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菩提樹の蔭 他二編 岩波文庫51-3
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菩提樹の蔭 他二編 岩波文庫51-3

中勘助(著者)

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菩提樹の蔭 他二編 岩波文庫51-3

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1984/12/01
JAN 9784003105139

菩提樹の蔭 他二編

¥440

商品レビュー

4.5

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2015/09/10

印度に住む老年の彫刻家の愛娘は、彫刻家の弟子と密かに愛し合っていた。 家の裏の大きな菩提樹は彼らの愛の棲家。 娘が死んだ時、彫刻家と弟子は娘の彫像を作り上げる。 しかし弟子は愛する者の姿だけでは満足できなくなり、大それた望みを耶摩神に希う。 畏れを知らぬ人の望みに、耶摩神の下す天...

印度に住む老年の彫刻家の愛娘は、彫刻家の弟子と密かに愛し合っていた。 家の裏の大きな菩提樹は彼らの愛の棲家。 娘が死んだ時、彫刻家と弟子は娘の彫像を作り上げる。 しかし弟子は愛する者の姿だけでは満足できなくなり、大それた望みを耶摩神に希う。 畏れを知らぬ人の望みに、耶摩神の下す天罰は…。  /「菩提樹の陰」 この小説は、中勘助の学生時代の友人の娘妙子のために書かれたものらしい。 この本1冊には妙子との交流を書いた「郊外 その2」と、「妙子への手紙」とが収められている。 中勘助は10歳くらいの妙子を膝に乗せ「僕のお嫁さん」と慈しむ。 妙子は祖母や母への複雑な距離感で育ち、第二の父以上の存在として”なかさん”に懐く。 中勘助の妙子への愛は無私にて無条件だが盲目にならず、というものと書き記されている。

Posted by ブクログ

2010/12/16

「銀の匙」で夏目漱石に高い評価をされた中勘助は、 かつて友人の幼い娘に童話を作って、話してやった事があった。 自分と同じように「複雑な家庭の事情」によって、 悩み苦しんだその娘を憐れみ、 彼女が35歳という若さで亡くなるまで、 中氏はありったけの愛情を注ぎ、 そして永遠の良き理...

「銀の匙」で夏目漱石に高い評価をされた中勘助は、 かつて友人の幼い娘に童話を作って、話してやった事があった。 自分と同じように「複雑な家庭の事情」によって、 悩み苦しんだその娘を憐れみ、 彼女が35歳という若さで亡くなるまで、 中氏はありったけの愛情を注ぎ、 そして永遠の良き理解者であり続けた。 その可愛がっていた娘が成長し、若い母親になった時、 中氏はその童話を「大人のためのメルヘン」として書き直した。 それが本作品の「菩提樹の蔭」である。 印度の彫刻師の若者の愛と死を描いた、この作品を貫くテーマは 「本当の無私の愛とは何か」といった問いかけである。 愛しい娘が死んだ時、若者とその娘の父親は彼女の石像を作り、 若者は「耶摩」の神に願い、娘の石像に命を吹き込んでもらった。 そんな若者の行いを、物語の作り手である中氏は 「美しい愛に奇跡」と捉えずに、 その後、若者に恐ろしい神罰が下されたように 「自分のエゴによってひき起こされた悲劇」だとした。 過酷な運命を引き受け、己の自由や感情を抑圧して生きた中氏は、 この「悲しい恋の物語」を通して、 実の子のように可愛がっていた娘に何を伝えたかったのか。 中氏本人や関係者達が亡くなった現在となっては、 我々読者は、本作品と共に収録された、 友人の娘と過ごした思い出を綴った随筆「郊外へ その二」と 彼女へ送り続けた手紙を集めた「妙子への手紙」を読み、 その思いを推し量るより他はない。

Posted by ブクログ

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