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火垂るの墓(文庫版) シネマ・コミック 4 文春ジブリ文庫
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火垂るの墓(文庫版) シネマ・コミック 4 文春ジブリ文庫

宮崎駿, 野坂昭如, 高畑勲

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火垂るの墓(文庫版) シネマ・コミック 4 文春ジブリ文庫

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2013/11/08
JAN 9784168121036

火垂るの墓(文庫版)

¥770

商品レビュー

4.5

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2025/05/19

興味を覚えたタイミングで出くわし、入手した。そして夢中で読んだ。素早く読了に至ってしまった。 アニメーション作品の『火垂るの墓』を基礎とし、映像の画等を使って編んだコミックである。「映画の漫画化」という体裁なのだが、アニメーション映画を想起出来るような感じに巧く編まれている。 映...

興味を覚えたタイミングで出くわし、入手した。そして夢中で読んだ。素早く読了に至ってしまった。 アニメーション作品の『火垂るの墓』を基礎とし、映像の画等を使って編んだコミックである。「映画の漫画化」という体裁なのだが、アニメーション映画を想起出来るような感じに巧く編まれている。 映画の制作陣の中に「美術監督」として山本二三が名を連ねている。先日、その山本二三の画の展覧会を鑑賞する機会が在った。数多くの作品の中、『火垂るの墓』で使用された、昭和20年の神戸や西宮の街という背景画に何か凄く惹かれた。記憶に残ると思っていたところに、『火垂るの墓』の映像の雰囲気が判る本ということで本書を知ったのだ。 幼い妹の節子を護り、一緒に生きようとする清太であったが、それが果たせなかったという物語だ。無邪気な様子の節子だが、苦しい情勢の中で苦しさを吐露しないように堪えているような感である。何とかしようと、清太は少し頑ななのかもしれない。 社会が安定を欠いてしまうような、戦禍というようなことにでもなれば、最も辛いのは「力無き者」かもしれない。原案の小説もやや古く、加えてアニメーション作品もかなり事実を経ている。それでも本作は色褪せてはいないと思う。 色々と戦禍を巡る話題も聞こえるような昨今、こういう作品は忘れたくない。

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2017/12/27

原作者・野坂 昭如が、アニメだと思ってバカにして(?)見たら、自分が住んでいた町並みとそっくりの家が出てきて、自分の記憶している通りの方角からB29が飛んできて空襲をして、そんなこと本に書いた覚えもなければ、今までだれにも話したことがなかったのにと驚いて、続く物語で、映画館(試写...

原作者・野坂 昭如が、アニメだと思ってバカにして(?)見たら、自分が住んでいた町並みとそっくりの家が出てきて、自分の記憶している通りの方角からB29が飛んできて空襲をして、そんなこと本に書いた覚えもなければ、今までだれにも話したことがなかったのにと驚いて、続く物語で、映画館(試写)に居たたまれなくなって、外に出た。みたいな話を聞いたことがあります。 原作自体は、淡々とした話で「こうとしか書けなかった」と言っていたり、自分の子どもが学校で、 「この物語を書いたときの作者の気持ちはどうだったのか?」 という問題が出たので、直接、作者である父親に聞いたら、 「あんなの書きたくなかったけど、原稿取りがまっていて、金が欲しかったから書いたんだ」 的なことを言ったとか。 「書きたくなかった」り淡々としか書けなかったというのは、それだけ作者のなかで、この話が昇華しきれていないということなんだと思います。 そして、その「痛い」部分を、容赦なくえぐってくる映画が、この「火垂るの墓」ですよねぇ。 原作者がかくしたことすら露わにしてしまうほど原作に即した映画。 これ、トトロと同時上演っていうのが、凄いですよねぇ。 子どもの心をわしづかみして、思いっきり突き放す。 多分、こっちを先に見た子どもは、トトロまでたどりつかなったのではないかと思います。 普通、途中で映画館でるわ。 でも、これは悪口ではなくて、それぐらい破壊力が強い映画だということです。 そして、お兄ちゃんは、まだ少年の姿のまま成仏できずにウロウロしている。 それは、原作者の野坂 昭如が生き残ったということであるし、罪が消えていないということもでもあります。そして、ぼくらのなかの罪の意識も、消えることがない。

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2016/01/16

スタジオジブリが、監督・脚本・高畑勲で制作、1988年に公開した同名のアニメ映画の全シーン・全セリフを載せた、文庫版のコミック。2013年に、文春ジブリ文庫/シネマ・コミックの第4弾として刊行された。 ジブリ作品としては珍しく原作があり、野坂昭如が自らの戦争体験を題材として描いた...

スタジオジブリが、監督・脚本・高畑勲で制作、1988年に公開した同名のアニメ映画の全シーン・全セリフを載せた、文庫版のコミック。2013年に、文春ジブリ文庫/シネマ・コミックの第4弾として刊行された。 ジブリ作品としては珍しく原作があり、野坂昭如が自らの戦争体験を題材として描いた原作の短編小説は直木賞(1967年)を受賞している。 終戦直前の神戸市と西宮市郊外を舞台に、父は出征し、母を空襲で亡くした14歳の兄・清太と4歳の妹・節子は必死で生き抜こうとするが、思い叶わす栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた本作品は、毎年のように終戦記念日前にテレビで放映されるが、何度見ても息苦しくなるほどに心を締め付けられ、涙を堪えることができない。 戦争は実に様々な形(最前線の狂気の世界、沖縄戦、原爆、特攻、シベリア抑留…)で人々に悲劇をもたらし、それらの体験はいずれも語り継がれなければならないものであるが、ジブリによりアニメ化され、多くの世代に強烈な印象を残した本作品の意義は大きい。

Posted by ブクログ