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かなたの子 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2013/11/08 |
JAN | 9784167672102 |
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商品レビュー
3.2
45件のお客様レビュー
平成24年 泉鏡花文学賞受賞作品。巻末の安藤礼二さんの解説で「『かなたの子』は、ラフカディオ・ハーンの「子供たちの死霊の岩屋で」を読み直し、書き直すことで可能となった作品である」とありました。この「かなたの子」をはじめ、ここには 8つの短編が収められています。どれも暗闇の中で 命...
平成24年 泉鏡花文学賞受賞作品。巻末の安藤礼二さんの解説で「『かなたの子』は、ラフカディオ・ハーンの「子供たちの死霊の岩屋で」を読み直し、書き直すことで可能となった作品である」とありました。この「かなたの子」をはじめ、ここには 8つの短編が収められています。どれも暗闇の中で 命と死が入り混じり、前世と現実、 罪と罰を背負って生きる女たちの(或いは男たちの)荒く湿った 息遣いが聞こえるような作品群です。「おみちゆき」では、田舎に伝わる即身成仏した和尚の声に、「闇の梯子」では、わけのわからない言葉を呟くようになった妻に、ゾワリとした怖さを感じました。 ミステリー小説でもオカルト小説でもないのに、夜ひとりで この小説を読んでいると怖さを感じるのは、作者が、土俗的な因習と死や、身ごもる女や、生まれなかった子の心理を、ぐっと読み手の位置までたぐり寄せているからでしょう。 人は死ぬ瞬間まで生きているし、生まれる瞬間まで子宮という暗闇にいる、そのことを肉感的にあらためて感じさせる作品でした。 余談ですが、作者の角田光代さんは『八日目の蝉』の時にも感じたのですが、子を宿した時の体感や、母性を子宮感覚で表現するのがとても上手いと思います。ご本人はたしかお子さんはいらっしゃらないということですが、想像で書けるとしたら、本当に凄い作家だなと敬服いたします。
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わー。色々たくさん、一つ一つのストーリーがあって、イメージしやすく読みやすく、とてもジーンとしました。これは、私が女だからかな。
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日本の古くからある民話や伝承の延長のような、ねっとりとした闇を感じる短編集です。 ホラーやオカルトといった雰囲気のお話が集まった一冊でした。 即身仏の話、田舎から上京した旧友との同窓会の話、押し入れの中の梯子の話、『道理』の話、前世の話、生まれる前に一人になった双子の話、...
日本の古くからある民話や伝承の延長のような、ねっとりとした闇を感じる短編集です。 ホラーやオカルトといった雰囲気のお話が集まった一冊でした。 即身仏の話、田舎から上京した旧友との同窓会の話、押し入れの中の梯子の話、『道理』の話、前世の話、生まれる前に一人になった双子の話、生まれる前に死んでしまった子の話、パワースポット巡りのツアーの話。 どれも、読んでいる間に何とも言えない、暗い何かを覗くような感触がありました。虫の声がうるさい蒸し暑い真夏の夜に、突然ふっと虫の声が止んでねっとりとした重苦しい闇が迫ってくるような、明るいところにいてもそこここにわだかまる暗がりに何かが潜んでいる息遣いを感じるような、なんとも重たい短編が続きます。 この人たちは結局どうなってしまったのだろう、と話の最後に思うことが多かったですが、綺麗なオチでまとまらないからこそ、闇が深いように感じました。昔の日本には、もしくは今でもどこかの田舎では、こんな風習や伝承が残っていたのかもしれないと思わせるものがあります。 ファンタジーにも見えるような題材であるのに、妙にリアルな描写がファンタジーとして読ませない、リアルな『死』を感じました。
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