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八月のフルート奏者 新鋭短歌
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八月のフルート奏者 新鋭短歌

笹井宏之【著】

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八月のフルート奏者 新鋭短歌

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 書肆侃侃房
発売年月日 2013/08/01
JAN 9784863851184

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商品レビュー

4.5

8件のお客様レビュー

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2024/10/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

私にとって『えーえんとくちから』に続いて2冊目の笹井さんの歌集。 15歳の頃から難病を伴う生活。 だからこそ、毎日を愛おしく見つめる眼差しを持ちえたのだろうか。 そこに卑屈さはなく、喜びも悲しみも真っ直ぐで透明感がある。 シャープでありながら、一つ一つの季節や、日々の一瞬一瞬を、大切に捉えていた。 確かに生きていた、そこに暮らしていたのだと、読んだ者が生身の笹井さんを感じることが出来る。 家族をとりあげた歌も多い。 生と死を敏感に捉えながらも、爽やかささえ感じる歌が色とりどりに並んでいる。 「香りしは白木蓮とミルクティーあなたの目蓋おろしつつ春」 「桃色の花弁一枚拾い来て母の少女はふふと笑えり」 「一枚であること一人であることの水泡 此岸桜は流れ」 「日本語が熟れてゆきます うすあかりする古書店の春の詩集に」 「木の間より漏れてくる光 祖父はそう、このやうに笑ふひとであった」 「なんといふしづかな呼吸なのだらう 蛍の群れにおほわれる川」 「八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり」 「廃品のなかでひときはたくましく空を見上げてゐる扇風機」 「雨といふごくやはらかき弾丸がわが心象を貫きにけり」 「ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒」 「流星の尾を掴まむとする刹那むしろゆたけき闇をよろこぶ」

Posted by ブクログ

2024/08/01

笹井宏之さんの第三歌集。 最後の歌集、そう思うと切ない。しかし、佐賀新聞に掲載された短歌や、パソコンに眠っていた短歌を一冊にまとめてくださったことはありがたいし、読めて幸せだなぁ。 笹井さんの優しく透き通るような短歌を読むと、生まれてきてよかったなぁと思う。 幸せは身近な日常に寄...

笹井宏之さんの第三歌集。 最後の歌集、そう思うと切ない。しかし、佐賀新聞に掲載された短歌や、パソコンに眠っていた短歌を一冊にまとめてくださったことはありがたいし、読めて幸せだなぁ。 笹井さんの優しく透き通るような短歌を読むと、生まれてきてよかったなぁと思う。 幸せは身近な日常に寄り添うようにあるんだね。 以下、特に心に響いた歌を。 ○押し花のキーホルダーをはじきつつあなたは風のやうに笑つた ○ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒 ○泣いてゐるものは青かり この星もきつとおほきな涙であらう ○八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり ○この雨をのみほせば逢へるでせうか 川の向こうで機織るきみに ○涙にも温度があるといふことを頬のあたりに記憶してゐる ○たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる ○桃色の花弁一枚拾い来て母の少女はふふと笑えり ○てくてくてくぐるぐるにゃあんびょーんぴょん「こら神棚に上がっちゃ駄目よ!」 ○幸せでいいですかと問う君の横ほら幸せが頷いている

Posted by ブクログ

2024/02/15

笹井宏之の作品をこれで全部読んだことになる。なんかもったいない気分だ。読んでいる最中はいつのまにか夢うつつになったり、歌が浮かんできて短歌を詠んだりしてたので、最後まで読むのはなかなか時間がかかった。

Posted by ブクログ

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