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若き日の哀しみ 創元ライブラリ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2013/09/30 |
JAN | 9784488070724 |
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若き日の哀しみ
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商品レビュー
3.7
16件のお客様レビュー
ダニロ・キシュを日本語で読む……なんと甘美な体験だろう(もちろん山崎佳代子の訳業がなければ成り立たなかったことだ)。激動の時代を生きたこの作家の書いたものを、わざわざ政治性を切り離して読むことは端的に無意味かつ無礼な振る舞いというものだ。でも、それを踏まえてもなおキシュのこの繊細...
ダニロ・キシュを日本語で読む……なんと甘美な体験だろう(もちろん山崎佳代子の訳業がなければ成り立たなかったことだ)。激動の時代を生きたこの作家の書いたものを、わざわざ政治性を切り離して読むことは端的に無意味かつ無礼な振る舞いというものだ。でも、それを踏まえてもなおキシュのこの繊細さは「大文字の言葉」「イデオロギー」が塗りつぶしてしまうものをこそすくい取っていると評価したい。子どもはその幼心に、大人たちやこの世界の愚かしさと崇高さを見抜く目をすでに持ち合わせている。そんな唯物論的な目線と詩心が幸福に融合する
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第二次大戦中に、ユダヤ人である父親が強制収容所に送られ帰らなかったという、著者自身の少年期の体験に基づいた小説。 (著者の母方はユダヤ人でないため、家族の中で父親だけが収容所に送られたのだ) その、恐ろしく歴史的な大きな出来事を、決して直接的な表現で描かないという点は、ダニロ・...
第二次大戦中に、ユダヤ人である父親が強制収容所に送られ帰らなかったという、著者自身の少年期の体験に基づいた小説。 (著者の母方はユダヤ人でないため、家族の中で父親だけが収容所に送られたのだ) その、恐ろしく歴史的な大きな出来事を、決して直接的な表現で描かないという点は、ダニロ・キシュの作品全てに渡って貫かれている。 物語はあくまで、繰り広げられる慎ましい日常に焦点を当てる。 だからこそ、ふとしたときに滲み出すような哀しみの描写に、少年の人生の至る所隅々にまで、歴史のもたらす悲劇が染み込んでいる、ということを読み手にはっと痛感させる。 叫ぶような哀しみの訴えとは違う、著者独特の技法であり、幼い少年が苦しみにじっと耐えて生きる様子に心を打たれる。 最後に少年に届く手紙に、この物語が「『若き日の』哀しみ」というタイトルである理由を教えられた。 若き日の哀しみは、成長とともに消えるのではない。 身体の器官のようにその人の一部となり、人生を共に生きるものとなる。 ダニロ・キシュの詩的で美しい描写を日本語で届けてくださる、訳者で詩人の山崎佳代子さんに、心から感謝する一冊です。
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海外文学は独特の翻訳文が合わないことが多く、読まず嫌いをする傾向にありましたが、小川洋子さん推薦、という帯の言葉に惹かれ、読み始めると、冒頭、一行目から文章の美しさに感動しました。 翻訳者の山崎佳代子さんが詩人であることも理由のひとつかもしれません。抒情性が高く、一文一文が丁寧に...
海外文学は独特の翻訳文が合わないことが多く、読まず嫌いをする傾向にありましたが、小川洋子さん推薦、という帯の言葉に惹かれ、読み始めると、冒頭、一行目から文章の美しさに感動しました。 翻訳者の山崎佳代子さんが詩人であることも理由のひとつかもしれません。抒情性が高く、一文一文が丁寧に紡がれていました。 第二次世界大戦渦、ホロコースト、という歴史を踏まえて読むと、幻想的な雰囲気や不穏さが漂う描写にぐっと暗い背景が迫ってきます。 残酷にならざるを得ない、捨てて行かなければならない、引き裂かれてもう二度と会えない。 表題作は嗚咽しました。 こんなに、悲しいことが、あってはいけない、と思います。 人語を解する犬、というのはファンタジーです。ですが、この哀しみを少しでも癒すために、少年に必要だった、切実なファンタジーです。 同じ時代、アンディと似た境遇に心も体も引き裂かれた少年少女が、どれほどいたのかと思うと、苦しくてたまりません。 海外文学への印象が大きく変わり、心を深く大きく揺さぶられた一冊です。
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