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最後の恋人
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 平凡社 |
| 発売年月日 | 2014/02/21 |
| JAN | 9784582836462 |
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最後の恋人
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
よく意味のわからない、得体の知れないものを読んで困惑してしまうことは誰しもあると思う。私も若い頃、バロウズの『爆発した切符』や『ジャンキー』を読み、その意味のわからなさに頭を抱えた。最終的に意地で「文字を追う」ことだけに集中して最後まで読み切ったのだが、疲労感と謎の達成感以外に残...
よく意味のわからない、得体の知れないものを読んで困惑してしまうことは誰しもあると思う。私も若い頃、バロウズの『爆発した切符』や『ジャンキー』を読み、その意味のわからなさに頭を抱えた。最終的に意地で「文字を追う」ことだけに集中して最後まで読み切ったのだが、疲労感と謎の達成感以外に残るものはなかった。以降トラウマになってしまい、数年後友人から『シティ・オブ・ザ・レッドナイト』を教えてもらうまで、バロウズの名前を見るだけで視界から遠ざけていた。理解のできない言葉が延々と続くほど恐ろしいものはないのだ。 本書『最後の恋人』は読み始めた瞬間から、主人公ジョーが読んでいる本と彼が生きる世界が交錯するように展開する。とある人物が同時に別の場所に存在していて片方は素性の知れないアラビア系の女と情事に至っていたり、南方のゴム園のオーナーであるリーガンに付きまといつつも霞のように当然消えてしまう毒蛇達、言明されず夢の中で繰り広げられているかのような湖畔での交合、氷に閉ざされた山の上に住み、頭の中にいる羊と妻をあたかも本当に存在するかのように語る朝鮮人キム、煙の中に閉じこもり快楽に浸る賭博城の住民たち、といった予想だにもしない不条理が次から次へと立ち現れ、ページを追うごとに幻惑され方向感覚を失い、宙に浮いているようなはたまた落下しているかのような気分にさせられる。ここに真実はあるのだろうか、最初から最後までナンセンスで固められているのだろうか、そんな思いが頭の中に常に居座っている中で読書を続けなければならない。 しかし、不思議とページを捲る手は止まらない。バロウズの時とは正反対に、すべてのシーンに意味があるように思えてならず、目を閉じることができなかったのである。 著者が冒頭にて述べているように、この作品には一貫して「自由と解放」の潮流が潜んでいる。そしてそれに対峙するかのように聳え立つ「北方=氷の山=支配」のイメージが物語を磨き上げ深く意味深げな溝を穿つ。 性的な方法による自由への試み、そしてそれを否定するかのように現れる「解放を伴わない快楽は身をすり減らす」という格言、霧の中でプライバシーを守り自由に生きてきたが、とある一族のせいで全てが明快になったことによって周りを気にするようになり、不自由に陥った人々の寓話、南方の奔放さを思い、自らの妻の奔放さを思い性的な解放を目指そうとする服装会社の社長、こういった自由と束縛を寓話化しつつ物語は展開し、最後に近代中国が体験した最大の解放の旅「長征」が全てを包み込んでクライマックスへと向かうのである。長征とはただの自由への羽ばたきではない。国民党からの激しい攻撃=抑圧を受けての逃走劇だ。この長征を正しく理解することで、この作品の本質を掴むことができるのではないだろうか。 訳者があとがきで述べているように、本書はそもそも一読して理解できるようには構成されていないと思う。何度も読み、根のように張り巡らされた寓話を逆から辿っていくことで、著者の伝えたい本質という名の大木を拝むことができるのだろう。本書を読んで少しでも引っかかるところがあれば、ぜひもう一度読んでこの詩の洪水に身を委ねて欲しいと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あいかわらず摩訶不思議だけどユーモラスな残雪ワールドをたっぷり堪能。登場人物たちは表向き普通の生活を営んでいますが、ひそかにもう一つの世界を育んでいます。読書が趣味のサラリーマンの壮大な計画、農場経営者のゴム園やマリアの機織り…。彼らの世界では猫が電気を帯び、車椅子の男が空を飛び、不可解な出来事が日常茶飯事に起こります。 この世界の不可解さの追求こそがすなわち人間の可能性の追求であり、残雪の小説の共通のテーマとなっているもののように感じます。 わかりやすい小説ではありませんが、登場人物とともにときに笑いながら、想像もつかない世界を体験する心構えさえあれば、この小説が、作者の言う"精神が発展する場所としての別な空間と時間"の舞台となるに違いありません。僕たちだって、登場人物たちのように"世界の二重性"を生きているのかもしれませんよ。
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