火垂るの墓(文庫版) の商品レビュー
原作者・野坂 昭如が、アニメだと思ってバカにして(?)見たら、自分が住んでいた町並みとそっくりの家が出てきて、自分の記憶している通りの方角からB29が飛んできて空襲をして、そんなこと本に書いた覚えもなければ、今までだれにも話したことがなかったのにと驚いて、続く物語で、映画館(試写...
原作者・野坂 昭如が、アニメだと思ってバカにして(?)見たら、自分が住んでいた町並みとそっくりの家が出てきて、自分の記憶している通りの方角からB29が飛んできて空襲をして、そんなこと本に書いた覚えもなければ、今までだれにも話したことがなかったのにと驚いて、続く物語で、映画館(試写)に居たたまれなくなって、外に出た。みたいな話を聞いたことがあります。 原作自体は、淡々とした話で「こうとしか書けなかった」と言っていたり、自分の子どもが学校で、 「この物語を書いたときの作者の気持ちはどうだったのか?」 という問題が出たので、直接、作者である父親に聞いたら、 「あんなの書きたくなかったけど、原稿取りがまっていて、金が欲しかったから書いたんだ」 的なことを言ったとか。 「書きたくなかった」り淡々としか書けなかったというのは、それだけ作者のなかで、この話が昇華しきれていないということなんだと思います。 そして、その「痛い」部分を、容赦なくえぐってくる映画が、この「火垂るの墓」ですよねぇ。 原作者がかくしたことすら露わにしてしまうほど原作に即した映画。 これ、トトロと同時上演っていうのが、凄いですよねぇ。 子どもの心をわしづかみして、思いっきり突き放す。 多分、こっちを先に見た子どもは、トトロまでたどりつかなったのではないかと思います。 普通、途中で映画館でるわ。 でも、これは悪口ではなくて、それぐらい破壊力が強い映画だということです。 そして、お兄ちゃんは、まだ少年の姿のまま成仏できずにウロウロしている。 それは、原作者の野坂 昭如が生き残ったということであるし、罪が消えていないということもでもあります。そして、ぼくらのなかの罪の意識も、消えることがない。
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スタジオジブリが、監督・脚本・高畑勲で制作、1988年に公開した同名のアニメ映画の全シーン・全セリフを載せた、文庫版のコミック。2013年に、文春ジブリ文庫/シネマ・コミックの第4弾として刊行された。 ジブリ作品としては珍しく原作があり、野坂昭如が自らの戦争体験を題材として描いた...
スタジオジブリが、監督・脚本・高畑勲で制作、1988年に公開した同名のアニメ映画の全シーン・全セリフを載せた、文庫版のコミック。2013年に、文春ジブリ文庫/シネマ・コミックの第4弾として刊行された。 ジブリ作品としては珍しく原作があり、野坂昭如が自らの戦争体験を題材として描いた原作の短編小説は直木賞(1967年)を受賞している。 終戦直前の神戸市と西宮市郊外を舞台に、父は出征し、母を空襲で亡くした14歳の兄・清太と4歳の妹・節子は必死で生き抜こうとするが、思い叶わす栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた本作品は、毎年のように終戦記念日前にテレビで放映されるが、何度見ても息苦しくなるほどに心を締め付けられ、涙を堪えることができない。 戦争は実に様々な形(最前線の狂気の世界、沖縄戦、原爆、特攻、シベリア抑留…)で人々に悲劇をもたらし、それらの体験はいずれも語り継がれなければならないものであるが、ジブリによりアニメ化され、多くの世代に強烈な印象を残した本作品の意義は大きい。
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【文春ジブリ文庫に高畑勲監督作品がコミックで初登場!】戦争によって両親を失った幼い兄妹がたどる過酷な運命を、リアルかつ繊細な演出により描き出した不朽の名作が文庫コミックに。
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文春ジブリ文庫シネマ・コミック第4弾 戦争というものの犠牲の大きさについて考えさせらる作品。 戦時中では戦う意思のない者も戦場に駆り出され犠牲になるということのほかに、 このような健気な子どもたちの犠牲があったことを忘れてはいけないと思う。 国をあげて戦うということの危うさを感...
文春ジブリ文庫シネマ・コミック第4弾 戦争というものの犠牲の大きさについて考えさせらる作品。 戦時中では戦う意思のない者も戦場に駆り出され犠牲になるということのほかに、 このような健気な子どもたちの犠牲があったことを忘れてはいけないと思う。 国をあげて戦うということの危うさを感じずにはいられない。 未来を背負う希望である子どもたちにこのような体験をしてほしくはないと思うと同時に、 これに似た現実が間違いなくあったということは知って欲しいと思った。
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