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腐葉土 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2013/04/19 |
JAN | 9784087450606 |
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商品レビュー
4
30件のお客様レビュー
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重厚な作品。関東大震災と東京大空襲を生き延びた一人の女性の生き様が淡々と語られる。このくだりは物語に必要なのかと思いつつ読み進めるが、最後に納得。後半は一気に読んだ。この作家はいつも知らなかったことに目を向けてくれる。読む価値がある小説。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
関東大震災と東京大空襲を生き延び、戦後の闇市から身を立てた高利貸しの老婆が殺害された。疑いは彼女と揉めていた孫に向くが……というお話。 本筋のミステリは非常に入り組んだ話で読み応えがあったが、肝になるある仕掛けや事件の真相は予想通りだった。 熱量は高いが作者の筆が走りすぎているように感じる部分もあり、話が分かりにくかったり、かと思えば同じことを数ページ以内に繰り返したりしている部分があったりとややムラがある。 勢いに乗ってガーッと書くタイプの人なのかな……? (なお登場人物名に誤字があり、「実は別人の話してるっていう叙述トリック……?」と無駄に気が散ってしまったが別にそんなことはなかった。) ただ、その熱量ある筆致によって描写された関東大震災や東京大空襲の回想シーンは凄まじく、読んで良かったと思えた。各登場人物の心理描写も立体的でよかった。特に悪事を働いたり残酷な仕打ちをしたりする人物の心理は、共感はできないが腑に落ちるところがある。 このことに関して、作者は主人公の木部美智子を通してこのように書いている。 「背景を調査し分析することと、理解し共感することは違う。(中略)子供を虐待する親の背景を分析してもいいが、共感し理解できるように文脈を巧みにし、誰にでも起こり得ると結論することは、自堕落なのだ。」 このような気概を持つ望月諒子は、信頼できる作家だと思う。 木部美智子シリーズは『蟻の棲み家』につづいて2冊目。このシリーズは骨太でけっこう好きな気がするので、ちょこちょこ読んでいきたい。
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