巨大彗星 アイソン彗星がやってくる

渡部潤一【著】

• 販売会社／発売会社: 誠文堂新光社
• 発売年月日: 2013/10/25
• JAN: 9784416113813

商品レビュー

2013/12/04

自然現象は、人間の都合なんて考えない。アイソン彗星の視点から考えるとあんなに暑い太陽の近くを通過するのだから溶けて当然。地上で騒いでいる人間のことを考える余裕はないということか。

　今日、NHK総合テレビで、NHKスペシャル　宇宙生中継　彗星爆発太陽系の謎が放送される。司会はタモリと久保田アナウンサーだ。ブラタモリのコンビだな。

　ニュースでも話題になっていたが、アイソン彗星は、ろいた―通信によると、肉眼での観測はほぼ不可能になったとある。著書ではそんなアイソン彗星に関する話題が載せられている。

　アイソン彗星のみならず、ここ数年話題になった彗星やロシアに墜落した隕石が話題になっている。

　著者である渡辺潤一氏がどうして天文学に興味を持ったのかという理由も書かれている。

　星を眺めることの楽しさを「星空浴」のすすめと言う表現で書いている。「私たち一人一人の手に、生まれながらにしてすでに、このすばらしい宇宙ショーの観覧チケットが無料で配られているのである」と最後に書いているように、天体ショーは見る機会があれば無料で楽しめる目の保養だ。

　それにしても、地下鉄、坂道の高低差に加えて、宇宙とはタモリの守備範囲は広いなあ。来年の3月で笑っていいともが終了するので、ブラタモリを特別番組の形で復活してほしいなあ。

NHKスペシャルのサイト

http://www.nhk.or.jp/space/ison/

ロイターのサイト

http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTYE9B201I20131203

2013/11/13

指導教官だから贔屓目に見るわけではありませんが、
さすが渡部さん、文章が上手いです。
天文学者の中ではベスト5に入ります。
サクサク読めます。

今年初めの隕石落下の話から始まり、
著者本人しか書けない裏話を交えてパンスターズ、アイソンと、
彗星の話が続きます。
時系列のドキュメントの中に、
彗星の基礎知識がしっかり織り込まれてます。
特にネックライン・ストラクチャーについて、
日本語でここまで詳しく書かれた本は初めてではないでしょうか。
これまでの彼の本、『木星に彗星が衝突するとき』や
『巨大彗星がやってくる』に近いタイプの本です。
研究者にはぜひこういう本も書いて欲しいと思いますね。