悪を倒す秘伝の一刀の場面は良かったね。目線で察することができるような間柄であ...

序盤は(なんだ不倫話か、、幼い子がいるのに澪は考えの浅い女だな、、)と鼻白みつつ読んでいたが、さにあらずであった。いろんな要素があって大人のヒューマンドラマだったし、最大の見せ場であるところの、夫婦連携で悪を倒す秘伝の一刀の場面は良かったね。目線で察することができるような間柄であることがドラマティックに描かれていた。いい夫婦だ。 笙平と香の母子もある意味似てるよなあ。自分の保身が大事すぎて、ひとの幸せのためにという目線が欠けた生き方しかできない、ある意味誰のなかにもある弱さを抱えているダメ人間。今後笙平は出世はするかもしれないが、一生心は満たされず、ひとを責めて生きる業のタイプ。蔵太ほどの人としての器があれば、志津ともほんとうの夫婦になれたかもしれないのにね。おなじ時間が流れたはずの、対極のふた組。 自分の大事なひとが望むなら、その生き方がよくなるように支えたい、という赤鬼くんのような献身の行動話は大好きだし理想とするところなので、萩蔵太という男はとてもかっこよかった。澪、蔵太、笙平、香、芳光院、源三郎、黒瀬、志津、宮内、七郎兵衛、山の者の弥三、、 キャラが立ってる登場人物ばかりなので、妄想で実写キャストを考えたくなる。大人にオススメな1冊。

Posted by ブクログ

2018/12/27

昨年12月、作家・葉室麟が亡くなった。 66歳であった。 葉室麟は遅咲きの作家で、デビューしたのは、2005年、54歳の時である。 わずか12年という作家生活だったわけだ。 しかしその著作は、50冊を超えるほどの量産であった。 まるで残された時間が、わずかであることを知っていたか...

昨年12月、作家・葉室麟が亡くなった。 66歳であった。 葉室麟は遅咲きの作家で、デビューしたのは、2005年、54歳の時である。 わずか12年という作家生活だったわけだ。 しかしその著作は、50冊を超えるほどの量産であった。 まるで残された時間が、わずかであることを知っていたかのような多作ぶりである。 そしてそれらの小説で書き続けたのは、人間がもつ尊厳や真心といった精神の美しい輝きであった。 それはこの小説でも描かれていることである。 主な登場人物は、3人。 黒島藩六万石の郡方を務める萩蔵太とその妻・澪、そして江戸藩邸側用人の葛西笙平。 萩蔵太は心極流の剣の達人だが、普段は仕事一途なだけの地味で目立たない男であった。 その夫に18歳で嫁いで12年になる澪は、二人の子供を授かり、平穏な生活を送ってはいたが、夫にいささかの物足りなさを感じることがあった。 そんな折、幼馴染であり初恋の人である葛西笙平が、家老の意に染まぬことを行ったという理由で、国許に送り返されることになり、その旅の途中で逃げ出してしまう。 その葛西笙平が、澪の前に突然現れる。 彼を匿うことになった澪と笙平ふたりの逃避行が始まる。 それを見捨てておけなくなった蔵太が後を追い、ふたりに力を貸す、というのが物語のおおまかなストーリーである。 3人の交錯する思い、そして騒動の顛末はどうなるのか、その面白さに一気に読み終わってしまった。 それはこれまで読んできた葉室麟の、いずれの小説とも変わらぬ面白さであった。 ところで和歌や俳句に傾倒したこともあるという葉室麟の小説には、しばしば和歌や俳句の引用がなされることがあるが、この小説でもいくつかの和歌が登場してくる。 そのなかのひとつ、「紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに吾恋めやも」が、小説の最後に効果的に使われている。 これがこの小説の題名として使われているわけだが、その心境に至った夫婦ふたりの慎み深い機微を表して、印象深い結末になっている。 「精神の美しい輝き」が、ここでも見ることができる。

Posted by ブクログ

2016/11/23

 ひとのなすことはせせこましく、あまりにも小さい。けれど、小さいがゆえにせつなくもあり、いとおしくもある。  これは、主人公 ― 澪とその夫 ― 蔵太の二人が山奥の炭焼き小屋で満天の星空を見上げながらの会話の場面から抜粋ですが、この作品の主題の一つであるような気がします。 (...

 ひとのなすことはせせこましく、あまりにも小さい。けれど、小さいがゆえにせつなくもあり、いとおしくもある。  これは、主人公 ― 澪とその夫 ― 蔵太の二人が山奥の炭焼き小屋で満天の星空を見上げながらの会話の場面から抜粋ですが、この作品の主題の一つであるような気がします。 (内容紹介) 人妻の恋は罪でしょうか?  心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。  側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたなら――。 紫のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに吾恋ひめやも  直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。

Posted by ブクログ

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