商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2013/08/01 |
JAN | 9784863851184 |
- 書籍
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八月のフルート奏者
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八月のフルート奏者
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商品レビュー
4.6
7件のお客様レビュー
笹井宏之さんの第三歌集。 最後の歌集、そう思うと切ない。しかし、佐賀新聞に掲載された短歌や、パソコンに眠っていた短歌を一冊にまとめてくださったことはありがたいし、読めて幸せだなぁ。 笹井さんの優しく透き通るような短歌を読むと、生まれてきてよかったなぁと思う。 幸せは身近な日常に寄...
笹井宏之さんの第三歌集。 最後の歌集、そう思うと切ない。しかし、佐賀新聞に掲載された短歌や、パソコンに眠っていた短歌を一冊にまとめてくださったことはありがたいし、読めて幸せだなぁ。 笹井さんの優しく透き通るような短歌を読むと、生まれてきてよかったなぁと思う。 幸せは身近な日常に寄り添うようにあるんだね。 以下、特に心に響いた歌を。 ○押し花のキーホルダーをはじきつつあなたは風のやうに笑つた ○ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒 ○泣いてゐるものは青かり この星もきつとおほきな涙であらう ○八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり ○この雨をのみほせば逢へるでせうか 川の向こうで機織るきみに ○涙にも温度があるといふことを頬のあたりに記憶してゐる ○たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる ○桃色の花弁一枚拾い来て母の少女はふふと笑えり ○てくてくてくぐるぐるにゃあんびょーんぴょん「こら神棚に上がっちゃ駄目よ!」 ○幸せでいいですかと問う君の横ほら幸せが頷いている
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笹井宏之の作品をこれで全部読んだことになる。なんかもったいない気分だ。読んでいる最中はいつのまにか夢うつつになったり、歌が浮かんできて短歌を詠んだりしてたので、最後まで読むのはなかなか時間がかかった。
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この歌集は笹井宏之さんが、2004年から2009年に佐賀新聞に投稿された歌を編んだものだそうです。 佐賀新聞に掲載された全251首と、掲載されなかった歌も何首か載っています。 ○八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり の歌は実は佐賀新聞には選ばれず、笹井さんのパソ...
この歌集は笹井宏之さんが、2004年から2009年に佐賀新聞に投稿された歌を編んだものだそうです。 佐賀新聞に掲載された全251首と、掲載されなかった歌も何首か載っています。 ○八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり の歌は実は佐賀新聞には選ばれず、笹井さんのパソコンの中に眠っていた歌だそうです。 この歌集の特徴としては旧仮名づかいを使用していること、家族を喜ばすという動機で詠まれたものが多いということがあるそうです。 八月のフルート奏者とは8月1日生まれのまさに笹井さん自身を詠んでいるのかと思われます。 特に好きだった歌を以下に。 ○花束をかかえるように猫を抱くいくさではないものの喩えに ○焼芋を売るおるひと売られおるひと どちらも芋のごとしあたたかし ○日本語が熟れてゆきます うすあかりする古書店の春の詩集に ○告白のはじめの言葉はらはらと落ちるゆきやなぎの散歩道 ○わがうちに散る桜あり 君の名を呼ぶとき君はきらきらと風 ○涙にも温度があるといふことを頬のあたりに記憶してゐる ○昏迷の砂漠に声は響きつつ哀しからずや浜崎あゆみ ○どうしてもかなしくなつてしまひます あなたをつつむあめのかをりに ○午後きみはひかりのかごを編んでをり 居眠りをするわれの傍ら ○たましひの還る世界に似て遥か インターネットという混沌は ○ペットボトル半分ほどの優しさを生きとし生けるもの全てへ ○ゆつくりと私は道を踏みはづす金木犀のかをりの中で ○春の橋越えてわれへと降りそそぐひかりの子供たちの歓声
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