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回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち 光文社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2013/12/13 |
JAN | 9784334037758 |
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回避性愛着障害
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商品レビュー
4.1
71件のお客様レビュー
「自分がどう生きたい、どうありたい」かを考えながら読むべき本
全体として、医者や心理学者でなくても理解しやすいように書かれており、著名人のエピソードも交え、読みやすい本だと思います。 具体的な対処法、改善策も提示されているので、「回避性愛着障害」を「改善」したい人には、改善策の指針となり、お勧め出来ると思います。 一つだけ注意した方が良...
全体として、医者や心理学者でなくても理解しやすいように書かれており、著名人のエピソードも交え、読みやすい本だと思います。 具体的な対処法、改善策も提示されているので、「回避性愛着障害」を「改善」したい人には、改善策の指針となり、お勧め出来ると思います。 一つだけ注意した方が良いと思うのは、筆者は文中、一度も愛着障害が良い、悪いという判断を明確に下していない点です。この点は、重要と考えます。 私は海外に20年程暮らしていますが、個人の幸せは自分だけが決められるものだと、周りの人は口を揃えて言います。 今の自分を変えないと幸せと感じられない、あるいは、もっと幸せになる可能性を求めるのなら、セラピーや自分で努力して変えればいいのです。 また、逆も然りです。 今の自分のままでうまく回っているということであれば、今の自分の性格は医者や周りが何を言おうが、うまく機能しているのではないでしょうか。 人間の幸せは、愛情だけで測る必要はありません。個人が決めるものです。独りでも、人生を日々穏やかに暮らしたいと願い、そうしている人もいるはずです。 筆者が説いている様々な社会的リスクは、どのようなものであれ人間の叡智が解決していくはずです。 「愛着だけが大事」というスタンスにならないよう、気を付けて読んでもらいたいと思います。
Nori
自分の傾向が、このように言葉になるとそれだけで安心してしまう。そうやって病が増えていく。ま、傾向と対策は理解した。著名人の具体例があるので、改めてその人生を見てみると興味深い。著者は愛着が希薄になっていることを生物学的変化と捉えている。人間の距離感がおかしくなったのは親から子への...
自分の傾向が、このように言葉になるとそれだけで安心してしまう。そうやって病が増えていく。ま、傾向と対策は理解した。著名人の具体例があるので、改めてその人生を見てみると興味深い。著者は愛着が希薄になっていることを生物学的変化と捉えている。人間の距離感がおかしくなったのは親から子への縦方向と夫婦や友人関係といった横方向の関係に影響するため、短い時間で一気に広がった感じ。
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人との関わり方の傾向を表す愛着スタイルは安定型と不安定型(不安型/回避型/恐れ回避型/未解決型)に分けられる。後者であると人間関係の問題を抱えやすい。乳児期に養育者から充分な反応が得られず適切な愛着が形成されていないと、精神的な安全地帯がないため他者を信頼できず上手く人と関われな...
人との関わり方の傾向を表す愛着スタイルは安定型と不安定型(不安型/回避型/恐れ回避型/未解決型)に分けられる。後者であると人間関係の問題を抱えやすい。乳児期に養育者から充分な反応が得られず適切な愛着が形成されていないと、精神的な安全地帯がないため他者を信頼できず上手く人と関われなくなる。常に不安があるために被害妄想的に過剰反応したり、自分を守るためにそもそも関わりを避けてしまう。 この回避型の分かりやすい例が引きこもりである。こうなると人生そのものを放棄してしまう。また、一見普通の暮らしができていても家族と心の交流がなかったり、自信満々で傲慢そうでも、家族や子供を持とうとしなかったり、重要なポストを辞退するというような責任を避ける形でも出てきて、総じて能力以下の人生になりがちだという。 こうした回避性愛着障害の行動パターンや内面生活を、有名な文化人などを具体例に解説しつつ、個人的な問題に帰すにはあまりにも増えているため現代社会が抱える病理性に根ざした物でないかとの考察、また、そこからの回復の道を具体的に示唆し、奨励する内容だった。 実は、また子育ての責任を女性に丸投げし男性を無罪放免にするアカデミックなミソジニー「母原病」の悪しき例かと思いつつ読んだ。実際、現代の母親は家事にしばられる時間が減った分趣味や自己実現にうつつを抜かして子供と向き合う義務をおろそかにして回避型愛着障害を量産していやがる的な、そういった文章もなきにしもあらずではあったがメインでなかった。むしろ、都市化の進む現代社会の非人間性の表れとして解釈していらっしゃる。 回避性愛着障害を社会的なレベルでみれば、デジタル思考や人工知能をもてはやす社会の一側面であるのは間違いないと思う。アシモフ『はだかの太陽』を思考実験として読むと、何もかもをロボットにやらせて、自分たちは苦役や細菌から完全にシャットアウトされた快適な孤立生活を楽しみ、再生産のための肉体的接触すらおぞましい義務のように思う未来人の姿は、グロテスクだが現代人が目指している理想の地だ。実際、物語の中では克服すべき悪癖のポジションだったのに心惹かれて仕方がなかったのを覚えている。 テクノロジーが推進する個人主義社会を否定しないかぎり、回避性愛着障害者の群れは消えないし、人との関わりに喜びを感じず、自分だけの宇宙で妄想たくましくする孤立した人間の群れに未来はない。やはり現代資本主義社会のリーダーらが言うテクノロジーの発達による問題解決なんておためごかしにすぎんなと改めて思った。
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