リボン

小川糸【著】

• 販売会社／発売会社: ポプラ社
• 発売年月日: 2013/04/12
• JAN: 9784591134245

商品レビュー

2025/01/10

すみれちゃんというおばあちゃんとオカメインコの｢リボン｣を育て始めたひばり。リボンが人々をリボンのように結んでいく話です。リボンを中心に色々な人が少しづつ繋がっていく話です。このラストの感じは結構好みでした。また、感動できるシーンもいっぱいあり、大好きな本が増えました︎^_^

2024/12/17

すみれちゃんの髪の毛の中で温められ孵化したオカメインコのリボン、祖母のすみれと孫のひばりの2人で大切に育てられていたが、突然大空へ羽ばたいて行ってしまった。
リボンは飛んで行く先々で、救いを求めている人々の心に寄り添う不思議な力を持っている。

一つ一つの話の主人公が変わって行く連作短編のようだが、タイトルがついてないので一つの長編小説なのだろう。
その中でも余命わずかと知ったさし絵作家の美歩子の話が良かった。
美歩子の入れるチャイと暖炉の火で焼く香りの良いマショマロ、美歩子が描いた玉ねぎの絵の凛とした強さと上品さ、泰山木の花が咲く庭、温度と匂いを感じるような話だった。

すみれちゃんの若い頃、ベルリンに住んでいた時、突然できた壁（ベルリンの壁）によって東と西に分かれてしまったハンスさんとの淡い恋の話も切なくて良かった。
遠い過去にタイムスリップしたみたいな、自分がリボンのように翼を持って異国の地に飛んでいったような感覚で話に引き込まれた。

2024/12/10

オカメインコのリボンと、祖母と孫の物語。
おばあちゃんの髪の毛の中で温められて生まれたリボン！スゴイ！

すみれちゃんとひばりちゃんの話が一区切りしたところで、場面ががらりと変わり、突然全く別の話になったのかと思ったけれど、リボンの旅の記録だったとは。素敵な出会いがいっぱい。
鳥のいえの話と画家さんの話が好きだったな。
後半では、リボンのいない中里家に戻って物語が進む。

ベルリンの歴史に立ち会ったというすみれちゃんの壮絶な過去や、大人になったひばりちゃんの人生の困難も描かれながらも、全体的に羽毛のようにふんわりと優しい雰囲気に包まれた本だった。

オカメインコの長寿に驚き。