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日本近世の心学思想
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 研文出版 |
| 発売年月日 | 2013/03/01 |
| JAN | 9784876363575 |
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日本近世の心学思想
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陽明学の研究者である著者が、近世日本思想史における「心学」の諸相について論じた論文などをまとめた本です。ただし本書における「心学」は、いわゆる石門心学に限定されず、陽明学を中心とする「心学」にかかわりのあるさまざまな思想をふくんでいます。具体的にとりあげられている思想家は、中江藤...
陽明学の研究者である著者が、近世日本思想史における「心学」の諸相について論じた論文などをまとめた本です。ただし本書における「心学」は、いわゆる石門心学に限定されず、陽明学を中心とする「心学」にかかわりのあるさまざまな思想をふくんでいます。具体的にとりあげられている思想家は、中江藤樹、盤珪、鎌田柳泓、さらに幕末期の陽明学者である林良斎や春日潜庵などです。 著者は「心学」を、修己と治人を二つの焦点とする楕円として理解しており、こうした観点から上述の思想家たちについての考察がおこなわれています。なかには、朱子学者でありながらも、このような「心学」の問題に深い理解を示している雲川弘毅の『心学辨』の翻刻も収録されています。かと思えば、「カウンセラーとしての中江藤樹」という文章は、門人に対する藤樹の書簡を紹介して、彼が具体的な問題の解決に向きあう姿勢が親しみやすいことばで解説されています。さまざまな機会に書かれた文章が集められているようで、一冊の本としての統一性は感じられません。 幕末の陽明学者たちをとりあげた論考では、専門家としての立場から基礎研究の必要性が主張されています。著者は、陽明学者の掘り起こしにたずさわった近代の人びとの思想や政治的なスタンスなど対する性急な批判には向かわず、まずは客観的な研究を進めていくための基本的な条件が整備されることを求めており、研究者としての慎重な態度をつらぬいています。ただ、一般の読者としては、たとえば陽明学が幸田露伴の『努力論』を通じていわゆる「修養主義」へと流れ込んでいるといった興味深い論点を示されると、もっと突っ込んで論じてほしいと思ってしまいます。
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